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戦局を変える光

左右から突進してくる魔獣を、私は高く飛んで避ける。

身体能力がかなり上がっているのだろう。さっきまではぎりぎり避けるのがやっとだった攻撃も、今は余裕を持って避けられた。


勢い余って頭から衝突した二体の魔獣に向けて、私は再び光弾を放つ。

「はぁっ!!」

光弾が魔獣に命中し、土煙が立つ。今の攻撃が決め手となったのだろう。魔獣たちはそのまま動かなくなり、紫色の粒子となって消滅した。


私が倒した。

その実感はまだ湧かない。けれど、ひとまず子どもたちを守れた。その事実だけで十分だった。


しかし、状況が変わったわけではない。

まだ優地は助けられていないし、二人も戦い続けている。

魔法戦士になった以上、私が今やるべきことは、もう決まっていた。


(待っててね……優地……!)


そう心の中で誓うと、私は子どもたちを連れて避難所へ向かった。

この子たちを安全な場所まで送り届けたら、すぐに戻る。

優地を助けるために―――。



―――限界が近い。

何度目かわからない攻撃を避けつつ、徳姫は考えていた。


自分も天音も幾度となく攻撃を出し続けたが、魔獣は中々タフで現状倒れる気配はない。一方で私たちは、技を出し続けた影響で限界に近づきつつあった。

一旦天音は休ませているがこのままでは十分回復していない状態で出さないといけなくなるだろう。

休んでいる天音に向けて私は声をかけた。


「…援軍って!まだ来ないの!」

「それが…」

一瞬言葉に詰まる天音。

「…先程司令から連絡がありました。援護部隊は道中で群生型魔獣と遭遇し交戦中、だそうです…。到着まではかなり時間がかかると。」

血の気が引いた。援護は当分来ない。つまり、私たちはもうしばらくの間二人であれの相手をしないといけないのだ。限界の近い私たちでは時間稼ぎでやっとであろう。その時間稼ぎすらもう持つか怪しい。


……少し悩んだが私は決心した。

「…天音ちゃん、残りの魔力、どんくらいありそう?」

私は天音ちゃんの方に顔を向けた。

「…少し休ませていただいたので…半分ぐらいならあるかと……」

「そう…なら…残りの全魔力1撃に込めてあいつらぶっ倒すよ…!」

これしかなかった。一歩間違えば私たちも死ぬかも知れない。だが、これ以外に戦況を打開する方法はなかった。


二人が全魔力を引き出す。そして―――


「「はぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」」


残りの全魔力を込めた一撃を繰り出す。魔獣もそれに対抗してブレス攻撃を放つ。

技同士の衝突。最初、威力は拮抗していた。

だが、徐々にブレス攻撃は弱まり、二人の攻撃は魔獣へ近づいていく。

いける―――!そう思ったときだった。

こちらの技が魔獣に到達する直前で霧散してしまった。


その隙を魔獣は見逃さなかった。すかさず、最大火力のブレス攻撃を放つ。

咄嗟の判断で天音が魔力の壁を作るが、残された僅かな魔力では守りきれない。


まもなく壁は壊れ、私たちに攻撃が命中する。

激しく飛ばされ、壁に激突する。

幸い、なんとか生きてはいるが、これ以上は動けなさそうだった。

隣の天音に目を向ける。彼女も同様に、なんとか一命はとりとめていたが、口元から血が見えていた。


魔獣がゆっくりこちらへ迫ってくる。

敗北―――それ自体は私の実力不足が原因だ。それによって私が死ぬのは致し方ないことだろう。

しかし、あの子の大事な人を助けられなかった。その事実だけは耐え難いものだった。

私は最後の力を使って天音の盾になろうとした。天音さえ生きてれば彼を助けられると思ったから。


「徳…姫さ…ん…」

弱々しい声が聞こえてくる。

魔獣の口がゆっくり開き、ブレス攻撃を放つ。


私は最後まで()()()()()だった。


ブレス攻撃が私たちに命中する直前。


「はぁぁぁぁっ!!!」

突然、入口付近の壁に穴が空き、飛んできた攻撃がブレス攻撃を相殺した。

攻撃の方向に目を向けると、一人の魔法戦士がいた。

その姿を見て二人は目を見開いた。

つい先程会った少女が―――魔法戦士として帰ってきたのだから。

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