表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カンナグァ戦記  作者: 樹 琴葉
第二部 第二次プルミエ侵攻
57/205

各国の情勢

 プルミエ国としては、「先の侵攻での敗戦に対して、何らかの非難が集中すること」「次回侵攻を中止すること」この二点が突きつけられることを予想しており、最も懸念していた。


オージュス連合としては、プルミエ国単独の侵攻だったとしても、あくまでもオージュス連合の看板というものはあるものと捉える。


したがって、プルミエ国の敗戦は、オージュス連合国の敗戦でもあるのだ。


当然、沽券に関わる出来事であり、看過できない。


しかも、これからさらに侵攻し、王が参戦したにもかかわらず再度敗北を喫するなどということは許されず、万一にも討ち取られるようなことがあれば、オージュス連合全体での対応を迫られることになる。


ドルディッヒ王自体がどうなろうとも構わないが、連合全体がカンナグァ連邦に舐められるわけにはいかないのだ。


過去の歴史において、カンナグァ連邦がオージュス連合国内に侵攻してきたケースはない。


しかし、過去にないだけで、これからもないとはいいきれない。


この敗戦を機に、カンナグァ連邦が侵攻してきたとなったら大きな問題である。


最前線のプルミエ国はオージュス連合国にとっては防衛線であり、その領域が支配された際はシーハーフ以外の国が喉元に刃を突きつけられる形となる。


ことはプルミエ国単体の話に留まらない重要事項である。


それゆえに、この問題は絶体に追求されることになるだろうと予想していた。


アインハイツ将軍としては、どのように各国の王に説得を試みれば良いのか未だに答えが見いだせなかった。


もともと、能力を隠し、目立たないようにしていたこともあり、名声は低く、プルミエ国外での発言力も弱い。


連合会議の際も必ず同席はしていたが、一言も喋ったことはないに等しい。


王が若いからと言って、後見的な立場を標榜しているわけでもないし、何よりもドルディッヒの性格が許さないだろう。


あまり出しゃばった発言をすると、ドルディッヒ王からの叱責が来ることとなり、自身の立場が危うくなる。


結局、無策で会議に臨むこととなった。


(私にはどうすることもできん。黒騎士宰相にお任せしよう)





 定刻になり、会議が開催される。


国王と、その随伴者数名で行なわれるが、国によって随伴者は異なる。





 プルミエ国は、国王ドルディッヒと内政官、アインハイツ将軍である。


以前はシブラーという部隊長も同席していたが、MIA、つまり作戦行動中行方不明とされ、死亡と認定されている。


内政に関しては、前国王が宰相をおかずに自ら総指揮を執っていたため、未だに最高責任者が決まっていない。


ゆえに、適当に代表者が選ばれた。


紋章はブーツであり、軽装歩兵が主である。


森、平原、湿地があり、国土面積は縦に長い。


前王の方針で富国に努めたお陰で、北部の穀倉地帯、河川沿いの作物、森からの採取で自給自足が可能となっている。


ただし、交易力が皆無で財政は楽ではない。





 ヴィータは弓兵を戦力の特徴とし、湿地帯を有するため、穀倉地帯が大部分を占める。


紋章は弓矢となっている。


湿地が兵の機動力を低下させ、弓兵が最大限に生かされる。


北方の岩山から魔獣や魔族、異民族の侵入もあり、外敵にはさらされるが、その分戦闘経験も豊富であり、バラン王国からの侵入があった際も弓兵を派兵している。


国土面積は最小であるが、穀倉地帯と弓兵という兵科、地の利もあって、隙のない強国となっている。


王はバイゲンと言い、もっとも高齢であるが、物腰は柔らかく、おとなしいため、会議では目立たない存在である。


平和主義者であるが、先に述べたように、決して弱い国ではない。


逆に強い国であるがゆえの落ち着きが存在する





 海を挟んでウィッセン王国は島国である。


紋章は鎧兜であり、重装兵を象徴している。


島国であることに不満、コンプレックスを抱いている。


鉱山を所有しており、重金属資源に富むため、重装騎兵、重装歩兵がメインである。


いつか大陸に領土を持ちたいという願望を持ちつつも、その希望を胸の内に秘め、数百年の歴史がある。


王はインゼル。


非常に野心家であり、強気な姿勢が目立つ。


会議においては、もっとも中心的な存在であり、発言力は大きい。


彼の発言に対して、真っ向から異を唱えることができるのはヴィータ国王だけである。


最終的には多数決で否定することが多く、彼の積極的な案は打ち消されることが多い。


議会における最大のキーパーソンである。





 シーハーフはプルミエ国の南西に位置し、自給自足可能な国である。


紋章は他国より複雑で、盾を背景に、荷車と木槌が防衛と輜重、工作を意味している。


川と湿地と湖と港と平原と、国土に恵まれている。


ただし、南東にバラン王国があり、侵攻の前面に位置しているため、地理的リスクはある。


大規模な侵攻はあまりないが、それでも数十年に一度はある上に、小競り合いは常時続いている。


外敵が存在することは確かだが、逆に、戦闘経験が多く、バラン王国の特色でもある魔法についての見識も深い。


代々女王が就任することでも知られる


フェウム女王は聡明であり、狡猾なことでも知られる。


選挙による選抜が特徴的であり、存命中も投票によって女王が変わることがあるが、稀である。





 ビーゼス国の国土の大部分を草原が占め、北に港町、南に平地、南東に河川がある。


紋章は馬蹄となっており、馬の産地である。大陸のほとんどの馬がここで生産されると言われる。


北はウィッセン、東はプルミエ、南はシーハーフと外敵にさらされていない平和な国だが、シーハーフがバラン王国の侵攻にさらされた際には積極的に派兵しており、むしろ主力防衛部隊として機能している。


プルミエに対しては物資の提供を主とし、兵の特性上派兵はあまり行なっていない。


紋章からもわかるように、騎馬が兵科としては主で、軽装騎兵、弓騎兵(原則、弓騎兵は軽装)が主体となっている


鉱山資源に乏しく、重装兵が少ない以外は恵まれており、豊かであるが、自給自足が可能とまではいかない。


これは、放牧含め、畜産は発展しているが、穀物が圧倒的に少ないからである。


ただし、穀物の生産量が少ないだけであり、ないわけではない。


現ビーゼス王のエデュケールは聡明でかなり柔軟性のある考え方をしている。


教育熱心で、二人の王子をカンナグァとバランに送り込むという例を見ないことを実施。


頭が良いため、今まで宰相をおかず、ほぼ全て独断で指示を出し続けていたため、下の責任者があまり育っていない。


決して独裁者ではないのだが、自分より有能なものを息子以外に見いだせていないというだけのことである。


連合国内ではウィッセン、シーハーフと並んで発言権を持っている。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ