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異世界に住む姫はどんな旅を?  作者: 葉月 いつか
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ロネとセリカは気になります!

喫茶店で仲良くコーヒーを飲んで休憩をしている時でした。


『ん!セリカ、ここのコーヒー凄く美味しいよ!』

『あら、本当に美味しいね。ロネ』


私達は次に何処の町に行くか地図見ながら考えていると、見覚えがある女性達が入って来ました。

青髪の凛としているボーイッシュの格好をした女性と、

長くて真っ直ぐな黄色髪にフリルが付いている真っ白なブラウスとスカート姿の女性、そしてもう一人は緑色のワンピースを着ている白髪の妖精です。


『あれは・・・リリーさん達よね?』

『うん、そうだね』

『じゃあ、挨拶をしないとー・・・』


席を立とうとすると、ロネに止められました。


『あ、待ってセリカ!』

『え?』


口を手で塞がれ、耳元でロネが小声で話して来ました。

少しドキドキしてしまいました。


『ちょっとだけ気になる事があるから、少し様子を見ていいかな?』


私は小さく頷きました。


『う、うん・・・』


様子を伺っていると、とても楽しそうに話をしていた。


『パンケーキまだかしらー?』

『コーヒーを飲んでゆっくり待とうじゃないか』

『お腹すいたのー・・・』


パンケーキが届くと、目を輝かせて早速食べていました。

フワリちゃんはリスみたいな食べ方をしてとても可愛いです。

すると、リリーさんがスフィアさんの頼んだパンケーキを味見したくてお願いをしてました。


『スフィアのメープル味も美味しそうね、一口頂戴!』

『ああ、良いよ』


と言いながら、

スフィアさんはパンケーキをフォークで一口サイズに切り、

口元まで運んで食べさせていた。


『うん!美味しい!あっ、私のもあげるよ!』


そう言いながら、リリーさんも口元まで運んで食べさせてました。


『生クリームも美味しいな』

『でしょう?』


やっぱり、ラブラブだ・・・二人は本当にどういう関係なんだろう?

私達は小声で話しこみました。


『もしかして、二人は恋仲なの?』

『うーん、前に恋人同士か聞いたら否定されたんだけど、あれは恋仲だよね』


私はセリカに言い聞かせてリリーさん達の後を追う事にしました。

そう、尾行よ。本当の事を確かめる為に尾行よ!


リリーさん達が喫茶店を出た後で私達もお会計をしてお店を出ました。

近すぎず遠すぎずの距離を取り、たまに物陰に隠れながら歩いています。


『スフィアー、次は何処に行く?』

『新しい下着を買いたいから衣類屋に行きたいかな』

『あっ、私も新しいのを買いたいかも』

『そうと決まれば早速いくのー!』


三人が近くにある衣類屋に入って行きました。


『良し、入るよ!セリカ!』

『うん!了解!』


私達も衣類屋に入り、店内の奥にある下着コーナーを覗いたら三人がいました。


『このピンク色の下着可愛いー!』

『リリーに似合いそうだな、私はこっちの下着を試着してみようかな』


スフィアさんは薔薇をイメージしているスイートな感じのを手にしていた。

セクシー系だね。ああいう感じのが好きなんだ。


『それじゃあ、私はこっちの試着室に入るわ』

『ああ』

『私はリリーを冷やかすために一緒に入るのー』

『フワリー、それは本人の前で言わないの』


試着が終わると、それぞれが気に入ったようだから買うみたいです。

私達は急いで衣類が並んでいる場所に身を隠し、

リリーさん達がお店から出るのを待っていました。


『良し、行くよ!セリカ!』

『うん!了解!』


セリカが意外と楽しそうにしてました。


私達は慎重にお店を出て歩き、リリーさん達が建物が並んでいる道を左に行きました。

良し、行こう・・・慎重に左に付いて行った時でした。


『ロネとセリカはさっきから何をしているんだ?』

『『ばれたっ!?』』


目の前にスフィアさんがいてびっくりしましたよ。

後ろからリリーさんとフワリちゃんも顔を出していました。


『ロネちゃんとセリカちゃん!久し振りね!』

『久し振りなのー!』

『うん!久し振りだね二人とも!』

『本当に久し振りです!こんにちは!』


久し振りの再会の挨拶が終わると、

リリーさんが不思議そうにして尋ねて来ました。


『ところで・・・二人はどうして尾行なんてしていたの?』


お互いに顔を見合わせ、私達は正直に話をする事にしました。


『『えーと、それは・・・』』



話が終わると、スフィアさんは呆れていました。


『恋仲かどうかを確かめる為に尾行していたのか。

前にも言った事はあるが、リリーとは友達の関係だよ』

『そうよ、恋仲ではないわよ』


二人は否定していましたがフワリちゃんが、

『周りから観たらラブラブだから恋仲にしか見えないのはわかるのー』

と冷やかしていました。


『フワリ!恥ずかしいから冷やかさないでよー』


リリーさんが恥ずかしそうにしていると、

スフィアさんが更に冷やかしていました。


『まぁ恋仲ではないが、リリーはフワリの事を『私達の娘みたいに可愛い』

と言ったりするから誤解される事は確かにあるけどな』


『ちょっ、ちょっと!ロネちゃんの前でそんな事言わないで!』

『フフッ、リリー顔が真っ赤だぞ?』

『照れているのー!』

『いやー、恥ずかしすぎるー!』


リリーさんは恥ずかしくて手で顔を隠していました。


そんなやり取りが終わり、

二人の関係が恋仲じゃない事が分かった所で尾行を辞め、

五人で町を歩く事にしました。


私はふと思いました。

セリカとはリリーさん達みたいに良い関係でいたいなと思いました。

私はセリカに出逢えた事に改めて感謝をしました。


『ねえ、セリカ。私、セリカの事大好きだよ!一緒に旅をしてくれてありがとうね!』


気がついたらリリーさん達が私達を観て微笑み、

セリカの顔を見たら、もの凄く恥ずかしそうにしていた。

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