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異世界に住む姫はどんな旅を?  作者: 葉月 いつか
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ゴシック好きな女性

この町は至って普通の町です。

町並みは赤いレンガが多く、公園もあり、露店や宿屋もあり、

飲食店、雑貨屋もあり、至って普通の町並みです。

しかし、1つだけ明らかに怪しい建物がありました。


建物が1つだけ真っ黒なレンガで建てられています。

お店の看板にはゴシックショップと書かれています。

私は好奇心が湧いてお店に入ろうとしましたが、

スフィアに一度止められました。


『良し、入ってみましょう!』

『えっ入るの!?辞めた方が・・・』

『怪しいお店でも、ちゃんとしたお店だよー多分』


取り敢えず私達は入ることにしました。


扉を開けると店内はとても明るくて、

ちゃんとしたお店でした。

しかし、普通のお店とはやはり違うみたいですね、

ゴシックな物が沢山置いてあります。


紫色や黒色にフリルが付いたゴシックなドレスや、

禍々しいドクロのマグカップやネックレス、

コウモリのぬいぐるみがぶら下がっていたり、

怪しい雰囲気のお店です。


店内を見渡していると、店内の奥から女性の方が現れました。


『ククク、良くぞ来てくれたな。歓迎しよう!』


このお店の店主ですかね?

紫色のゴシックなドレスを着ています、動きづらそう・・・。

あと言葉遣いが少し変わっている?


『このお店はゴシック専門店なんですか?』

『ククク、そうだ。とても素晴らしいお店であろう!』


やはり言葉遣いが少々変わっている方ですね。


『ゴシック専門店なんて初めて入りました!

禍々しいお店ですね!!』

『いや、それ褒めてないだろう』


スフィアにツッコミをされました。

それを見ていたゴシックな女性は上品に笑っていました。


『ふふふ、面白い子達ね。ゆっくり見て頂戴ね』


あれ?言葉遣いが変わった?


『あのー言葉遣いが変わっていますが・・・?』


言葉遣いを指摘した途端に彼女は慌てだしました。


『・・・はっ!? ククク、面白い子達だな! ゆっくりと観るが良い!』


あっ、直してしまいました。失敗をしました。

1回だけ素に戻ってしまったので、

恥ずかしくなり照れたのかは分かりませんが、

店内の奥に逃げるように戻ってしまいました。


『ちょっと変わった人だな・・・』

『でも、可愛い子だね』


私達はせっかく入ったので取り敢えず、

店内をゆっくりと見ることにしました。


それにしても、こんなにゴシックな物が沢山

置いてあるなんて凄いですね、徹底しています。

私が特に気になったのは、やはりゴシックなドレスです。

物凄く高価な感じがします。


じっくりと見ていたら、先程話していたゴシックな

女性が再び現れて、私に声を掛けてきました。


『お主よ、気になるなら試着をしても構わんぞ』

『良いんですか? 着てみたいです!』


女性はお店に飾られているドレスを手に取り、

私を試着室に案内してくれました。


『1人で着れるかしら?』

『大丈夫よ。ドレスは着慣れているから』


ゴシックなドレスを試着すると、

意外と着心地が良くてしっくりときました。

あ、欲しいかも?でも、旅をするのには派手過ぎますね。

カーテンを開けると、

ゴシックな女性とスフィアが目の前にいました。


『なかなか似合うではないか!』

『おー!リリーはゴシック系も合うな』


意外と高評価を貰ったので少し照れてしまいました。


『そんなに似合う・・・? ありがとう!』


ゴシックな女性にお買い上げをするか?といわれましたが、

旅をするのにドレスは荷物になってしまうからと断ると、

旅に役立つゴシックアイテムを紹介してくれました。


『これは・・・なんですか?』

『ククク、これは携帯用傘だ』

『えっ? 傘ですか?』


傘という割には小さ過ぎます、そもそも傘に見えない。

疑問に思って首をかしげると、

女性は『まぁ、見ておれ!』と自信満々な表情をしていました。


女性が傘の手元を持ち中棒を引っ張ると、

形が変わり見事な傘に変形をした。


『凄い!? 本当に傘になった!!』

『これは便利だなー』

『ククク、傘になったであろう?』


これなら突然雨が降った時にも、

バックから取り出して雨を防ぐことが出来ますね。


欠点は見た目が派手なので目立ちます。

傘なのにフリルが付いています。

しかしこれは便利すぎるので1つ購入しました。


お会計をする前にゴシックなドレスを試着室で脱ぎ、

元の格好に戻ってから、購入をしました。


『ククク、これさえあればどんな雨にも守ってくれるだろう。大切に使うが良い!』

『うん! 大切に使うわ』


ゴシックショップを出た後に空を見上げました。

早く雨が降ってくれないかしら?新しい傘を使うのが楽しみです。

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