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無色透明  作者: 夜桜菫
ウサギ小屋の怪篇
28/41

歪んだ感情

ミステリー要素は皆無です。

犯人よりも動機がメインです。

どうぞご堪能くださいwww


一気に5話くらい更新しないとサボった分が取り返せない(T ^ T)

 数日後。

 (あおい)が今日ぐらいに四人目の被害者が出るんじゃないか、と言うので早朝六時にウサギ小屋に行ってみた。

 雪乃(ゆきの)ちゃんに何もないといいのだが。

 ウサギ小屋の前に行くと、誰かの腕が置かれていた。

「グロッ」

 私が言うと蒼は、

『細いね。でも女子の腕じゃないみたい』

「何でそんなことがわかるの?」

『単純に骨格の問題。女子にしては角ばってる』

「なんか気持ち悪い」

『えー』

 蒼が腕をじっと見ながら言った。

『この人きっと文化部の人だよ。腕の外側と内側で色が大体同じだし』

 私の腕もそうだ。夏場は日焼け止めを塗るし、そもそも焼けるほど運動しないし。

「文化部男子で昨日まで来ていたのに今日出席しない人、か。だいぶ絞られるね」

 蒼は頷いた。

『昨日の放課後、犯人とこの人はここでトラブルになり殺害……』

「計画的ではないってこと?」

『うん。断面図見ればわかるけど……あ、紅音(あかね)気持ち悪かったら無理しなくていいからね』

「うん」

『かなり切れ味の悪い何かで切ったみたい』

「それで?」

『切断するつもりなら切れ味のいい刃物を用意しておくはずだよ。切れ味の悪い刃物なんかで切ったら嫌な音も出るだろうし何より時間がかかる』

「なるほどね……」

『ここで御託を並べたって仕方ないし、三日間ぐらい放課後張り込みしてみる?』

「いいねそれ!それなら雪乃ちゃんも守れるし!」

『うん。じゃあ……』

 蒼は言葉を詰まらせた。蒼の視線の先には雪乃ちゃんがいた。

「し、死体……?」

 ヤバい。見つかった。第一発見者であることは伏せておこうと思ったのに。

「あ、えっと…おはよう……」

 私の口からは最高のKY発言が飛び出した。

「紅音ちゃん!おはよう!」

 その時、あのアホな警察共は一つ覚えに第一発見者を疑うことを思い出した。

「あ、違うからね!私がきた時にはもう……」

「だよね!紅音ちゃんがそんなことするわけないもん!第一発見者なんだよね」

「うん。そのことなんだけど私が第一発見者なのは……その……伏せておいて欲しいんだ」

『なんで?』

 蒼の質問に私は小声で答えた。

「警察は第一発見者を疑うからだよ」

「わかった!」

「ありがとう」

「どういたしまして!」



 今日は一旦帰ることにした。物騒なので私の家に帰ることにした。

 雪乃ちゃんは終始ご機嫌だった。とてもじゃないが、遠目にでも死体を目撃したとは思えない。

「朝ごはん……食べる?」

 私が聞くと、雪乃ちゃんは笑顔で

「うん!ありがと!」

 多分今蒼が作ってるのだろう。若干だがカチャカチャと音がする。

「待ってて。今準備してくるね」

「私も手伝えるかなぁ」

「ううん。大丈夫!」

 皿が宙に浮いてたら大変だ。


 私がドアを開けると、雪乃ちゃんは私のベッドに転がっていた。

 体調が悪いんだろうか。

「朝ごはんできたよー」

 小さめに声をかけておく。

「あっ!今行くー!」

 元気そうで何よりだ。

次回、雪乃ちゃん視点でお送りしていきます。

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