自分至上主義【真利奈】
やっと5話目!
そういえばお気に入りの曲を1つのプレイリストにまとめているのですが、5番目は神曲ロスタイムメモリーでした。どうでもいいwwwww
透き通るような白い肌。風になびく金髪の髪。男は美女が大好きだからそれを保っていればいいのだ。
「滝川!聞いてんのか!」
この男、吉澤は変わっている。
美女になんか眼もくれず、逆に私の美しさを否定するのだ。頭がおかしいのだ。
「スカートは膝下だと何度言わせる気か!」
その方がセクシーでいいじゃない。
あ、此奴照れ隠しか。本当は見たいけどそれを隠すために注意してるのか。
「すみませんでしたー」
適当に謝って通り過ぎる。その時に肩を掴まれた。
「うわっ。変態」
セクハラじゃん。私がセクシーだからって触っちゃダメだよ、触っちゃ。
私以上に大きな反応をしたのは近くにいた女子だった。
「キモー!」
「吉澤が滝川さんに触ったー!」
「セクハラ!」
「他の先生呼んで来よ!」
悲鳴なのか歓声なのか。女子が写真をカシャカシャと撮る。自身のSNSにでも載せるつもりなのだろう。
吉澤は慌てて手を離したが時すでに遅し。
私は黙って立ち去った。
教室に行くともう既にみんながいた。
しばらく駄弁っていると泥棒猫が顔を出した。
今までサボってどこ行ってたんだ、このクズ女は。まぁ家だろうけど。
「あ。来たよ。泥棒猫」
私の大好きだった蒼君を奪った泥棒。泥棒猫というあだ名はこれに由来する。
「泥棒猫ってあの根暗みたいな女が?」
高也が言う。そうよ、と無言で私は睨んだ。
「挨拶もできねーのかよゴミクズが」
亮太郎。此奴が来ただけでかなり不機嫌だな。
「私の席なんですけど」
泥棒猫が言う。何?口答えすんの?上等じゃない。
「もういっぺん言ってみろや!」
及川が蹴り飛ばそうとした。
その時、泥棒猫の後ろで何か黒いものが蠢き、及川は窓を突き破ってベランダの手すりに激突した……というか叩きつけられた。
泥棒猫が強気だったのは守護霊か何かがいたからなのか。
泥棒猫が真っ青な顔をして後ろを振り返る。守護霊には手を出すなと言っていたのか。
「は?」
亮太郎が首を傾げる。
みんなも何が起きたかわからないようだ。
「どいてくれませんか」
調子に乗ってやがる。
「あ?調子こいてんじゃねーぞ泥棒猫」
イラついた感情に任せて私は言う。
またあの黒いものが蠢き、こちらに飛んで来た…気がした。その直後、私の頰に一筋の切り傷ができた。
「やだ。鎌鼬?」
私が言い終えた頃には頰に無数の傷があった。
痛い痛い。あまりの痛さに涙が出て私はのたうち回った。
「おいマジかよ……」
高也と亮太郎の声が揃った。
亮太郎が大丈夫か、と宥めてくれるが、痛くてたまらない。
とりあえず保健室で手当てをしてもらう。
ガーゼが痛い。
警察は事情聴取の直後、大した捜査もされず、超常現象として片付けられた。
蒼君の時もそうだ。プールで死んでたのに事故だなんて。幼稚園児じゃあるまいし、そんなわけないじゃない。私が思うに、泥棒猫に殺されたんだ、蒼君は。第一発見者が一番怪しいってよく言うじゃない?
まぁそれはさておき、この警察のいい加減さはどうにかならないの?もっと真面目に仕事してよ。
とりあえず今日は全員強制的に帰宅ということで校門を出る。
「まりちゃん!」
車が止まっており、自動でドアが開いた。母さんが出迎える。
「学校から電話があってね、怪我したっていうから心配してたのよ」
ほんと心配性なんだから。
「大した怪我じゃないんだけど痛くて」
「誰?誰に怪我させられたの?」
母さんは私を溺愛している。使えるかも。
私はデマカセを吐いた。
「仁科紅音」
マリネがやらかした模様です。
それはさておき、蒼君。キーパーソンです!