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カンナグァ戦記  作者: 樹 琴葉
第一部 第一次プルミエ侵攻
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周辺諸国の情勢

 実はこういったやり取りは今回に限ったことではない。


カンナグァ連邦は多数の国々、といっても多くは数百人程度の村のようなものだが集まった連邦国家で、国土の八十パーセント以上をこの森が占める。


国それぞれによって自治があり、文化も大きく異なる。


そして、各国は比較的閉鎖的であり、情報封鎖が行なわれている。


隣の国に行く道ですら知らされず、連邦全体のことはおろか、隣国のことすら知らない。


しかしながら、連邦国家というだけあり、国家間のつながりは存在する。


有史以来、多方面からの侵略があったにもかかわらず、若干の国土の増減はあったりしても、一度たりとも滅亡することなく、今もなお存在している。


その強さは、地の利の防衛力と徹底した秘密保持による情報の秘匿、そして連邦国家としての連結力と言われる。


連結力は土地に対する愛着であり、自分たちの聖域を守るという共通意識に他ならない。


侵略戦争を仕掛ける上で、相手の地の利はやむを得ない。


戦争を仕掛ける側がどうこうできることも少ない。


しかし、情報だけは別だ。


相手がどれほどの戦力をもっているのか、戦略はどういったものか、それすらもわからない相手と戦争はできない。


それゆえ、歴史的に見ても、そして現在の侵攻国が取っている戦略は、諜報活動と調略、小規模侵略による情報蓄積だった。


そのため国境付近では、小規模編隊による活動により、人攫いが横行しており、カンナグァ連邦の情報収集活動がさかんに行なわれていた。


実際には得られる情報はほとんど無いのであるが、それ以外にオージュス連合国ができることもないというのが現実である。


つまり、国境付近では日常的な出来事であり、いつものことなのである。


ただし、狩る側と狩られる側といった一方的な関係ではない。





カンナグァ連邦は西にオージュス連合国、南西には絶対王政を敷くバラン王国、南は断崖絶壁があり、その下には大河が流れる。


河川を挟んで自由都市国家群が存在する。


北は岩山が多く、次いで大連峰が向こう側にあるのが見えるが、異民族といわれる部族達が住まうとも言われる。


東は海となっているとのことだが、いまだカンナグァ連邦の者以外で大陸の東端を見たものはいない。

主に侵攻を繰り返すのはオージュス連合国だが、時代によってはバラン王国も大規模な侵攻をしてきたことがあるらしい。


北方の異民族は散発的に侵攻をするらしいが、山脈に阻まれていることと、少数民族が多いため小規模だったようだ。


ゆえに、カンナグァ連邦にとってオージュス連合国が最たる敵国ということである。


事実、歴史的に見ても最も侵攻回数が多いのはオージュス連合であり、現在もそれは変わらない。


オージュス連合国も多国が集まった連合体であり、決して一枚岩ではないが、少なくとも領土拡大路線は共通の見解のようである。


カンナグァ連邦との大きな違いは、文化交流が盛んで、多少の各国の特徴はあるものの、一つの経済圏を形成しているというところだろう。

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