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春日家の隣にある麻波さんちに侵入した2人は先ず、涼夏の部屋へとやって来ていた。

目標の女の子はベッドで眠っており、きちんと掛けていた布団は蹴飛ばされたのかベッドからずり落ちていて、手足を大の字に開き、ズボンは脱ぎ捨ててあり白いパンツがモロに見えていてパジャマは胸の下まで捲りあがっている。


「麗奈。目に毒だ……整えてくれ」

麗奈が悠太のサンタコスの下半身の方へ視線を送ると股間の部分が少し盛り上がっているように見えた。

女の子みたいな容姿をしていても悠太も男なのだ。


麗奈は無表情で少しだけ口をとがらせると、悠太の顔に手を当て視線を90度そらさせてから、涼夏の服装をただしに行った。

『終わったよ( ㅍ_ㅍ )』

「お、おう。そんな顔するな、俺だって男なんだよ。いくら幼馴染とはいえ、こんな霰のない姿を見せられたら嫌でもこうなるだろ!」


早口で言い訳をする悠太に。麗奈は顔文字だけでなく自身の目も細めて悠太に視線を送った。


『別に何も言ってない』


付き合ってるわけでもないから誰に興奮しても問題ない。と麗奈は内心強がったが、できるならばその気持ちを自分に向けて欲しいと言うのが麗奈のちょっぴり変態チックな乙女心。

そんな麗奈とは裏腹に悠太はこの邪な気持ちを純粋な気持ちで傍に居てくれる麗奈に向けては行けないと思っている。


「麗奈……涼夏のプレゼントを置いて出るか」


『うん』

お互いの気持ちの行き違いにギクシャクした2人は気を取り直して涼夏のプレゼントを決めることにした。


「涼夏は何がいいと思う?」

『涼夏はこれだけぬいぐるみに囲まれた部屋だからぬいぐるみがいいと思うよ(*•̀ᴗ•́*)و ̑̑もしくは……レストランの優待券とか?』


私の胃は宇宙だ!を地で行く彼女は無尽蔵に飯を食らう。寝起きの枕元に優待券を置いておいたら泣いて喜ぶだろう。


「レストラン優待券はなんて渡したら店が泣く事になるぞ……よし。無難にぬいぐるみにしようぜ」


『悠太より大きいクマのぬいぐるみをプレゼントしたら朝起きた時驚くかも(o´艸`)』


誰が置いたか分からない馬鹿でかいクマのぬいぐるみが部屋のド真ん中に鎮座していたら驚くに決まっている。


「それにするか」


よし、じゃあ。と悠太が手の平を上に向けたので、麗奈は一歩下がって見守る。

悠太の手に光が宿り、発現させたクマのサイズは悠太の身長よりも大きく、立ったまま発現させた悠太はぬいぐるみの重みに耐えかね、バランスを崩して後ろに倒れた。

上にはぬいぐるみがのしかかり悠太はぬいぐるみに埋もれた。


「た、助けて麗奈」

何とか這い出て、ぬいぐるみの隙間から顔だけを出した悠太が麗奈に助けを求めた。

麗奈は無表情に薄く口を開き、息だけを吐き出して笑った。


『涼夏に発情した罰だよ(o´艸`)』

「やめろ!苦しい!ぐぇっ!」


麗奈が上からぬいぐるみをグイグイと悠太に押し付ける。男の生理現象だから仕方ないけど乙女心を無下にされたの仕返しだ。


一方悠太には自分に罰を与える無表情な麗奈の瞳が何処か楽しそうに輝いて見えていた。


『どう?苦しい?』


「ドSか!早く退けて!」

『あまり騒いじゃダメだよ、涼夏が起きちゃうよ(*´ω`*)』


「どけろーー!」


悠太の叫びが虚しく、木霊した。

そんなふたりの喧騒に気づくことなく涼夏はベッドで呑気に眠っている。麗奈がホッと息を吐いた。


『そろそろこれ置いて行こっか(o´艸`)』


彼女は悠太を押し潰していたクマのぬいぐるみを彼の上から退けると、涼夏のベッド横、起きたら目が合う位置までぬいぐるみを引き摺って行った。

きっと、涼夏が起きた時にはびっくり仰天、腰を抜かすほど驚いてくれることを期待しての犯行だ。


「はぁ、はぁ……酷い目にあった」

麗奈が満足するまでぬいぐるみで痛ぶられた悠太は彼女を見つめながら恨み言を言った。


『今ので15分、2時間で回るには悠太が遊んでたら時間が足りないよ(o´艸`)』

麗奈がふざける。彼女にしては珍しい、この異常な状況で、麗奈もまた気分が高揚しているのだろう。


「遊んでねえよ。ほら蓮さんの部屋に行くぞ」



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