宝石発掘
私達は町外れにある洞窟の中にいます。
なんでそんな所にいるかと言いますと、宝石を発掘するためです。
スフィアは資金調達のためにいつも洞窟があれば入り、
宝石を探してるみたいです、私も手伝っています。
『スフィア!これも宝石なの?』
『おおっ、これはラピスラズリだよ』
『ラピ・・・え?』
『宝石だからこの中に入れて、傷つきやすいから慎重に』
スフィアが持ってきたバッグの中に慎重に入れました。
現在宝石を見つけた数は今のを入れて5個です。
サファイアにルビー、色んな宝石を手に入れました。
結構な大きさなので売るのに期待できそうみたい。
一息ついた所でそろそろ、洞窟を出ることにしました。
『疲れたから帰るか』
『はい、お腹も空いたし』
昼過ぎに洞窟に入りましたが、出てくるとすっかり外は暗くなっていました。
宝石探しがこんなに楽しいなんて、思ってもなかったので疲れましたが凄く充実しました。
『宝石は何処で売るの?』
『当然、宝石店で売るよ。店主に鑑定してもらい本物だったら高く買い取ってくれる』
『一個につきどれぐらいになるの?』
『んー、大きさや種類にもよるけど大体金貨30枚くらいかな?』
『30枚!?!?』
驚いて目が飛び出そうになりました。いえ、実際には飛び出ませんが。
町に着いた私達は宝石を売りに行くために早速、宝石店に入りました。
大柄の男の店主が迎えてくれました、髭を生やし坊主頭なので強そうな方です。
『らっしゃい!!』
『宝石を売りたいのだが、鑑定してくれるか?』
『いいぜ!宝石を見せてくれ』
スフィアはバッグから宝石を取り出し、鑑定して貰いました。
店主はじっくりと宝石を見て、確認をしていました。
数分が経ち、店主が立ち上がり驚愕してました。
『これほど大きい宝石を見たのは久しぶりだな〜、しかも
全部本物だ・・・良し、合わせて金貨250枚でどうだ!』
『250枚!?!?』
『乗った!!!!』
どうやら、交渉は成立したようです。
スフィアは大量の金貨が入った袋を両手で持ち、とても嬉しそうでした。
『はい、これ半分はリリーのだよ』
『えっ?』
私に半分ほど金貨をくれたのです。
『私一個しか宝石を手に入れてないからこんなに受け取れないよ・・・』
『いや、私も冒険するための生活費があればいいだけだから、
こんなには必要ない。受け取ってくれ』
『ありがとう、スフィア!』
『今日は贅沢に夜ご飯を食べるぞ!何がいいかな、やっぱりステーキ?』
『いいね!食べに行きましょう!』
私達はスキップをしたくなるほど嬉しくてお店に向かいました。
店内に入ると美味しそうな匂いがします、これは期待できそう!
席に座り、2人ともステーキを頼みました。
私がそわそわしながら待っていると、スフィアにさっき
頼んだばかりだからまだ来ないだろと笑われてしまいました。
それから、20分ほどでしょうか?
注文したステーキが運ばれてきました、味わっていただこう。
一口食べるともう絶品!ジューシーで甘くてとろけてしまいそうです!
お腹いっぱいに食べた私達は、お会計を払い宿屋に戻りました。
『美味しかったわねー』
『だな、でも、胸焼けしそう・・・。
それにステーキの匂いが染み付いてしまったな、シャワーでも浴びるかな』
『私も次に浴びるかな』
『えっ、一緒に入らないのない?』
「一緒に!?」
私は顔が真っ赤になってしまいました。
戸惑っている私を見て、冗談だよと冷やかされました。
結局スフィアの後に私がシャワーを浴びて、スリップに着替えベッドに寝ました。
朝起きて朝食を食べたあとに、今日も洞窟へ向かいました。
あれだけ宝石が取れたので、もう1日発掘しようと決めました。
しかし、長い時間を掛けてどれだけ探しても見つからなかった、
やっぱり世の中はそんなに甘くないみたいですね。
今日はおとなしく帰って、寝ることにしましょう。