自習室
俯いて教科書に視線を落とす僕の彼女。
そんな姿を見つつペン回しをする僕。
「ねぇ、いつまでそんなことやってるの」
可愛らしいジト目に怒られてしまった。
ここで「自習室ではお静かに」なんて言ったら余計な怒りを買いかねない。だからここは素直に手を止めて、形だけでも参考書を見る。でも意識は常に彼女に向ける。だって僕の中の最優先事項はいつだって彼女だから。
前々から同じ大学に行きたいって漠然と思っていたけれど、今この瞬間はそういうことを考えたくない。彼女のことだけを考えていたい。
もう少しで、日が暮れる。
そんな九月の自習室。