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カンナグァ戦記  作者: 樹 琴葉
第二部 第二次プルミエ侵攻
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魔法

 唯一の打開策は、この世界における最大のチート、魔法である。


しかし、先のフィクションの話ではないが、その魔法も万能でないところが悲しい現実である。


それほど大それたものでもない。


風、火、地、水の四つに分類され、それ以外は未だ発見されていない。


時を止めたり、空間転移などといったものは存在しないのだ。





 体系として、「創」と「操」に分けられ、前者は創造、発生、後者は既存のものを操ることを意味する。


「操」の量としては、おおよそ持てる範囲くらいの量が限界であり、火の魔法でいうと直径三十センチくらいが最大限だろう。


そこまでできるのは、火の魔法使いの中でもかなり限定され、多くは十センチ程度。


速度についても同様。


コンマ数秒で火柱を作れるようなものではない。


持って移動できる程度の速さだ。


だから、遠距離の相手に火のダメージを与えたいのであれば、物理的な球体に手で火をつけて火球とし、肉体的なチカラで投げつけるといったものが使い方となる。


その方が速いし、打撃力も高い。


また、形成して数秒は形を保っているため、投げつける火が相手にぶつかるくらいまでは同一の形を保てるのも便利ではある。


通常の火であれば、空気や風で消失するが、魔法の火は形を保つ性質を有しているため消えにくい。


小説や漫画のように、手をかざして、勝手に火の球や火炎が飛んでいくというものではない。


操る量と質は使い手の鍛錬によって変わるが、火に関しては集中力、想像力によるイメージによるところが大きい。


ここまでで、火の魔法の「操」がいかに使い勝手が悪く、限定したシチュエーションでしか役に立たないことがわかるだろう。


かがり火から火を移して使うのと、大差はないからだ。





 「創」は無の状態から作り出すものだ。


文字通り、何もないところから火を作り出す。


やはり、扱える量は操れる量に近いか、それ以下とされる。


「創」も「操」も共通していえることは、自身の身体に限りなく近い状態、ほとんどは触れている状態でないと使えないということだ。


これは、離れたところで火を発生させることはできないし、離れた火を操ることはできないということを意味している。


努力によって、どちらも習得は可能だが、両方取得するのは困難といわれる。


各属性によって若干の違いはあるが、火でいうとこんなものだ。


ただし、水と土に関しては一度発生させると原則として存在し続けるが、火と風はしばらくは顕現しているが、時間経過で消失する。


よくあるファンタジーのような、大局をひっかり返せるような大魔法のようなものではない。


ましてや、色んなスキルが得られるようなものでもない。


使い方次第ではあるが、ちょっと便利な程度だ。


量や形などは本人のイメージが大事で、とにかく訓練が必要である。


自分が思い描いている質、量、形などを明確にし、自分の中でイメージを作る。


そして、それを名称と紐付けて技名として、使用することが多い。


技の名前を口に出す必要はないのだが、イメージを明確にすることは必須である。


そのイメージを明確にして集中、具現化あるいは操る速度は鍛錬、センス以外はない。


なお、火の魔法の最大の利点は、その威力にある。


冷炎と呼ばれる特殊なものを除けば、通常は火は数百度から数千度。


ろうそくの火ですら三百から数千度にもなるのだ。


これが直接対象物に使用された場合は、魔族であろうと、瞬殺は必至である。


先に、イノシシの魔獣と遭遇した際に最終的に倒した決定的な攻撃はこの火の魔法である。

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