第十八章・Eランク十位
僕はアレク兄貴に勝って、Eランクにはなれたけど――
「これでEランク十位(仮)だな!」
「えっ!?」
「そりゃそうでしょ。Eランク十位に勝たなきゃ、Eランク十位にもなれないんだから」
先にEランク二位になっているフウがそう言う。
アレク兄貴に勝った僕は、今は全員でギルドにいる。
「ボスさん、Eランク十位って誰ですか!?」
「はい、これがEランクの順位表だよ」
ギルドにはこの順位表が役場から送られてくる。
一年ごとに順位が変動していくからだ。
僕は少し気になったので、ボスさんに聞いてみる。
「これは今年の順位表ですけど、十年前のも残ってるんですか?」
「普通にあるよ。F~SSまで。今のギルドにはどこにも残ってないだろうからね」
十年前の順位表には悠さん・涙さん・飛鳥さん・テリーさんの順位ものっている。手放すわけにはいかないのだろう。
「それにコピーもとってある。泥棒に盗まれても大丈夫だし、永久になくなることはないよ」
”そこまでするのか”と僕は思う。
*
とりあえず順位表を確認すると、十位はアキタという人らしい。
「このアキタさんはどこにいる人なんですか?」
「それなら私の友達だから、案内してあげる」
フウの友達って…。いつからEランカーの人たちと友達になったんだよ…。
とりあえず、フウの案内で明日アキタさんに会うことになった。