幽霊屋敷
旅の途中に怪しい建物があったので、気になり立ち止まりました。
四角い建物で色は真っ黒、囲んでいる柵も大雑把に置いてあります。
看板には幽霊屋敷と書いています。
やっているのかな?取り敢えず入っちゃおう。
錆びついた扉を開けると、店内には所々に
ランタンが並んでいますが足元が大変見辛いです。
『誰もいないのかな?』
帰えろうとした時にだれかの足音が聞こえてきて、
こちらに近づいてきました。
『いらっしゃい、幽霊屋敷へようこそ』
長い黒髪の女性が現れました、前髪は片方だけ長く、目が完全に隠れています。
着ている服は多分ワンピースかな、相当ボロボロです。
『あのー、ここの幽霊屋敷とはどういうお店ですか?』
『お客様を驚かせたり、楽しませるお店ですねご覧になりますなら、銅貨一枚です』
おー、安いですね、少し怖いですが気になります。
私は銅貨一枚を取り出し彼女に渡しました。
彼女は不気味に笑いながら、
こちらの入り口から入って下さいと誘導して私は中に入りました。
その場所は、さっきの受付の場所よりも暗く緑色の蛍光灯が
天井に付いてるだけ。私は勇気を出して歩き出しました。
すると、変な声が聞こえたのと同時に、
足を掴まれた感覚がして下に視線を下ろすと、白い手に無数に足を掴まれていたので叫びました。
『きゃゃあーーー!?』
私は振り払って思いっ切り走りました、怖すぎて早く出ようと思ったです。
しかし、これはまだ余興にすぎませんでした。
ここから先は赤い蛍光灯に照らされていて、さらに悍ましさがましていました。
『もう、出てこないで、お願いします・・・』
願い通らずその先には不自然と並べてあるロッカーが両端に有りました。
これは絶対に何か出てきますね、予感は的中した。
ロッカーからゾンビが次々と出てきて襲ってきました。
当然、全力で逃げました。
すると何かに当たり、よろけてしまいました。
『あいたっ!?』
目の前を見ると、フランケンシュタインと思われる、大きな男が立っていました。
『ごめんなさい〜!!』
全力で逃げました。
続いては、青色の蛍光灯が薄っすらと光っていました。
『次は何が出るんだろう?』
しかし、少しだけ楽しんでいる自分がいました。
暗くて見辛いが、目の前に白いコートを着ている女の子が蹲っていました。
近づいてみると、女の子はこちらを振り向きました。
『ねーお姉ちゃん・・・お姉ちゃんの目を頂戴?』
彼女の顔を見ると目がありませんでした。
これも当然全力で逃げました。
やっと出口に辿り着き、受付の場所に戻って来ました。
受付にいた女性が、笑顔で話を掛けてきて楽しかったですか?
と聞いてきたので答えました。
『怖かったよ!!』
もう少しイージーでしたらもっと楽しめたかもしれませんが、怖かったです。
幽霊屋敷を出た後に旅の続きをして町に辿り着きました。
私は先ほどのせいで喉が渇いていたので、近くにあった露店で水を買い、
だれでも良かったので幽霊屋敷の話を露店の方に話しました。
『この町外れにある幽霊屋敷という建物があるのですが知っていますか?』
『おー、知ってるよ、有名だからな!あそこは入らない方がいいよ』
『え、先程入ってしまったのですが』
すると彼は驚いた顔をしていました。
『お姉ちゃん凄いなー、あの幽霊屋敷に居るのは全員本物なんだよ』
『本物?まさかー』
私は冗談だと思って聴いていましたが、どうやら本当の話みたいです。
あの屋敷の場所には前に墓地があったのですが、突然屋敷が建てられ、
だれが作ったのかも町の人はみんな知らないみたいです。
興味本位で行った町の青年は口を揃えて言ったようです。
死んだ恋人が受付をしていた、
目の病気で自殺した女の子がいた、
足を掴まれた感触が本物だったなど。
町に噂が広まり幽霊達が勝手に建てて、
兼営してる建物と言われていると・・・。
もう絶対に行きたくたいですね。