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カンナグァ戦記  作者: 樹 琴葉
第二部 第二次プルミエ侵攻
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第二次侵攻に備え、迎撃準備!

 第一次侵攻後、フラハー国にて祝勝会、反省会、今後の行動に対する会議が行なわれた。


各地に散らばる兵の再編成によって、フラハー国内で実質動員できる戦力は三千にまで増やすことができた。


もちろん、女子供や老人、非戦闘員まで総動員した国民全員での参加ではなく、あくまでも専業戦士のみでの話である。


無論、カンナグァ連邦の他の国の協力を得ることで、派兵を依頼し、増員することはできる。


しかし、フラハーは守るにはやや心許ない砦と、決戦用の平野、わずかな森で構成されており、地の利を生かした迎撃が難しい。


他の国のような天然の要害とまではいかないのである。


オージュス連合国がカンナグァ連邦の東端に行き着くためには、西の玄関であるホルツホック国を抜けてこなければならない。


プルミエ国から森に入り、しばらくすると、数十メートルという異常な高さの木々に囲まれた森の領域がある。


そこがホルツホック国のメイン領域である。


樹上で生活し、上からの一方的な攻撃を仕掛けることが可能である。


他の国と大きく違うのは、自身が攻撃を受ける可能性がほぼないに等しいことと、落石や熱湯をあびせるなど、子供でも戦闘可能なため、国民全員が防衛に加わることができるという点だ。


地上には罠。四方は森の動物や魔獣、そして上からは一方的な攻撃を浴びせられ、馴れない森は平衡感覚を狂わせる。


夜は闇に支配され、徐々に精神的にも追いやられていく。


幸いにして、先の進行で平野部が発見されたため(正確に言うと、琴葉達の誘導によって、意図的に発見させたのだが)、目標地点がわかっているが、そうでなければ当てもなくひたすら進むということをしなければならない。


そうやって、何とかたどり着いた平野で、フラハー国の騎士団と対峙しなければいけないのである。


いくら天然の要害がなくても、十分に有利な立場で戦えるというものだ。


ただ、その有利よりも、各国は天然の要害を利用した防衛戦の方がさらに有利であると考える。


ゆえに、フラハーに兵を派遣するよりは、適当に放棄してもらい、自国領域での防衛に徹する。


フラハーもそれはわかっており、自国で防衛しきれないと判断すると、すみやかに撤退、全住民を分散して近隣諸国に退避させることになっている。





 そもそも、フラハーは自給自足ができていない。


木の実しか採れず、わずかな鉱物資源しかない。


常に財政難ではあるが、国防を担う役目をもっており、周辺地域の哨戒と駐屯でもって貢献しているため、諸国から支援を受けているという実情がある。


つまり、仮に敵地に奪われても、拠点にされるリスクが低い。


兵站の問題や、防衛拠点としての役割が不十分で、敵地で孤立するような形になってしまうからだ。


全住民ごと避難することが最も有効だということを知っている。


そのため、今回、琴葉隊が行なったこととして、平野での陣地構築よりも、「避難訓練」を最優先して行なった。


魔獣の住まう森を抜け、指定避難国へと疎開する訓練をグループごとに二回ずつ実施する。


一ヶ月を要し、避難中に死者も出たが、最も有意義なものであった。


その間も、使者を通じて情報収集と指示を出し続けた。


実際に琴葉隊も随伴し、各国に一度ずつは足を運ぶ。


実地の大切さを知っており、直接目で見て、感じる、体験することの重要性を理解しているからだ。





 避難訓練を開始して一ヶ月、八月の半ばになってようやく砦に戻ってくると、何度かの会議を重ね、平野での陣地構築に乗り出す。


未だ侵攻の兆しはないが、前回の侵攻から一ヶ月半。


そろそろ、二度目があってもおかしくない時期になる。


実際に侵攻があるかどうかわからないが、準備はしておいて損はない。

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