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しるし(詩集)

ゴリラだからって

作者: さゆみ

黒褐色の太い腕は包み込むようにそっとそっと抱えている


黒褐色の小さな命は離すものかとぎゅっぎゅっとしがみつく


互いが寄り添い求め合いぬくもりを分かち合う



本能なのか愛情なのか


生い茂る木々のてっぺん

見下ろす空は知っているのかもしれない




ゆるり乳房のその中は初めて出会う生きる源


生きることは疲れ果てていくことだよと

幾度も吸い付いては微睡むばかり


ただ瞼を開けるといつでもそこにある

逞しき腕の中 抱きしめる腕の中



本能なのか愛情なのか


薄日差し込む穏やかな空間は

過ぎゆく時間ときを見守るばかり




遠い昔に別れてしまったけれど

ゲノムや染色体の違いはあっても

空も海も太陽も世界を平等にみつめていた




あと少しで人間になれたのかもしれないのに



ふとちらつかせた脳裏を見透かしたように

黒褐色の顔が一瞬だけ前を見据えた



馬鹿にするな



ぷいと背けた背中からそんな声が聞こえた















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― 新着の感想 ―
[良い点] 「生きることは疲れ果てていくこと」 [一言] うん負けた。負けました。 まだまだ稚拙なところはあると思いますし、もっとこの詩には良くできるところがあると思います。 なのだけれど、結局「生き…
2013/04/29 13:15 退会済み
管理
[良い点] ゴリラというと、なんとなくユーモラスだったり武骨だったりといったイメージが連想されます。が、その顔つきをよく見て切ると、意外と思慮深そうな瞳をしています。 ゴリラのゆったりとした壮大さと、…
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