第六章・ギルドからの手紙
僕たちが家に戻ると、ポストに一つの手紙が入っていた。
いつもはタイムセールのチラシなどが入っているのに今日はそれ以外に入っていない。
裏を見ると、
「ギルド「トライアングル」からの手紙だ」
「「トライアングル」って、あの悠さんたちが所属していた?」
「うん」
『最終戦争』の一ヵ月後、涙さんと飛鳥さんがギルドを辞めて、「トライアングル」はボスさん一人になった。
その後の十年、どうなったかはあまり聞いてないが――
「ドル、とにかく手紙を読んでみたら」
「そうだね」
僕はシールを綺麗にはがし、中の手紙を読む。
『二人とも元気にしてたかな。さっそく本題なんだけど、今僕のギルドには主戦力になる人が一人もいない。
悠くんはこっちの世界の記憶を失くしたし、飛鳥くんと涙くんはカードを捨てたからこっちには来られない。
テリーくんは二人と一緒にワープしちゃうし、マリエスくんは旅から帰ってこない。
そこでなんだけど、僕のギルドに二人とも加入してもらいたい。決めるのは二人の自由なので、よく考えて決めてほしい。
もし二人が入る気になったら、ギルド「トライアングル」で待っているので、そこで会おう』
僕たちは手紙を読み終えて、
「これって、ギルドがピンチってことかな」
「どうだろう?そんなに緊急な感じじゃなかったけど…」
出来ることなら、僕はギルドに入りたい。
けれど、これは僕の一存で決められることじゃない。
「明日、フレア兄さんたちに相談してみよう」
「そうね。兄さんたちは私たちの保護者だし」
僕とフウはそう決めて、まずは(フウが)夕食を作り始める。
僕は、
「先にお風呂に入るよ」
「私が入り終わったら、きちんとお風呂掃除してよね」
「分かってるよ」
フウはリン姉さんに似て、しっかりしている。