盗人退治
この町は少しだけ治安が悪い所で、殺人とかはないのですが。
窃盗が良くあるので気をつけた方がいいと、
私達が泊まっている宿屋の店主に言われました。
窃盗が良くある町と言われるなら、
お出掛けをしない方がいいかもしれませんが、
せっかく知らない町に来ていて、
宿屋で過ごすのも勿体ないからお出掛けをしています。
町の雰囲気はとても落ち着ち、
白いレンガで建てられた家やお店が多いので、
町を歩いてる感じでは治安が悪いとは感じない町です。
本当に盗人が多いのでしょうか?
スフィアは周りを警戒して歩いているので、
少しだけですが怖い表情をしています。
『スフィアー、そんなに警戒をしなくても・・・』
『スフィアの顔、少し怖いのー』
『もし、リリー達が被害にあったら困るから私は警戒するよ』
んー、気持ちは嬉しいのですが、
口数も少ないので少しだけ寂しいです。
すると穏やかな町並みに突然の騒ぎと悲鳴が聴こえてきたのです。
『俺の店から宝石を盗みやがった!誰かあの盗人を捕まえてくれー!!』
『邪魔だ!みんな、どけ!!』
『どかないと刺すぞ!!』
全身黒色の服をきて、仮面をしている2人組みが
人混みから走ってこちらに向かって来ました。
一人は大きな布袋を両手で担いでいて、
もう一人はダガーナイフを持ち、見せびらかしている。
逃げる為にかも知れませんが非常に危険です。
『二人共、離れて!盗人を退治する!』
スフィアは私達を守る為に、槍を構えました。
『そこの前にいる女、どけ!!』
『死にたいのか!』
盗人はスフィアに対して警告をしましたが、
スフィアは動じないで迎え撃った。
『盗人は・・・許さん!!』
スフィアは先に、
ダガーナイフを持っている盗人を刃とは逆の先端部分の所で、
相手の腹部を勢いよく突いた。
『ぐふっ!!!』
そしてスフィアは攻撃を休まずに、
槍の柄を使ってもう1人の首を狙った。
『がはっ!!!』
2人組みの盗人を一撃で気絶させました、さすがスフィアです。
盗人は住人達により縄で縛れて、駆けつけた警備の人に連行されました。
宝石を盗まれた店主の方は、スフィアに何度もお礼をしていました。
『女騎士さん、本当に助かったぜ!
ありがとう、ありがとう、ありがとう!!!』
『いえいえ、当然の事をしたまでさ。盗人は許せないからな』
『これは俺からの感謝の気持ちだ、受け取ってくれ!』
宝石店の店主が、盗人が布袋に入れていた大量の宝石の中から一つ、
大きなダイヤモンドをスフィアにプレゼントしました。
スフィアは当然受け取るのを断っていましたが、
あんたは恩人だ!受け取ってくれ!
と何度も言うので、貰うことにしました。
しかし、この大きなダイヤモンドは金貨40枚ほどの価値があるので、
それは流石に受け取れず、小さな緑色の宝石を選んで貰いました。
『そんなに小さい、エメラルドでいいのかい?』
『充分嬉しいですよ。私は店主から宝石を貰うために、
盗人を退治した訳ではないですから』
宝石屋の店主は余りにもスフィアに感動したのか分かりませんが、
驚く発言をしました。
『あんたみたいな、女性が好きだ!付き合ってくれ!』
『ええっ!?』
一目惚れでしょうか?
まぁ、スフィアは強いしカッコいいから一目惚れをしても仕方がありませんが、
それはさせませんよ、店主さん。
当然、スフィアは断りました。
しかしその方は直ぐに諦めて、笑顔で言っていました。
『半分冗談だ!気にしないでくれ!本当にありがとうよ、女騎士さん!』
店主は背中を向いて布袋を右手で担いで、帰って行きました。
フワリと私は直ぐにスフィアの元に寄った。
『スフィア、告白されたのー!』
『いやー、ビックリしたよ。
ところで・・・何でリリーは私の腕を組んでいるの?』
そうです、私は嫉妬をしてしまい、スフィアの腕を組んでいました。
『スフィアは魅力的すぎるから気を付けてよね!!』
『ええっ!気を付けてと言われても!』
『リリー、怒っているのー』
『怒ってはいないわ!さぁ、お出掛けの続きをしましょう』
『えっ、リリー、ちょっと引っ張りすぎー!』
その後は、窃盗の事件が起きる事もなく、
楽しくお出掛けをする事ができました。




