[with航空母艦先生]エイプリルフール企画! 騙されたのは……
『 ……さ、作者、その、あのな? 』
航空母艦さんの服の袖を握り締め、困ったように見上げる遠龍。
「え、遠龍?」
(普段と違う……?)
どうしたのかと聞こうとすると、
『 航空母艦さんっ…… 』
長門が空いている方の手をきゅっと握った。
「え、っと、え、長門?」
『 あの、……作者さん 』
服の裾をゆるく掴む畝傍。彼女はすでに目が潤みだしている。
「う、畝傍?」
『 航空母艦先生ぇ…… 』
甘えた声で後ろからしなだれかかる陸奥。
「……っと、なに、え、陸奥?」
作品内二番目を誇る陸奥の胸部がむにむにと押し付けられる。
「こ、航空、母艦、……先生」
腕に絡みつく千早。
「ちょ、待って、あの、え、どゆこと?!」
「作者さん」
西島真央がふわりと笑って見上げる。
「西島、お前まで一体どうしたんだ?」
混乱しかけた航空母艦さんの前に、かつ、と音を立ててこんごうが近寄った。
『 ……おい、作者 』
まさに九死に一生を得る。すぐに声をかけた。
「あ、こんごう……! ちょうど良かった、助けてく」
『『『『「「……す、すきですっ」」』』』』
『 すきだ 』
・・・・・・。
「なんだこれぇぇぇえぇえええぇえぇ!!!」
頬を染めて言う2人+艦魂5人。
に、キャパシティオーバーになった航空母艦さんは絶叫した。
遡ること1時間前、赤城甲板にて。
「よし、作戦のおさらいだ」
『 作戦も糞もあるか、やってられない! 』
ぴっと人差し指を立てて言う矢川修二に憤慨する遠龍。
「まぁまぁ、そう熱くなるな。ちょっとした遊びじゃないか」
『 じゃあお前も作者に告れよ! 』
顔を赤くした遠龍が矢川に無茶を言う。
「……いや、それは体裁的にちょっと。ほら、俺男だし」
ムリムリ、と手を振る。
『 じゃああたしもやらない 』
『 ……まぁまぁ、愛情の裏返しということでいいじゃないですか 』
長門がぷいっとそっぽを向いた遠龍を宥める。
『でも……』
まだ口を尖らせる遠龍に、長門が一言。
『 作者さんがそこまでお嫌い? 』
純粋な目で見つめられ、遠龍は、
『 ぃ、いや、そういう訳じゃ、ない、ケド…… 』
と半ば照れているような口調で言った。
「じゃあ決まりだな」
が、十六夜師走にそう言われ、
『 てめぇに言われたかねぇよ 』
と逆上しそうになる。
「あー、ゴホンッ」
会話を遮るように咳払いし、矢川が続ける。
「1時間もすれば作者はここ、赤城にやってくるはずだ。そこで佐和くん、西島くん、遠龍と畝傍と長門と陸奥、それから……できればこんごうも、よろしく頼む」
『 アプローチならもっと適任がいますよ? 』
にっこり笑いながら口を挟む長門。長い黒髪を風に靡かせ指した先には、
『 うにゃぁ~ん♪ 』
ふよふよと浮かびながら意味不明な言葉をつぶやく少女。
「……いや、彼女は作者には刺激が強いかもしれん」
真面目な顔で言い放つ師走。
「名前はなんだ?」
『 赤城です。赤城ちゃん! 』
『 ながとねえさまじゃないですかぁ 』
長門の呼びかけに応え振り向いた赤城の服装に、男性陣が鼻血を吹いた。
うさ耳パーカーはジッパー全開で、ミニスカートは潮風に煽られてなびいている
「赤城!」
『 淡さんじゃないかにゃぁ~ 』
ふんわりと笑う赤城。
膝下まで下げた靴下をきちんと履く。ニーハイとスカートとの間が絶対領域化した。
「私は君の趣味に文句言う気はないけどね? せめてブラくらいしなさい!! それとスカート短すぎ!」
ビシィッ、と指差して言う淡。
赤城はぺろ、と自分のパーカーをはだけてみて、
『 ………………ぁ、忘れてたにゃぁぁぁん。ま、気にしちゃ駄目にゃ 』
にっこり笑った。
「だらしなさすぎるよ赤城ぃ!!」
※作者は涙目です。
男性陣はゴホンッ、と大きく咳払いをする。
『 あの、私はどうすればいいの? 』
控えめな、けれど凛とした声が奥から聞こえた。
「秋津洲か! ……いや、お前もここにいてくれるか?」
矢川が苦笑すると、秋津洲は笑みを浮かべ、
『 わかったわ 』
と言った。
「……さて諸君。思い思い接近していい、とにかく落とすつもりでやってくれ」
「わかりました。でも、西島さんは?」
千早が見当たらない西島をキョロキョロとさがすと、
「西島は作者を連れてくるはずだ。もう勝負は始まってるんでね」
矢川が自信たっぷりに言った。
勝負ってなんのことだろうと千早は呑気に思った。
( 作者さん、頑張って…… )
あたふたする航空母艦さんを遠巻きに見つめながら、心優しい秋津洲が心中でそう思った。
「あ、あの、とりあえず離れてくれないか、頼むから、特に陸奥」
陸奥ははぁーい、と間延びした返事はしたが、一向に離れる気配がない。
こんごうは一歩下がりきっと航空母艦さんを見上げるとどこかへ消え、千早は真っ赤になってするりと腕を離し、遠龍はぷるぷると小刻みに震えながらやわく航空母艦さんの足を踏んだ。
「っ痛」
そして全員一致で航空母艦さんの顔を覗き込み、
『『『『「「誰が一番すき?」」』』』』
表情は各人それぞれ違うが、文言は同じで問う。
「矢川よ、お前……、タチが悪いな」
「師走じいさんにだけは言われたくねぇなぁ」
『 しゅうちゃん、しぃちゃん 』
意味不明な言葉を発したのは赤城。
「は?」
矢川が聞き返すと、
『 しゅうちゃん 』
と言って矢川を指差し、
『 しぃちゃん 』
と言って師走を指差した。
『 二人とも告白しに行ってくるのにゃぁ! 』
赤城はきりっとした顔で言った。
二人は一瞬動きが止まった。
「「え゛」」
『 えんりゅーちゃんの死を無駄にしちゃ駄目にゃ! 』
死という訳ではないのだが。
「いや、で、でも俺ら男だし」
『 あいはぼーだーとじぇんだーを超える 』
赤城は軽々と矢川、師走両人の襟首を掴み、
『 言ってくるのにゃぁっ!! 』
航空母艦さんの方に向かって放り投げた。
ひゅぅぅぅぅぅん。
空を切る。
「え、あの、皆、気持ちは嬉しいけど、でも、その、」
しどろもどろになりながら言う航空母艦さんの頭上に黒い影が二つ。
「「うぁぁぁああぁぁあああぁ作者ぁぁぁあああっ!!!」」
落ちてくる。
全員が身の危険を感じ遠のく。
ドガシャァァァン。
「さ、作者! その、す、すすすす好きだ」
「お、俺もすきだ! このやろぉぉお!!」
強かに腹を甲板に打ちつけられ、息も絶え絶えに告白する師走と矢川。
((言うとおりにしないとこの艦魂から殺られる!))
その様子を真剣な顔で敬礼する秋津洲と赤城が見守る。
航空母艦さんはというと、下を向き小刻みに震えている。
『 作者さん、様子がおかしいわ 』
『 ……そのようだにゃ 』
心配になった秋津洲と赤城が近寄ろうとすると、
「……お、おおお前らほもだったのか!? お、俺はそんなの信じない!!」
がくがくと震えながらドン引きした表情で叫ぶ。
「俺の尻は狙うなよ! 頼む! 俺はノンケだし!!」
もう涙目である。
陸奥が何かを悟ったような表情で航空母艦さんを抱き込み、よしよしと頭を撫でている。
『 お前らそんな趣味があったなんて…… 』
未知の世界にちょっと怖がっている遠龍。
『 お話を聞かせていただきたいです 』
ニコニコと笑う長門。
「もー……やだ…………」
「矢川さんに師走さんまで……」
脱力しているのは千早と西島。
『 結局こうなってしまうのね 』
と秋津洲が笑う。
『 もういいんじゃない? 矢川さん 』
「…………ぁっ、ああ、秋津洲、も、もういいだろう……」
未だに掠れた声だ。
「ねたばらしするんですね?」
千早がため息をつく。
「……しょ、しょうがない」
腹を摩りながら師走が言う。
「じ、じゃあ言うぞ、せぇのっ」
『『「「作者!」」』』
遠龍、こんごう(今までやってられんと遠巻きに見つめていた)、矢川、師走が叫ぶ。
「な、なんだお前ら、今度はなんだ……?」
すっかり疑心暗鬼になってしまっている。
立て続けに10人ほどから告白されれば当然のことだろう。
『『「 「ごめんなさい 」」』』
長門、陸奥、西島、千早が謝り、
「え、いや、あの……?」
『『 実は…… 』』
秋津洲、畝傍がすまなさそうに口を開き、
『『『『『『「「「「今日はエイプリルフールで……」」」」』』』』』』
赤城を除く全員で言った。
『 そっかぁ、だから航空母艦先生ぇ騙されちゃったんだにゃぁ? 』
呑気な赤城の一言で、
「………………は?」
航空母艦さんが固まった。
「え?」
『 いきなりなんの前触れもなく告るなんてありえねぇしよ~。な? 』
遠龍がにかっと笑う。
「は、え、だから、それ、は、えっと」
『 貴様を騙すための嘘だったという訳だ 』
こんごうが解説する。
「だ、だます? え、さくしゃだまされたの?」
すっかり幼児退行してしまった航空母艦先生。
それに冷や汗をかきながら、
「そ、そんな悪質なもんじゃねぇからいいだろうって師走じいさんが」
言いだしっぺの矢川が師走に濡れ衣を着せる始末である。
「矢川、責任転嫁は良くない」
「………………お前らはほもほもしてるし……、西島も遠龍もこんごうも畝傍も長門も陸奥も佐和も俺を騙すし……」
( 私は黙認してただけだから数に入ってないのね )と秋津洲は苦笑いを浮かべている。
「お、おまえらみんな、もう信じれるか!!」
「え、ちょ、航空母艦先生っ?!」
「あー、……やっちまったな」
「そのようですね」
矢川と西島が腕を組む。
『 この計画自体は嫌いじゃなかったんだけどな 』
『 作者に嫌われてはお仕舞いだ 』
遠龍とこんごうがぽつりと呟く。
『 ……そうね。エイプリルフールということで、ジョークっぽく感謝と好意を伝える予定だったんでしょう? 』
『 作者さん、もう私たち作品に出してくれないのかなぁ…… 』
穏やかに言う秋津洲と、泣きそうな畝傍。
「失敗だったな」
自らを責めるような口調の師走。
『 皆さん、素直じゃないんですね 』
くす、と笑う長門。
『 今からでも遅くはないと思います 』
陸奥は髪をかきあげて。
「どうしてそんなことが言えるんだ」
自虐的になってしまっている矢川に、満面の笑みで二人が答える。
『『 だって、そこは貴方がたの作者さんですから♪ 』』
「騙されて落ち込んでやんのー」
航空母艦さんが平然と出てくる。
心なしか口の端が上がっているようにも見る。
長門、陸奥、赤城を除く全員が、信じられないという目で航空母艦さんを見つめる。
「だ、騙されて落ち込んでるはずじゃ」
「俺はお前らの生みの親だぞ? 魂胆が分からないわけがあるか」
陽気に笑う航空母艦さん。
「筒抜け、だった、だと……」
師走が落ち込み、
「ぎ、逆に騙されたぁぁぁぁあああああぁぁあぁっ!!!」
矢川は一人頭を抱えたのだった。
…………遠龍、こんごう、畝傍、千早は話の流れについていけず( ゜Д゜)ポカーンだったそうです。
後書き
お詫び。
|||OYZ
コラボを快諾してくださった航空母艦先生、
本当にすみませんでした。
申し訳ありませんでした。
深夜のテンションでした。
深く深く反省しています。
これだ! と思って深夜に書きなぐり、ファイルに保存し、
翌日見てみたらものすごいことになっていました。
申し訳ありません。
苦情を受け付けております。ふるってご応募ください。
何が当たるわけでもありませんが。
懲りないおまけ☆
遠龍『 あ、その、作者 』
航空母艦「ヽ(;゜д゜)ノ ビクッ!! な、なんだ」
遠龍『 いつも、その、あ、ありがとな 』
航空母艦「あ、いや、どうも?」
(……騙されてないよな?)
こんごう『 私からも礼を言っておく 』
航空母艦「こんごう……」
秋津洲『 災難でしたね、作者さん 』
航空母艦「まったくだよ」
長門『 作者さんは愛されなんですね。うちの作者と違って 』
淡「んなっ!? 私は愛されてないって言うの!?」
陸奥『 姉さんなりのエイプリルフールね♪ 』
淡「騙されただと……」