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無色透明  作者: 夜桜菫
ウサギ小屋の怪篇
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自宅でナゾトキ

蒼は別にミステリー通ではありません。ミステリー通なのは作者だけ。

「ちょっといい?」

 先生に呼ばれて雪乃(ゆきの)ちゃんはごめんね、と言って抜けた。

 私たちが掃除用具を置きに行く。裏門を乗り越えて少女がやってきた。手には人参が握られている。

「どうしたの?君」

 私はその子に声をかける。

「あっ……」

 少女は門を乗り越えて去って行ってしまった。小学生くらいだった。

 ウサギに餌をやりに来たんだろうか。



 翌朝、また変死体が見つかった。

 三年生の不良だった。顔面は誰だかわからないほどに何度も殴られ、肢体の骨は折られ……と酷い有様だったそうだ。

 みんなは即家に帰され、警察が捜査という名の時間潰しをすることになった。

 死体を見つけた張本人はそんなにショックを受けている様子もなくリビングの椅子に座った。

 誰が死んだのかを全員分調べてみたところ、学年も性別もバラバラなのだ。今日殺された奴も含め三人は全員不良であることまでは突き止めている。

 私が着替え終わりリビングの椅子に座る。

『僕が気になっているのは次の三点。まず被害者について。被害者の共通点が今のところ不良ってことしかないみたいなんだ。所属している不良グループもバラバラ。ただ、グループの幹部なんだ、全員』

「組を潰すのが目的……とか?」

『それならトップを殺せばいいと思う。その下なんか殺したって組には何の支障もないよ』

 それもそうだ。下はいくらでも代わりがいるんだから。

『次に殺し方。あそこまで酷い殺し方をする必要はないと思うんだ。単純な方法で殺せばいい。首絞めたりとか刃物で刺したりとか』

「確かにね。グチャグチャにする必要性を感じない。怨恨かなぁ」

『その線は濃いと思う。だけどそれさえもミスリードだったら怖いね』

「頭脳戦とかキツ……」

 正直アホな私の頭はパンクしそうだ。

『最後に殺した場所。あの血の量からして殺したのはウサギ小屋の前で間違いない。前の二件もそうだと思う。他の場所で殺したっていいのにどうして彼処を選んだのか。僕が思うにそれは……』

「ウサギちゃん関連の恨み……?」

「うん、それだと思う。あともう一つ、なぜ死体をあの場所に放置したか」

「あー確かに。普通発覚しないように隠すもんだよね?焦ってたのかな?」

『そうかも。でも僕にはみんなに知らせているように思えるんだ』

「なんのために……?」

『それはわからない。ウサギ小屋に近づかせないためかな……。でもそれじゃモカたちが飢え死にしちゃうよ……』

「一人で行かなければいいんだよね?」

『うん!何人かいれば多分襲われないよ!』

「明日から雪乃ちゃんの手伝いをしよう!」

『そうだね!』

次の次あたりに日常篇の「地獄の学校」のあとがきに出てきた最恐サイコパスが出てくる予定。

早まって次回かもしれないです。

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