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無色透明  作者: 夜桜菫
ウサギ小屋の怪篇
32/41

惨殺死体の正体

他の部位は別の教室や屋上等で見つかったみたいなのです。

「まず瑞樹(みずき)ちゃんですが……」

「子供扱いしてないでください!!」

「あ、えっと……本条(ほんじょう)さんは……その……なぜ……」

「お姉さん!今何時?!」

「七時五十分だよ」

 私が答える。

「えっ。私遅刻しちゃうんで失礼します!ごめんなさい!」

 私に深々と頭を下げて少女が走り去る。

 まぁ、仕方ないよね。謝ったから許すとしよう。

「飼育委員の集まりがあるので失礼します!」

 雪乃(ゆきの)ちゃんが私の手を引いて走り出す。

「あっ、ちょっと……」

 ノロマ刑事が何か言ったが、雪乃ちゃんも私も無視した。



「ありがとね、雪乃ちゃん」

「どういたしまして!キリがなさそうだったから」

「あのトロいのマジ勘弁」

「あはは。あ、紅音(あかね)ちゃん!手から血が……!」

 拳を握り締めた時に掌に爪が食い込んだのだろう。

「洗っとけば大丈夫だよ」

「ほんとに大丈夫……?

「うん。大丈夫だよ。じゃあ教室行こうか」



「腕が見つかったらしいよ……」

「嫌だ……怖い……」

 私はクラスの生徒の声を聞きながら教室に入る。耳が早いな、みんな。

 私の席は窓際の一番後ろの席。途中の席で、何かを見かけた。

 腕だ。腕が……移動している?

「ねえ…この机の中……何か入ってるよ」

 マリネが腕を取り出した。

「ギャアアアアアァァァァァァァァァ!」

 劈く悲鳴と椅子の音が不協和音を奏でた。



『紅音……こんな時になんだけど』

 ずっと黙っていた(あおい)が重そうに口を開いた。

「どうしたの?なんかわかったの?」

『あの死体……って言ってもまだ両腕しか見つかってないけど』

「誰のものかわかったの?!」

『多分……ね。呉橋(くれはし)だと思うんだ』

 呉橋京介(きょうすけ)。P介。マリネのグループに属するサイコパスなクソ野郎。P介のPはpsychopath(サイコパス)のPだ。

 ざまぁみろ、と思うのと同時に、私は犯人に果てし無い憎悪を抱いた。



 全員強制的に家に帰された。

 雪乃ちゃんを送り届けた後で、私は蒼と帰った。

「おかえり紅音!」

 母さんがもう既に家にいた。

「学校で何人も亡くなってるんだってね」

 声をかけられたが私には聞こえない。耳には届いているが頭は犯人への殺意で溢れ返っており脳に響かない。

『紅音……あのさ……』

「何」

 私はぶっきらぼうに返事をした。

『明日の夜ぐらいに犯人が次のターゲットを殺すと思うんだけど、待ち伏せする?』

「乗った」



 翌日の夜。私たちはウサギ小屋のすぐ近くの茂みに隠れた。

 犯人は、来るだろうか。きっと何食わぬ顔で現れるんだろうな。その時には……。

「…………ぶっ殺してやる」

 何ヶ月か前の感情を頭に呼び起こして、私は小さく呟いた。

第3話に出てきたサイコパス君、無念の死体での登場でした。かわいそうですねぇ。


紅音……?!紅音がサイコパス君を殺されたことに膓が煮えくり返ってます!二人の関係性は……。

次回決着予定。


サイコパサ野郎のはずなのにP介ってすごくダサいでしょう?

私の姉が大好きな某動物映画の主人公のセリフにこんなのがあります

「ルーディ?そりゃ良かった。すげー怖い名前だったらどうしようかと思った。ポチとかタマとか」

こんな感じのセリフ。最近見てないのでうろ覚えですが。

Pはサイコパスのスペルの頭文字でもありポチでもあるわけです笑笑

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