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家出少女の帰る場所  作者: Dream Meter.inc「優」
7/16

夜と朝の九時間

{夜と朝の九時間}



今日も仕事が終わった。

駅で降りて、また、あの場所へと帰る。

最近、俺が帰る前に電気が点いている事が多い。

そんな日は、わざわざコンビニでお菓子を買って帰ってしまう。

今日もまた、あの子は家に来てくれた。


カツン、カツン、カツン、カツン…

チャリン…


…鍵を取り出した瞬間、中から足音。

カチャンと鍵の開く音。

そして…。


ギィ!


雛「お、おかえりなさい!」


満面の笑み。


男「ただいま」


雛「あれ?その袋…」


男「ああ、これ?」


雛「あ…もしかして…!」


男「…うん。今日もお菓子を買ってきたから、後で食べようか」


雛「あ、ありがとうございます!」


男「いいよいいよ」


ギィ…パタン!


…。

夜の九時過ぎ、彼女と俺との、不思議な時間が始まる。



…。

…。

…。


…雛ちゃんとデュエル(ババ抜き)!!


男「…」


雛「こ、こっち…?」


男「引いて見れば?」


雛「うぅ…!えい!」


雛「…!」


雛「やったー!上がり!」


男「おー、負けた負けた」


雛「やったー♪」


男「…きゃわわ」


…。

トランプやゲームをしながら話を聞いていると、雛ちゃんは小学五年生らしい。

素晴らしいですね!!

ただ、お父さんは俺と同じ頃の時間に帰ってきて、土日は休みの時もあれば、休みじゃないこともあるそうな…。

で、「喧嘩した」らしいので、毎日のように家に来る。

…喧嘩…ねぇ。

…基本的に、11時前には寝かしつけて、朝の7時前には家に帰す。

そうすると、見事にお父さんには会わないらしい。

おまけにお母さんは夜の7時から出かけて…。

昼に帰ってくる事が多いとかなんとか…。

…普通に話してくれたけど、その時点で虐待だよ。それ。


男「…もう一回やるか?」


雛「あ…えっと…」


男「ん?」


雛「えっと…」


男「ああ、風呂?」


雛「で、出来れば…」


男「いいよー入っていきなー」


雛「あ、ありがとうございます!」


男「じゃ、お湯張るか…」


雛「あ…雛、やりますよ!」


男「ん?出来るの?」


雛「一週間、ずっと後ろで見てました…から」


男「…あー」


男「もう一週間も経つのか」


雛「はい…ごめんなさい…毎日毎日…」


男「そこは気にしなくていーよ」


男「じゃ、適当にお湯張って入っちゃってー」


雛「はい!ありがとうございます!」


男「ん」


男「あ、上手く点火出来なかったら呼んでくれ!代わりに点ける!」


雛「はい!」


トトトト…


男「…」


可愛い奴め。

あぁ、いいっすねぇ^~この関係…!

近所の優しいお兄さん?的な感じなのかな?

エロ本みたいに!エロ本みたいに!

…ただ、手を出すなんてのは、もっての他だけど…。


トットットット…


雛「お兄さーん!」


男「ん?」


男「!?!?!?」


トットットじゃねえよ!ふざけんな!?

タオル…!?一枚だけ!?

しかもチラチラ色々見えてんだよ!!

もっとしっかり巻けよ!!


雛「あ、あの…」


男「え!?ヴぇあ!?」


雛「あの…うまく火が着かなくて…」


男「…」


男「あぁ!火!火か!」


男「はいはいはいはい!火ぃ付けるわ!着ける憑ける浸ける!!」


雛「あ、ありがとうございます!」


男「しょうがないなー!雛ちゃんは!」


男「アレ!アレにはね!コツがあるんだだだ!」


わざとそっぽを向かざるを得ない。

いや!本来は意識なんざしないのが当たり前なんだけどさ!?

ダメだよ!?ロリコンの前でタオル一枚とかさ!?


男「えっと、こう…長く押し込んでから…」


雛「はい…!」


男「で、火をつけて…」


ポポポポポポ


ボッ


男「ね?」


雛「わぁ…!」


雛「ありがとうございます!」


男「ん」


ありがとうございます。

は、こっちの台詞じゃ。

しばらくの間、エロ本読んだときに思い出しそうで…。

…あれ?

雛ちゃん、いつまでいるんだ…?

そうだよ、俺が帰ってきてから、俺が出勤するまで居るんだろ…?

つまり…だ。

…マジかよ。一人の時間が無いよ…。


…。

…。

…。


ソファに座禅して精神統一を行う。

落ち着け…。素数…いや、2の倍数を数えろ…!

常識的に考えてみろよ!!

Qロリコンの前にマッパ近い小5ロリが居たら、それは据え膳ですか?

Aはい。

…いやいやいや!!

…耐えろ!耐えろ!耐えろ!耐エロ…!


男「…ふぅ」


男「あぶねー…」


男「いや…危なきゃねーけどさ…」


男「…」


いや、実際どうなんだ?

二次ロリを嗜む奴が、現実世界に手を出すわけねーだろ!?

…ねーよな!?

大丈夫だよな!?

…。

大丈夫、大丈夫。

俺はアイツの事を、そんな目で見たり…!


カチャッ


雛「お風呂上がりました~!」


男「おう…」


男「おぅ!?」


前言撤回しそうだ…!

頼むから、裸にYシャツはやめてくれ!!


雛「?」


男「あ、あのさ…」


男「適当なTシャツ、置いてなかった?」


雛「え…ええ!?」


男「も、もっかい見てきな…」


雛「は、はい…!」


トタトタトタ…


男「…」


雛「あ、ありましたー!」


男「じゃー!それ中に着ちゃってー!」


雛「はーい!」


男「…」


マジで危ない。

何か、色んな意味で危ない。

頼む!俺の…!鉄の意思(0勝2敗)よ…!

もってくれ…。

いや、もう一度精神統一…!

ソファの上で…!ふかふかのソファの上で…!

ふかふか…。

ふか…zzz。


…。

…。

…。


ソファの歪さに腰が悲鳴を上げた頃、ふと、目が覚めた。


男「くっそ…あれ…?」


男「…寝てたか」


雛「おはようございます!」


男「おー…おはよう」


雛「…?」


雛「どうしたんですか?顔に何か付いてますか?」


可愛いなぁ…。

めっさ可愛いなぁ…。


男「…もう五分」


雛「ええ!?」


雛「だ、ダメですよ!仕事があるんですよね!?」


男「あるあるー」


雛「じゃあ!起きないと!」


男「眠い」


雛「ダメですよぉ!」


男「zzz」


雛「…もう!」


目を覚ますと美少女の居る生活。

家に帰ると美少女の居る生活。

うん、楽しくなってきた。

この「あと五分」ってのも、雛ちゃんが居なければ出来ないことだ。

いつもいつも、寝ぼけて目覚まし時計の電源を切ってしまうので…二度寝しようものなら…!

うん。それに、起こすときに体を揺すってくれるのも、俺の中では高評価。

どことなく嬉しい。


雛「おーい!起きてくださーい!」


雛「おーい!五分経ちましたよー!」


ゆさゆさ


あぁ、クッソ幸せだわ…。

ロリコンで良かった…!


男「うぃよぉ…起きた起きた」


雛「おはようございます!」


男「おはよー」


男「あぁ…じゃあ、朝ご飯を…」


男「あれ…?雛ちゃん、帰る時間は大丈夫…?」


雛「勿論です!」


男「あー…じゃあ、食べてくか?」


雛「良いんですか!?」


男「ん。適当にパンとか買ってくるだけだけど…」


雛「あ!じゃあ私も行きます!」


男「それはダメ」


雛「えー!?」


男「俺が不審者扱いで捕まっちまうから…」


雛「あー…」


男「あー。って、俺の顔見て納得しないで!?」


雛「ち、違います!違います!」


男「まあいいや…。で…何か食べたいのある?」


雛「なんでも良いですよ!」


男「ん?なんでもって言った?じゃあ…イナゴの佃煮」


雛「…!」


雛「な、ナンデモヨクナイデス!」


男「じゃあ、甘いの?しょっぱいの?」


雛「あ、甘いの!を!お願いします!」


男「おk…買ってくるわ」


雛「あ!お兄さん!お兄さん!」


男「ん…?」


雛「ぱ、パジャマのままですよ!?」


男「…まだ寝ぼけてるわ」


男「軽く顔洗ったら行って来る」


雛「はい!ありがとうございます!」


男「…ん」


その笑顔が本当に可愛い。

自分に娘が出来たら…的な感覚かな?

…ま、反抗期は来ないで欲しいなぁ。

つか、結婚とか1ミリも想定してないわ。

…俺は…俺は、もうちょっと、この関係のままで良いかな…?


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