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異世界に住む姫はどんな旅を?  作者: 葉月 いつか
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憧れ

スフィアの日課は毎日槍術の練習をすること、

ずっと見ていても飽きません、なんてったってかっこいいからです。


『はぁぁぁ!えいや!ラスト!!!』


最後に渾身の突きを放ち、風圧で草や花が強く揺れました。


『ふぅ・・・こんなもんかな』

『スフィアお疲れ様、はい、タオルと水よ』

「ありがとう、リリー」


私はいつもタオルと水を用意してあげています。


水分補給と汗を拭き終わるとスフィアは私に、

見ていて飽きないかい?と質問をされましたが私は顔を横に振り、

スフィアの槍術はかっこいいからずっと見てられるし、

憧れるよと言うとスフィアは少し照れていました。


『なんだが照れるなー、ありがとう。

あっそうだ、良かったら少しだけ習ってみないかい?』

『えっ、やってみたいけど私に出来るかな・・・?』

『大丈夫、優しく教えるから・・・』


と私の肩に手を置き、背後に回り密着してきました。

まずは基本から教えて貰います。


『右手を槍の後ろに添えて、左手を前の方に』

『こうかな?』

『そうそう、それで構えて思いっきり突きをする』

『えいっ!』

『次は上から下へ力強く振り下ろす』

『はいっ!』

『うん、いい感じ!』


凄く丁寧に教えて貰ったので分かりやすい、

槍術はこんなに楽しい物なんだと知りました。

それにしても、ずっと密着されてるからのぼせそうです。

するとスフィアは私から離れて今教えたのを続けてやってみてと指導されました。


試しにやってみるとなんとか出来て、拍手をされました。照れますね。


『うん、初めてとは思えないほど上手く出来てるよ!』

『ありがとう!スフィアの教え方が上手だからよ』


練習後私達は町に戻り、泊まっている宿屋に向かおうとしたが、

見覚えがない建物や道を歩いて気がつきました、そう迷いました。


『どこだ?ここ・・・』

『迷ったね・・・』


2人で焦りましたがお店の店員に聞けば分かると思うので、

どこかに入いることにしました。

見渡すととても気になるお店が目に入りました、武器屋です。


今までは見抜きもしなかったけど、

槍術を教えて貰ってから気になり武器屋に入りました。

ゴツい店主がいると思いきや、女性がカウンターに居ました。

髪は燃えるような赤色で、肩につかない程度の長さ。

中性的な顔つきの方です。


『おっ、可愛いお客さんだね、何を探しているんだい?』

『槍を探しているのですが・・・』


スフィアに目的が変わっているぞと突っ込みをされました。


『あ、そうでした、道を尋ねに来たんですね。

すいません、実は道に迷ってしまいまして・・・』


女性の方はとても優しくて、手書きの地図を書いてくれました。

その後に、女性から槍に興味が有るのかい?と質問され、

彼女の槍術に見て好きになったと話をすると、

微笑んでいました。


『私もそんな時期があったわ、槍に憧れて買いたいと思ったんだけど、

戦士や騎士の資格がないと購入出来ないんだよねー。

だから騎士になるのを頑張ったの』

『えっ、資格がないと駄目なんですか?』


隣に居たスフィアが教えてくれ、誰でも購入出来たら、

武器を犯罪や窃盗に使う危険と治安が悪化してしまう可能性があるので、

認められた人ではない限り購入出来ないみたいです。

私は落ち込んで足から崩れ落ちました。


『リリー、すまんな、言ってなくて・・・』


背中に手を置き、励ましてくれました。

女性の店員さんも励ましてくれて、

小さい武器なら買えるよと出してくれたのがダガーナイフでした。

15cm以下なら一般の方も購入出来るみたい。

護身用として買う人が多いみたいです。


スフィアも旅をしているなら、一つは持っといても

いいと思うよと勧められましたので買うことにしました。

初めての武器なのでとても嬉しかったです。

しかし、何処にしまいましょうか?


『女性は太ももに隠す人が多いわよ、これサービスよ』


と言いながら女性はしゃがんで私の太ももに何かを巻き付けて言いました。


『へー・・・随分可愛い下着を履いているわね』


ちょっ、どこを見ているんですか?


隣で聞いていたスフィアは女性に『何色ですか?』と聞いて『ピンクよ』と答え、

『ほーピンクか。リリーらしい下着だね』と二人で話していました。


何を会話しているんですか?

取り敢えず、話を戻すために女性に話掛けました。


『これはガーターリング?』


普通のとはちょっと違って厳ついです。


『そう、一箇所空いてる所があるしょ、そこにダガーナイフを仕込ませるの』

『なんだが、少しエッチではありませんか?』


『女の武器よ!』と言われて結局太ももに仕込まされました。


武器屋を出て、私達は手書きの地図を見ながら町を歩きました。

丁寧に書いてくれたのですんなりと宿屋を見つけることが出来ました。

あの女性には感謝しないといけないですね。


泊まっている部屋に着くと、

私は椅子に座りダガーナイフを取り出し見惚れていました。


『これが私の初めての武器か・・・ふふふ』


スフィアに変な視線で見つめられました。


『なんか、怖い・・・』


初めての武器が嬉しくて、つい興奮をしてしまいました。

スフィアにダガーナイフの戦い方を教えて貰おうと聴いたところ、

使ったことがないみたいなので、教えることが出来ないと言われてしまった。


どうやら、自分でダガーナイフを使いこなせるようにならないみたいです。

頑張りましょうか?

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