捏造された虚像を見ている
殴り込みに行ってくるぜ!笑笑
そんなことよりも今日はシンタローの誕生日!
私テンションMAXです!ふぁあああお!
「それは……個人情報なので……」
「何?教えられないの?じゃあ寄付金返して頂戴」
「それは………」
その時ドアが開いた。
「滝川さんがお見えになったとお聞きしたものですから……」
理事長だ。この人なら話が早い。
「校長先生、席を外していただけますか」
「はい………」
そそくさと出ていく大石先生。
「ご立腹でいらしたようですがどうかされましたか」
「まりちゃんを虐めている生徒がいますの。その生徒の親に会ってみたいのです。どのような教育をしているのか、と」
「なるほど」
「その生徒の住所を教えて欲しいとお頼みしたのですが個人情報云々とおっしゃられたのですよ。大石先生が」
「一校長先生としてはそうおっしゃるでしょうな」
「今回はいくらでも寄付させていただきますわ」
「毎月のご寄付、感謝いたします。しかし今回は1つ、約束していただきたいことがございます」
「何でしょう?」
「もし有事の際、私と取引をしたことはご内密にしていただきたいのです」
「わかりましたわ。それは約束させていただきますわ。その生徒、仁科……紅音と言っていたわ」
「この生徒ですね」
と住所を教えてもらう。
「ありがとうございます。今回は5億でいかがでしょう?」
「そんなに寄付していただけるんですか?!」
「はい」
「感謝いたします」
「奥様、お次はどちらに向かわれますか?」
「この住所よ」
住所を書いた紙を見せる。
「かしこまりました」
運転手が車を走らせる。
「これからね、まりちゃんを虐める悪に復讐しに行くのよ」
「其の者がこの場所に住んでいるのですね」
「そうなのよ」
暫くすると街並みがガラリと変わった。
あれほど騒がしく都会を感じさせた景色から、大きな和風の屋敷が立ち並び物静かな景色へと。
「あと何分くらいで着きそうかしら」
「あと三十分ほどです」
学校を出発して実に一時間が経過している。高速を通ってきたことも考慮するとあの学校に通うのに約二時間半から三時間といったところか。
進んでいくと洋館が立ち並ぶ景色へと変わる。
しばらくして車が止まる。
「ここ?」
右横の洋館を指して言う。
「いえ、この辺りなのですが……」
ナビで検索をかけている。あまりに焦っているようなので、声をかける。
「ゆっくりで大丈夫よ」
「あ、見つかりました!この二件先です!」
右横の洋館には廣瀬という表札が出ている。
「廣瀬……?」
どこかで聞いたことのある名前だ。どこで……?新聞で見た気がする。それも最近。
まあ廣瀬なんてざらにある名前だしおかしくないか。
「廣瀬って名前に心当たりないかしら」
運転手に聞いてみる。
「新聞で見かけた気がします。でも詳しくは……わからないですね……申し訳ありません」
「いいのよ」
するとまた車が止まる。右横の赤煉瓦の家が仁科の家のようだ。表札にも仁科、と書いてある。
「行ってくるわ」
家から持ってきた例のモノを担ぎ、歩き出した。
「荷物なら私がお持ちしましょうか」
運転手が声をかける。
「いいわ。これはまりちゃんの復讐だもの。私がやらなくては意味がないわ」
逃げろ紅音!と叫んでみる。
しかしみなさん覚えているでしょうか。
そう!紅音には超優秀なボディガードがいるのです!あいつなら守ってくれそうですね
さて、最後に出てきた廣瀬……って人。割と重要。いつかちゃんとフルネームで出てくる。