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聖騎士の呟き

突然だが、人生の勝ち組と耳にするが実際に勝ち組と呼ばれる状況を定義して欲しい。


•親が金持ち、権力者等

•容姿端麗

•自身の能力の高さ

•自身の地位

•彼女がいる



この辺りが述べられるのではないか?


……ふむ。ならば今の俺の人生は勝ち組となる。

しかし、俺は一度も自身の状況を勝ち組と思った事も無ければ現状を逃げ出したいとさえ思っている。



俺には前世の記憶があり、精神的にも早い段階で大人と変わらない思考になれた。

生まれは貴族でも上位の爵位であり、悪魔退治の名門ホーリー家の跡継ぎとして生まれ、血筋が良いおかげで能力的にも恵まれ、前世の知識も利用して神童と呼ばれ幼少期を過ごした。


絵に描いたかのようにエリートコース真っしぐらで親からは喜ばれ、約束された未来のある俺に近づきたい、もしくは覚えを良くしようとする男達と女性達を相手にする事に疲れながらもこの国で最も人気がある【聖騎士】の職についた。

この世界で何もかも手に入れたかの様な人生だ。

いや、実際にそうなのであろう。

憧れ嫉み恨みと目まぐるしい環境だ。

ホーリー家に生まれたからには【聖騎士】になるのは必然だ。全くの無能でない限りはコネでも入れる。それくらいの権力がある。しかし、権力があっても能力が無ければ【聖剣】の担い手に選ばれない。

実力主義で様々な条件により【聖剣】から選ばれる。ホーリー家で【聖剣】の担い手になれたのは初代と俺だけであり、家族は大変喜んだ。

俺も目的の為に【聖騎士】を目指したのでwin-winの関係だ。

【聖騎士】になり、【聖剣】の担い手になって6年が過ぎた。

年も18歳になり、婚約と言う脅迫を幾度と交わした俺だが、この世界での結婚しないとまずい年齢になって来た。

前世の記憶なら後10年は戦えたが15歳で成人を迎える今世では晩婚扱いなのだ。

……もうね、女性達のアピールが凄いんだよね。

綺麗な子ばかりだがときめきがない。寧ろ怖い。

別に女性嫌いではないし、寧ろ女性は好きなくらいだ。前世と違ってカラフルな色の髪で美人さんばかりだ。



自身の親の姿を初めに見て思ったのが「金髪おういぇい」だった。

金髪にテンション上がったが自身の親にテンション上がった事実を後から落ち込んだ時期もあった。

言い訳をするなら、あの頃は何もかもが新鮮だったんだ。母親にべったりとくっついて回った。若かったんだ。

3歳頃に悪魔の存在が実大する事実を知ってからは悪魔一筋になり金髪を卒業した。



逸れてしまったので勝ち組の話に戻そう。



つまり、私が言いたいのは悪魔っ子と出会いが無いのだから。



これに尽きる。



悪魔っ子は良いぞ。

ツノがあり、羽根や尻尾なんか付いていたら舞い上がってしまう。


そして、この世界にはいるらしい。


しかし、この国は悪魔撲滅を掲げているし、ホーリー家はその筆頭なのだ。

神は私に味方しなかった。



真っ先に敵対してしまっている。



この事実に気がついたのが3歳だ。

悪魔より弱ければ対話も出来ないし、聖騎士よりも弱ければ悪魔っ子を救えない。その事実から強くなる事を決意し国内最強の座を手に入れた。

悪魔の情報を手に入れたらすぐに向かい確認する。悪魔っ子じゃ無ければ八つ当たり。すぐに退治した。



悪魔っ子は他の国にはいるらしいが聖騎士になった所為で他国の入国が入れないと思っていた。しかし、原因はホーリー家の悪魔との固執と私が悪魔っ子に逢いたい一心で行った悪魔乱狩りの所為だと気がついたのは最近だ。

部下が王国に旅行に行った話を聞いて気がついた。俺以外、他所の国に行き来している事を。なので、講義の手紙を書いて他国に送ったが良い返事を貰えなかった。


それと悪魔を即退治しているせいか悪魔達に怯えられているそうだ。

悪魔に怯えられるのは構わないが悪魔っ子には怯えられる覚えはない。寧ろ、出会えたら丁寧に接して仕留める。

今まで悪魔っ子に会えたのは勇者のお手つきの子ぐらいだ。

あの時は、本当に悔しかった。

敗北を味わった。

羨ましすぎて勇者と敵対してしまったくらいだ。

勇者よりカッコいい所を見せたのに私が悪者だったのは苦い思い出だ。


その時に学んだのは人の女性に手を出してはいけない。自分が傷つくから。



しかし、私も大人になった。ノータッチ悪魔っ子の心得を会得した。



だから、あれ以降、悪魔っ子が私の前に現れないのは傷つくので合わせて欲しい。


仲良くしようぜ勇者。



今日も無駄足になると分かりながら悪魔に会いに行き殲滅して来た。

日々のルーチンワークになっている。



街に戻り、たまたま見回りをしている聖騎士達を見かけて、気まぐれに声をかけたのが始まりだ。


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