手紙
異世界ゴッコは楽しかったようで何より。実は君たちと別れてからずっと、よくああいった夢を見ていたんだ。まさか正夢になるとは思わなかったよ。遠く離れてしまったけれど、ボクは君たちの事を忘れないよ。素敵な思い出をありがとう。みんなとの記憶がボクの宝物だよ。だからずっと3人仲良しでいてね。そしていつかまた会おう。異世界で遊んだボクの異世界フレンズ。
――太一――
「俺たちが飛ばされた異世界は、全部あいつの夢の中ってことか」
「結局石は誰が入れたのよ」
「太一君の意思が固まって出来たとか……」
「信平、寒い」
「ごめん」
もうじき夜が明ける。
3人は急いで掘り起こした穴を埋めたあと、目の前の大きな御神木を何気なく眺めた。枝は天を仰ぐように太く高く伸び、生い茂った葉はカサカサと音を立てて揺れている。まるで3人を見送るように。そして彼らは誓った「この先どんなことがあっても、一生友達でいよう」と。昇り始めた太陽の光が御神木を照らす。3人はタイムカプセルを持って、仲良く手をつなぎながら神社をあとにした。思い出話に花を咲かせながら――
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