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異世界に住む姫はどんな旅を?  作者: 葉月 いつか
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ツインテールの女の子

この町に滞在してから5日目。

2人でお気に入りの飲食店で昼ごはんを

食べている時でした。


カウンターから騒ぎが聞こえてきて、気になり見てみると、

ツインテールの金髪の女の子が店員に捕まっていました。

どうしたんだろう?


『離してっ!だから、財布を何処かに落としたから

探すと言っているじゃない!』

『そんな言い訳信じるもんか!喰い逃げだろう!』


一方的に店員が激怒している様子で

なんだが、女の子が可哀想です。


『スフィア、ちょっと行ってくるね』

『ああ、行ってらっしゃい』


リリーのこういう所は逞しいよなと思いながらリリーを見守った。


『すいません、その子を離してくれませんか?』


店員は私がお客というのに、怒鳴ってきました。


『お前には関係ない!こいつは喰い逃げしたんだ!』


私も少し怒りそうです。


『女の子は財布を落としたと言ってるでしょう

少しでも信じてあげたらどうですか?』

『じゃあ、お前がこいつの財布を見つけれたら、信じてやるよ』

『わかりました、この子の変わりに財布を探してきます』


私はツインテールの女の子に、

どういう特徴の財布かを聞いて外に出ました。

スフィアには、私の分も食べていいから

待っててと言いました。


『良し、探してあげましょう』


特徴は黄色で、うさぎの模様が入っている財布みたい。

すると、お店の目の前に、その特徴に

似ている財布が落ちていました。

もしかして、これかしら・・・拾って見ると

うさぎの模様もありました。


すぐにお店に戻り、女の子に財布を見せて確認をしました。


『もしかして、これですか?お店に前に落ちていました』

『うん、私の財布!!』


その後に私は店員を睨みました。


『嘘じゃなかったでしょ?この子に謝ってくれませんか?』


店員は仕方がないなという態度で、女の子に謝りました。

まぁ、許してあげましょう。

さてと、私は自分の席に戻りますか。


『スフィア、ごめんね勝手な行動して』

『いや、リリーは正しいことをしたから、謝る必要はないよ。

あのままだったら女の子が可哀想だったからね』


スフィアはまだ私分のパスタを

食べていなかったので、貰いました。

お会計を済まし、お店に出るとさっきの

ツインテールの女の子が待っていました。


『あのっ!私、さっきはちゃんとお礼していなかったので

本当に助かりました、ありがとうございます!』


深々とお辞儀をしていました。


『いえ、いいですよ。それよりも、

もう財布を落とさないでくださいよ』


『はいっ!それと、何かお礼をしたいので奢らせてください!』

『いえ、お礼をされる程のことは・・・

財布もすぐに見つかりましたし』

『いえ、お礼がしたいです!』


まぁ、断る理由もないかな・・・?


『じゃあ、そこの喫茶店でコーヒーでも

いただいていいかな?あっ、友達の分もいい?』

『うん、まかせて!』


近くにあった喫茶店に入ってコーヒーを

ご馳走してくれました。

しかし、女の子に奢ってもらう大人って

ダメ人間な気がする・・・。

やっぱり、私が女の子の分を奢ってあげよう。


コーヒーを飲みながらお互い自己紹介をしました。

女の子の名前はカレン。

話を聞くと実は彼女、駆け出しの旅人みたいです。

しかしまだ年齢が14歳なので親に3日間だけ

旅をする許可を得たと。


ちなみに今日が旅をして3日目みたいです。

最後の日に財布を無くしてしまったら、

テンションが下がってしまいますよね。


コーヒーを飲み終わりカウンターに行って、

私はカレンちゃんに奢ってあげました。


『お会計はどうなさいますか?』

『この子の分は私が払います』


銅貨をカウンターに置くと、カレンちゃんに止められました。


『あ、お姉ちゃん!財布を拾ってくれた

お礼がしたいから私が払うよ!』


私はカレンちゃんに言いました。


『良いのよ、カレンちゃん。気持ちだけでとても嬉しいわ。

私達にコーヒーは奢らなくてもいいから、

その分のお金を親にお土産を買ってあげて』


『だから気にしなくてもいいぞ』


スフィアも説得をしてあげると、

カレンちゃんは財布をバッグの中に戻しました。


『お姉ちゃん達は天使なの?優しすぎる!

私、大人になったらお姉ちゃん達にみたいになりたい!』


凄く目をキラキラと輝かせて、尊敬の眼差しで見ていました。


『うん、天使かもね!』

『いや、自分で天使とか言うなよ』


スフィアにツッコミをされました。


カレンちゃんはそれを見て、お腹を抱えて笑っていました。

お会計を済まして喫茶店を出ると、

カレンちゃんは私達にもう一度お礼を言って、

左手を振ってお別れをしました。


『じゃあね!リリーお姉ちゃん!スフィアお姉ちゃん!』

『カレンちゃん、気を付けて帰るのよー』

『うん!』


私達は、カレンちゃんの姿が

見えなくなるまで見送りました。


にやけていると、スフィアに気がつかれました。


『どうしたの、リリー?』

『えっ!えーと・・・。カレンちゃん

みたいな妹がほしーなーって思っていたの』

『あー、だと思ったよ』


まぁ、私にはスフィアがいるから寂しくないよ!

と心の中で思いましたが言うのが恥ずかしくて、

言いませんでした。

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