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カンナグァ戦記  作者: 樹 琴葉
第二部 第二次プルミエ侵攻
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森への侵入完了

 エルドス率いる近衛兵団が森に入り終え、次はヴィータ国の弓矢隊が森に侵入する段階となった。


ドルディッヒ王が森に入り終えるまでは、見送りという意味もあったのだろう、全ての高官、政務官、指揮官達がいたが、近衛兵団が森に入るのを確認すると、個別で次の行動に移り出す。





 ビーゼス国第一王子であるキミュケールは弓騎兵を従え、ヴィータの政務官、外交官、指揮官などとともにヴィータの国防を担うべく、移動を開始した。


黒騎士は、騎馬の飼料となる草などを大量に積んだ輜重隊をキミュケールに帯同させる。


ヴィータ国は自国での提供を申し入れたが、


「自分たちの馬は、兵が自分らで世話をするのが我が国のやり方です。そうでないと、馬との信頼関係は構築できません。騎馬兵にとっては、馬は兄弟であり、恋人なのです。それに、飼料がほんの少しでも変わると馬は下痢をしたりします。非常にデリケートなのです。いずれ機会がありましたら、乗馬技術だけでなく、飼育についてもお教えしましょう」


とキミュケール第一王子が固辞したのだった。


実際に、これは事実である。


騎馬の生産、運用がビーゼス国以外でなかなか上手くいかないのは、飼料や草原といった要因だけではなく、こういった飼育技術が大きい。


ヴィータ国は今回の侵攻にあたって、戦後に騎馬を提供してもらうことになっていたため、非常に興味深く聞き入り、提案を受け入れたのだった。





 ウィッセン国はプルミエ国の国防を担う重装騎兵を二隊に分け、一方はプルミエ国の兵舎へ、一方は場外に野営という形を取って準備していく。


わざわざ野営をする必要があるのかと思ったのだが、これはウィッセン国側からの提案であり、要望でもあった。


全軍が兵舎に入るとなると、いくら同じ連合国内とはいえ、他国の兵が城内にあふれかえることになり住民の不安を煽ることになるという配慮が一つ。


もう一つは、実際に外敵が来た際への対応を訓練したいため、野外での防衛訓練用の拠点という意味合いもあったようだ。


二交代制で対応し、主力部隊が不在時の国防が形だけではないということを体現したことになる。


もとより断る理由もないため、プルミエ国は承認したのだった。


アインハイツ将軍は、どうせ訓練を見せつけ実力を誇示したいというデモンストレーションも含めた見栄だろうと考えていた。


他国領内での防衛訓練は、イコール侵略訓練でもあるのだが、オージュス連合国内のことであり、連合国はその兵科の特徴によっていつも派兵し合っており、許可証さえあれば往来も自由である。


そのため、いまさらそれを懸念材料とは誰もしなかった。





 無事にヴィータ国の弓矢隊も侵入し、アインハイツ将軍率いる軽装歩兵も侵入、最後にウィッセン国の重装歩兵部隊が侵入する頃には夜になっていた。


最後に黒騎士が指揮する輜重隊は、他の指揮官に交代し、重装歩兵の後に続くことで、森への侵攻は完了となる。


黒騎士は交代する指揮官に指示を出すと、自らは用意されていたプルミエ国王宮の来賓用客間へと移動するのであった。


森への侵攻が無事に終了したことや、現在の状況を書にしたため、シーハーフ女王フェウムへと送るように使者に手渡す。


かなりの大軍であるため、平野にたどり着くまでかなりの日数を要するであろう。


これからの一週間から十日間は黒騎士にとっては久しぶりにできた待機期間である。


今までは開戦まで日数がなかったため、諜報活動、調略、外交、派兵準備と日々の内政、軍事に加えた活動がめまぐるしく行なわれていたが、ここからなすべきことは少なく、ゆとりもあった。


本来はヴィータ国へ挨拶に行きたいのだが、往復するとゆうに一週間かかってしまうため、プルミエ国内での活動に限定したのだ。


それゆえに、プルミエ国内に専念できる状況となったのである。


ヴィータ国のことはキミュケール第一王子が上手くやってくれよう。


そう考え、黒騎士はできることを取り組むことにした。

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