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ダームガルス戦記  作者: あじさい
第5章 ガース その2
56/146

5-1

 9月12日、私が宿営地のテントの前で、新しく同じ班になった面々と朝食をとっていると、スタンリーがいつも以上にぼさぼさの頭を()きながら挨拶をして、半分寝ているような顔で私の隣に腰を下ろした。

「ジャコブ、今日1日、俺にくれよ」

 私はスタンリーの仕事を手伝ったり語学を教わったりする都合で、エドガー、パーシヴァルと共に教練を抜けることが時々あった。

 今回もきっとそういう類のことだろうと思い、私は気軽に頷いた。


 スタンリーは自前の青野菜ジュースを一気飲みして苦い顔をした。

 彼は別に好きな訳でもなさそうなのに、健康のため毎朝一番にこのジュースを飲んでいた。

 寿命をちょっと延ばすために不味い物を飲むなんて、私ならお断りだ。

 どうせ明日には死ぬかもしれないんだし。


 朝食を済ませたスタンリーは、ニコラスを訪ねると言い出した。

「ニコラス? あいつに何の用があるんだ?」

「今日、俺たちはバルディッシュの所に行くんだが、あいつにも同行してもらう」

三日月斧(バルディッシュ)? そんなもんが不足してんのか?」

「いや、バルディッシュという名前の男なんだ。ここから3時間ほど歩いたストラスガードという町の端にいる」

 名前を聞いても私には何も思い当たらなかった。

「徒歩で3時間って言ったら、割と近場だな」

 私は半分冗談のつもりだったが、スタンリーは真面目な顔で頷いた。

「バルディッシュがここまで近くに居てくれて幸いだった。たぶん俺たちやこの戦争のことが気になって、彼なりに監視していたんだろう。良くも悪くも好奇心の強い人らしいからな」

「そいつ、強いんか?」

「いや、殺す訳じゃないよ。……今日のところはね」

 実際にやったことはなかったが、特別な外出と聞いて誰かの暗殺を連想したからと言って、誰も当時の私のことを責められないだろう。

 スタンリーもそのことでことさらに私をからかわなかった。

 殺しじゃないとなると、ニコラスと私はスタンリーの護衛ということになるだろうか。

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