第十六章・Eランクになるには…
やっぱりEランクになるにはアレク兄貴と戦うしかない。
僕はそう思い、兄貴にそのことを話してみる。
「そろそろ来る頃だろうと思っていたぜ!兄貴を超えてみろ!」
と言ってくれる。
「僕は兄貴を超えます!」
「よし、その意気だ!」
「ドルくんの将来が心配だよ、僕は」
「同感です、ボスさん」
「それよりも結局どこで戦うんですか?」
アレク兄貴はマリエスさんを見て驚く。
「大人の魅力が分かるようですね」
「いや、ぜんぜん」
「ちょっと!」
「それより化粧濃くねぇか?」
キーン
その場の空気が凍りつく。
*
僕たちはリブの東にある東の森に来ていた。
僕とフウとマリエスさんはアリーさんのお墓に黙祷を捧げる。
「アリー、元気にしてる?前にも言ったけど、私ギルドに戻ってきたんだ。これからはギルドで挑戦者を迎え撃とうと思う」
少し物騒なことを言いながら、マリエスさんはアリーさんに近況報告をする。
「こんな所にお墓があるなんてな。俺は知らなかったよ」
「僕もフウもリン姉さんに教えてもらったんです」
「そうか。俺も黙祷を捧げてから行こうと思う。先に行っててくれないか」
「東にある泉ですね、分かりました」
僕とフウは泉へと向かう。一度マリエスさんのほうを振り返ると、マリエスさんは泣いていた。