コント「カレー屋」
客:
ここが最近出来たカレー屋か〜。お腹空いたし、入ってみよう。
店員:
へい、らっしゃいらっしゃいらっしゃい。
客:
らっしゃいの3連続。これが巷で言う、クセが強いって奴ですわ。
店員:
何名様ですか。
客:
1人です。
店員:
2名様ですね、どうぞ。
客:
いや、2名と違いますよ。1名です。
店員:
あれ? 後ろに居る方は違うんですか。
客:
え、後ろに誰かいる?
店員:
あ、すいません。ストーカーでした。
客:
ストーカー!? 俺のストーカーですか!
店員:
いえ、私のストーカーです。
客:
何で店員のストーカーがいるんだよ。
店員:
こちらの席にお座りください。
客:
ありがとうございます。それにしても、カレーの良い匂いがしますね〜。
店員:
あ、それ香水です。
客:
ん?
店員:
この匂いはカレーの匂いじゃなくて、カレーの匂いのする香水の匂いです。
客:
ややこしいな! ていうか香水の匂いかよ。
店員:
今、ほとんどのカレー屋はこの香水を店に振りまいていると思いますよ。
客:
聞きたくなかったわ、そんなこと。
店員:
注文は如何なさいますか。
客:
何があるんですか。
店員:
松竹梅の3つのランクから選べます。
客:
それはそれぞれ何が違うんですか。
店員:
カレーの種類が違います。
客:
松って何ですか。
店員:
カツカレーです。
客:
おお、美味しそうですね。竹は何ですか。
店員:
チャーハンです。
客:
チャーハン!? 中華料理店か、ここ。
店員:
冷凍食品です。
客:
いや、ちゃんと作れ。
店員:
すいません。
客:
じゃあ、梅は何ですか。
店員:
スパゲッティです。
客:
スパゲッティ!?
店員:
たらこスパゲッティです。
客:
カレーと全然関係ない! いや、たらことか、そういう問題じゃなくて、ここカレー屋ですよね。
店員:
トッピングにカレーをかけられます。
客:
誰がかけるか。あと、どうせこれも冷凍食品なんでしょ。
店員:
イタリアから取り寄せたスパゲッティを使っております。
客:
本格的じゃん。
店員:
イタリアのインスタント麺です。
客:
イタリアのインスタント麺!? 何でわざわざイタリアから取り寄せてんの!?
店員:
はい、そうです。
客:
何がだよ! 強引に誤魔化そうとするの辞めてくださいね。
ん〜じゃあ、カツカレーをお願いします。
店員:
おい! 金出せって言ってんだろが!(大声)
客:
うわ、びっくりした! 何ですか、いきなり。
店員:
え? 喝上げ1つですよね。
客:
喝上げじゃないですよ! 頼んだのはカツカレーです!
店員:
間違えました、すいません。
客:
どう間違えたら、カツカレーが喝上げに聞こえるんですか。カツアゲーって聞こえたんですか。
店員:
少々お待ちください。
客:
はい。
店員:
出来ました。
客:
早いな。
店員:
野菜炒めです。
客:
頼んでない!
店員:
このキャベツ、賞味期限2日切れてますけど食べれます。
客:
食べるか、そんなもん! 私はカツカレーを頼んだんですけど。
店員:
すいません、間違えました。
客:
いい加減にしてくださいね。
店員:
出来ました。
客:
今回も早いな。
店員:
たらこスパゲッティです。
客:
おい!
店員:
本場のスパゲッティを使っております。
客:
知ってますよ。イタリアから取り寄せたインスタント麺でしょ。
店員:
いえ、これはウルグアイ産です。
客:
ウルグアイ!? いや、どこ!?
店員:
ブラジルとアルゼンチンに挟まれた国です。
客:
それは知ってるよ! そうじゃなくて、何でウルグアイ産のを使ってるかってことだよ。
店員:
アルゼンチン産もあります。
客:
いらないよ! もう、いいわ。帰る。
店員:
お金だけでも払ってください。
客:
払うか! 何で払わないといけないんですか。
店員:
少しでもいいです。皆さんに募金をお願いしています。
客:
そうなんですか。どこに募金を送ってるんですか。
店員:
この店です。
客:
誰が払うか!
(おわり)
【GETUP!GETLIVE!漫才・コント大賞】参加作です。