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無色透明  作者: 夜桜菫
日常篇
2/41

脱不登校計画

やっと第2話にたどり着きました!

紅音は学校でのトラウマから不登校ですが日光浴は割と好きなのでヒキニートではないです

私?私はヒキニートですよ。

「今日は学校行こうと思ってさ」

『久しぶりじゃない?!』

「いや……いろいろとね……」

『ふーん。すごいことだと思うよ!』

「えへへ。そうかな……」

『うん!朝ごはん作ってくるね!』

「ありがとう」

 意気揚々と部屋を出て行く。



 着替えてリビングへ向かうと、豪勢な食事が並んでいた。

 なんだこれ。フランス料理のフルコースみたいな量だ。食べきれねーよ!

『エプロンしてー』

 渡されたのは割烹着。母さんのだけど料理と全く合っていない。笑える。

「いただきます」

 私が残したら全部本人が食べるのだろう。

 そんなことを思いながらスクランブルエッグを口にする。美味しい。相変わらず女子力高いな。羨ましい。

「美味しい……」

 私が言うと其奴は笑顔で返した。

『良かった……』

 上機嫌で風呂やトイレの掃除をしに行く。

 大量の朝食を食べられるだけ食べて、残りは弁当箱にでも詰めるか。キッチンに弁当箱を取りに行くと、そこにはもう弁当が置いてある。朝食と一緒に作ったのだろう。

 少し蓋を開けてみると朝食とは違うメニューだ。凄い。凄すぎる。

 さて、身だしなみを整えるか。



 髪はどうするか。

 彼が昔、

紅音(あかね)の髪は結ばないほうがいいよ」

 と言っていたから結ばないようにしている。切ると言い出したら彼奴に止められたから切らないが、切りたくて仕方ない。

「このままでいいや」

 黒髪ロング、なんて美少女と言われる異次元の方々の髪型だと思うんだけど。

「じゃあ行ってきます」

『あ、待ってー』

 付いてきた。ここまでは想定内。

 むしろ付いてきてほしい……なんてね。

 此奴も出たことを確認し鍵を掛けて鍵をカバンにしまう。

 重い足を引きずるように歩き出す。

「ねえ」

 気分を変えようと話しかける。

『どうしたの?』

 なんでもない……と言い掛けてやめた。

 大事なことを忘れていることに気がついたからだ。

「何番線の電車に乗ればいいんだっけ?」

 学校への行き方を忘れている。

『二番線に乗って六つ目で降りるんだよ』


 早咲きの桜が散るのを眺めながら私は言う。

「入学式楽しみ〜!」

 同じクラスになれるかな。席は近いかな。担任はどんな感じかな。

 新しい高校生活に期待しながら電車に揺られている。

 二週間前から方向音痴な私は何回も彼に教えてもらい一緒に学校への行き方を練習した。その会もありもう完璧だ。

「同じクラスだといいね」

 彼が笑う。私はこの笑顔が大好きだった。


『ねえ紅音!』

 此奴に名前を呼ばれふと我に帰る。

『なんで泣いてるの』

 彼に教えてもらった学校の行き方忘れるなんて……。

 “いつか彼との思い出も忘れてしまうんじゃないだろうか”。時間っていうのは残酷だ。

「なんでもないよ」

『そう……?』

 ハンカチを差し出される。袖ではなくハンカチで拭けということか。

「ありがとう」

 駅に着いた。

 さらに重くなった足を引きずって電車から降りた。

 駅から出ている12系統のバスに乗り、終点まで。そこから右に曲がって緩い坂を上れば学校。

 彼と行った道。懐かしい記憶を蘇らせながら歩き出す。もう足は重くなかった。

次回!紅音の苗字が判明します!

脱不登校計画の行方は……!!

(こういう煽り文やってみたかっただけ)

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