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無色透明  作者: 夜桜菫
Xデー篇
37/41

スクーリングアイロニー

紅音は早速クラスに不満がありますwww


今日の日付は前回同様に4月10日。

 (あおい)が一応近隣の人には声をかけておいたほうがいいよ、と昨日言っていた。

 目の前の席の子、女の子だし声かけやすいな。

夏河(なつかわ)さんだよね。私仁科(にしな)紅音(あかね)。よろしくね」

「よろしくね!紅音ちゃん!」

「今日委員会決めだよねー。夏河さんはどこに入るか決めてるー?」

雪乃(ゆきの)でいいよ!私は動物が好きだから飼育委員にしようと思ってるんだ」

「決まってるってすごいなぁ……」

「そんなことないよ!」



 話しているうちに担任がやってきたので後でね、と言ってお互いに前を向いて座った。

「ええっと…疾川(はやかわ)滝川(たきがわ)が休みか」

 担任森永(もりなが)は、怠い様子でそう言った。

「あんな男のどこがいいんだよ」

亮太郎(りょうたろう)にはわかんないわよ!」

 二人の男女が入ってきた。多分疾川と滝川だろう。大男の方はゴム風船みたいな奴だ。見た目的に。

「仲良く登校デートかぁ?」

 森永は冷やかす。

「は?こんなのと付き合ってねーし!」

 もうなんでもいいから早く座れよ。

「ホントかぁ?別に隠さなかったっていいんだぞ」

 本当にいい加減にしてくれ。

「ざけんなし」

 腹を立てて金髪女が席に座る。顔を赤らめるどころかイライラしているようだからきっと事実無根なのだろう。

「じゃあ委員会決め始めるかー」

「学級委員やりたい奴は?いねぇか?」

 誰も挙手しない。

「じゃあくじで決めちゃおうか。時間ねーし」

「なにそれー?そんなのありー?」

 先生が適当に箱を取り出してくじを引いた。最初からこのつもりだったようだ。

「じゃあ男子は呉橋(くれはし)、女子は迫田(さこた)

 迫田さんと呼ばれた少女は明らかに嫌そうに

「えー。私なのー?」

 と声を出した。彼女は所謂半ギャル。呉橋と呼ばれた男はいかにも根暗そうな奴だった。こんな奴らに学級委員などできるわけがない。

 蒼ならどうだろう。蒼なら真面目にこなすんじゃないか。もう蒼に頼みたくなってきた。

「次広報委員。立候補は?いねぇな」

 ガサガサと音がする。

「当たりませんように……!」

 みんなは合掌したり目を瞑ったりしてそんなことを祈っていた。

中村(なかむら)西園(にしぞの)!」

 そんな風にして次々に決まっていく。

 飼育委員を残すのみとなった。

「飼育委員はいねぇな」

「私……立候補したいです……」

「やっとやる気がある奴がきたよ……ええと、夏河だな」

 担任は黒板に夏河、と汚い字で書いた。

「男子は抽選で……松野(まつの)!」

「マジかよ……」

「じゃあ委員会決めはこれで終了だ!委員は今日早速集まりがあるからなー!忘れんなよ!」

彼に残された時間、あと101日。

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