拒否と感謝の境界線
【朗報】今回は2話連続更新!!!!
【悲報】このペースだと期限に間に合わない。
【悲報】ネーミングセンス皆無。
その時男の後ろから金髪の女が現れた。マリネだった。
「うわっ。ちょーうける」
笑いが堪え切れなくなったマリネは腹を抱えた。
「ガチで復讐してやんの」
母親を指差して嘲笑っている。
「まりちゃん!」
「あの黒いやつにやられちゃえばいいと思ってたけど防戦に徹してたからなぁ」
見ていたのか。
「なんでまりちゃんそんなこと……!」
「ウザいんだよ。まりちゃんまりちゃんってストーカーみたいに追いかけてきて!全部金で解決しようとして!」
「全部まりちゃんのために……」
「は?そんなこと頼んでねーし」
「どうせ此処の家だって金払って教えてもらったんでしょ」
「だってまりちゃんを虐める奴がいるって……」
「誰もそんなこと言ってねーし。私はただこの傷を負わせたのは誰かって聞かれて仁科……」
耳元で彼奴がごめん、と謝った。
「……の守護霊か何かだって言おうとしたのに母さんが遮ったんじゃん」
『「え?」』
私の声と彼奴の声が共鳴した。マリネはギロっと私を睨んだがそれについては何も言わなかった。
「守護霊か背後霊が言い方考えてたら母さんが勝手に解釈したんじゃん」
「そう……なの?」
「この私が虐められるように見えんの?どんだけなめてんの?」
いや、そこに逆ギレしてやるなよ。
「そういうわけじゃないけどただ心配で……」
「ウザい。煩い。胡散臭い。そういうの嫌われるよ?」
「そんな……」
「松戸。引き上げるよ」
マリネが大男たちの集団を引き連れて帰るらしい。
「待ってまりちゃん!」
「お前はそこで仁科といれば?」
「押し付けられてもこっちが困るんだけど」
また睨まれた。でもすぐにいつもの表情に戻った。
「まぁゴミは回収してくか」
親をゴミって言うな。と笑いたくなった。
辺りに空薬莢が散乱していたが、家に損害はなかった。
二人でそれを拾い集めてゴミ箱に放り込んだ。
「親娘喧嘩は他所でやって欲しいよね」
『そうだね。でも他人がいることで抑止力になるんじゃないかな。やりすぎたら止めてくれるし』
それもそうか。
にしても、かなり火薬の匂いが残ってるな……。消臭剤でも置いておこう。ついでだし軽く掃除機もかけておこう。消臭剤はトイレに置いていたものを置けばいい。掃除機はどこにしまってあったか。和室の押入れを適当に開けたら入っていた。
掃除がとりあえず終わったところで、私は大事なことを忘れていることに気がついた。
「あのさ……」
彼奴はどこにいるんだろう。さっきから姿が見えないが。
『どうしたの?』
庭のほうから声がした。草むしりをしていたらしい。
「その………」
どうして素直に言葉にできないんだろう。そんな自分が、昔から嫌いだった。
でも、ちゃんと伝えたいと、強く思った。
「守ってくれてありがとう、蒼」
【朗報】幽霊君の名前が判明!!!
【悲報】親の心子知らず。