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異世界に住む姫はどんな旅を?  作者: 葉月 いつか
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別行動

あれから8日間経ち、スフィアも元気になって今日は1日別行動をしています。


喧嘩したわけではありませんよ?理由があるのです。

スフィアが着けている鎧がドラゴンのせいで壊れてしまい、

修理をするために鍛冶屋がある町に行かないと駄目になり其方に向かっています。


私も着いて行きたかったのですが、

その町は戦士や騎士しか入れない所なので私は無理みたいです。

スフィアだけがその町へ行き帰ってくるのを待っているのです。


ずっと宿にいるのも暇ですね・・・。

そういえば、この辺に本屋があったような気がします。

久しぶりに新しい本でも買いましょうか。

善は急げです。宿を出て、お出掛けをしました。


こうやって1人で歩くのも久しぶりな感じがします、

最近はスフィアと一緒にいるので。

少し寂しさもあれば1人旅を思い出して懐かしさもあります。

おっ、本屋がありました。


『いらっしゃいー』


大人しそうな女性がカウンターにいました。

以下にも本屋の店員という感じがします、

服装は少し地味な白のセーターを着て、眼鏡を掛けています。


軽くお辞儀をしてから本を探しました。


いつもは旅小説を読んでいますが、たまには違う系統の本を読もうかしら?


そう思っていつもとは違うコーナーに行くと、気になるタイトルの本を見つけました。

なんだこれ?ちょっと見てみましょう・・・?


ちなみに、本のタイトルは「ケモノミミブームの町・リルーレア!」と書かれていました。


私は面白そうな町だったら、旅候補に入れる事にしました。



『2時間もあれば綺麗してやる!その間まで、町を見て周って良いぞ』

『本当か!頼む!』

『おおー任せておけ!その間どっかぶらついていてもいいぞ!』


と、言われたもの、戦士や騎士のための町だから周りには武器屋、

防具屋、薬屋、冒険用品などが沢山あるが他に見るものが無い、どうしよう?


『もしかして、スフィアか?』


突然声を掛けられ振り向くと、私が昔にお世話になった人がいたのだ。


『テイラさん?』


それは、数年ぶりの再会だった。


酒場に入り、2人でビールを飲みながら話しをした。


『それにしても久しぶりねー、6年ぶりかな?』

『そうですね』


そう、この人は私が騎士になるための資格を取る時に手伝ってくれた方。


騎士になるためには、実際に騎士との実技試験を行うので、

練習相手がいなくて困っていた所に、テイラさんが相手をしてくれて、

実技試験は上手く行き合格したのだ。


『そういや、なんでスフィアはこの町に?私は武器を強化するために来たんだけど』

『鎧が壊れてしまって、修理をして貰うために来たんです』

『鎧が壊れるってどんな怪物と戦ったんだい?』

『ドラゴンと戦いました』

『ぶふっ!?』


驚いて、噎せてしまったようだ。


『テイラさん、大丈夫ですか!?』

『ああ、大丈夫だよ、それは本当かい。

もしかして、最近ドラゴンに襲撃された町があって、

騎士が1人で討伐したって噂話を聞いたんだけど、あんたかい?』

『はい。え?噂話になるほど有名になっているんですか?』

『そりゃあ、当然だよ』


どうやら、騎士の間で有名になってしまったらしい。

なんだか恥ずかしいな・・・。


しばらくするとお酒は一杯だけだが、

酒場の雰囲気でちょっとだけほろ酔いになってきた。

テイラさんが新しいビールとお摘みの煮豆を頼み、

テーブルに置かれて、早速お掴みに手を伸ばした。


『おっ、なかなかいけるねーこの煮豆』

『ビールと合うな・・・』


久しぶりに会って、沢山会話をすると時間があっという間に経ちました。

テイラさんはビール飲み干し、テーブルに力強く置いた。


『これから、ある洞窟にモンスターが住み着いて町の人が駆除してほしいと、

依頼を引き受けてるんだけど一緒に行かないかい?報酬は当然分けるよ』

『せっかくの誘いですが、隣町に待っている友達がいるから行けないですね、すいません』


『そうか・・・それなら、仕方がないね。

まぁ、こうやって逢えたんだから、また何処かでお会いしましょう』

『はい、また何処かで』

『あっ、今日は私が奢るよ。それじゃあ、またね!』


テーブルに銅貨8枚を起き、テイラは席を外しました。


テイラさん、あまり変わってなかったなー。

今何才くらいなんだろう?と考えながら

私もビール飲み干し、丁度2時間経ったので鍛冶屋に戻った。

来た頃に丁度修理が終わり、とても綺麗になっていた。


『どうだ?綺麗だろう?』

『ああ、見事だな、いくらだい?』

『金貨1枚だ、毎度!』


やっぱり、鎧を纏っている方が安心感があるな。

さて、この町にはもう用は無いな、

リリーが待っているから急いで帰るか・・・。

今頃何をしているだろうか?



『ん〜、全部読んだわ。すこし疲れたから仮眠をしようかな』


そう言いながらソファの横になり目を閉じました。


『ただいまー、寂しがっていたかい?』


と冗談をいいながら部屋に入ったが、

ソファの上でぐっすりと寝ているリリーを発見した。


『ふふ、呑気な奴だなー、心配して帰って 来たが損したぜ・・・』


寝ているリリーは無防備でなにか悪戯をしたくなり、

ペンで顔に落書きをしようと企んだ。


『寝ている方が悪いんだよー』


と顔に近づき、落書きを開始しようとしたらリリーが目を覚めしてしまいました。


『えっ?いつ帰って来てたの、スフィア・・・?それに、顔が近いんだけど

・・・』


悪戯がバレると思って焦ってしまった。


『いやー・・・その・・・何でもない』


リリーに怪しまれてジト目をされたが、

直ぐに笑顔に戻ってくれた。


『おかえり、スフィア!』

『ああ、ただいま』


ふーあぶないあぶない・・・もう少しで悪戯しようというのがバレる所だったよ。


その後は何事を無かったようにいつも通りに過ごし、翌日から旅の再開をすることが出来た。

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