第八章・二人に聞くと…
スイリュウ先生に手紙のことを聞くと、「フレアとリンに聞いてみるといい。私は加入してもいいと思うが」と言われたので、養成所の中にいるフレア先生とリン先生に聞いてみる。
中に入るとトオル先生が授業をしていた。
子どもたちに人気が無い心理学の授業だ。
僕たちはそれを聞きながらも(教室の)後ろにある職員室へと入る。
職員室に入ると――
「おう。ドルにフウ。今日も元気か?」
「フレア先生そうじゃなくて、二人とも何か用事?」
職員室ではフレア先生とリン先生がお茶を飲んでいる。
休憩してたようだ。
「朝から休憩してるなんて――そんなに大変なんですか?」
「まぁね。契約者には専門の人がいないし、私とフレア先生を入れても七人しかいないから。悠さんたちがいてくれたらよかったんだけど――」
「しかたねぇよ。あいつらにはあいつらの生活があるし、それにこっちの世界にはもう来られないんだろ?」
「まぁ、そうなんだけどさ…」
この養成所には一クラス――四十人しかいないが、それでも七人でやるのは大変だろう。
「ドルとフウが気にすることじゃないよ。それで用事は?」
「あの、この手紙のことなんですけど――」
「ギルド「トライアングル」って書いてあるけど、これってボスさんの手紙だよね?」
「そうだな。あそこに一人でいるのもつらいだろうし、休みになったら会いに行くかな」
リン先生とフレア先生はそう言った後、手紙を読み始める。
「いいんじゃないかな。私もボスさん一人で継続させるのは無理だと思ってたし」
「俺も賛成だ。結局二人はどうしたいんだ?」
フレア先生に聞かれ僕たちは、
「僕は入ろうと思います。ボスさんの力になりたいし、何より自分の実力を上げるにはもってこいですから」
「私も入ります。ドルと同じ意見の他にここより給料もいいでしょうから」
「給料って…」
僕たちはそれぞれの意見でギルドに入ることの表明をした。
フウはああいってるが、給料の部分は本心じゃないだろう。
「フウも素直になったほうがいいと私は思うな」
「私はいつも素直です!」
「そうか。それでどうするんだ、今から行くか?」
「そう言えばどうやって行くの?」
フウにそう聞かれが、僕も考えていなかった。
ガルアの町からギルド「トライアングル」までは三日かかると聞いたことがある。
「それなら――はい、これ、二人とも」
リン先生から――僕とフウに――二枚のカードが渡される。
「このカードに目的地が指定してあるから、そのカードを持ってかかとを三回鳴らして、目的地を言えば着くはずだよ」
「じゃあ、今から行って来ます」
「気をつけてね」
「いつでも(ガルアの町に)帰って来いよ」
そう二人に言われながら、僕たちは目的地を叫ぶ。
「「ギルド「トライアングル」へ!」」
カンカンカン
とかかとを三回鳴らすと、カードが光りだす。