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タイムカプセル
満月が微笑むある夜のこと。
幼稚園からの幼馴染である、勇気と信平と流亜は、20歳になり、中学校の卒業式のとき、近くの神社の御神木の近くにこっそり埋めたタイムカプセルの所まで来ていた。掘り起こしに集まったのだ。
そして、スコップで辺りを掘ってみると、四角いアルミの箱が出てきた。
「俺、なに入れたっけ」
勇気がそう言いながら勢いよく箱を開ける。すると中からは四枚の手紙と昆虫のおもちゃ、ビーズで出来た小さな腕輪。貝殻にゲームソフト。――そして一つの艶やかな丸い石があった。夜でも輝いて見えるそれを不思議そうに全員が見つめる。
「何か書いてあるわね。えっと……チーターより」
流亜が読み上げる。滑らかな石には蛍光ペンのようなものでそう書いてあった。それに信平は不思議そうに腕を組む「僕、チーターなんてあだなの人知らないけど」
3人が次に目をやったのは4枚ある手紙だ。確か埋めたのはこの3人だけのはず。彼らが手紙に手を伸ばそうとすると、月明かりが御神木を照らし、それと同時に3人はその場から姿を消した――