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家出少女の帰る場所  作者: Dream Meter.inc「優」
3/16

嵐の夜-3-

{嵐の夜3}



…。


パタン…。


そっと閉める。

そっ閉。そっ閉じ…。

れれれれ…冷静になれ。

こここ、こんな俺にドストライクな女の子が俺の家に居る訳kkkkkkk!!


「ご、ごめんなさい!」


れれれれれれれれれれれ冷静になれよ俺。クールになれや。

そうだ、仕事で疲れてて見てはいけないものでも見てしまったんだ。

多分、そうだ!俺は疲れてる。

俺のタオルがあんなにも可愛い女の子に使われている訳が…。

と、見せかけて。


ガチャリ


男「…」


少女「…」


パタン


OKOK。

気のせいだ。俺、疲れてるのよ。

そうだ、飯も食ってないから、脳内物質が…こう、多分足りてないんだろうなぁ。

よし、今日は頭おかしいまま眠ろう。

そうだ。それが良い。


「あの…!あの!」


OKOK。

幻聴まで聞こえ始めた。


「私!その…!ど、泥棒さんとかじゃないんです!」


泥棒にまで、さん付けするなんてかわい…違う。

つーか完全に居るよ。現実見ろよ俺。

相手からしたら、二回もチラ見して閉めた変な人だよ。

…とりあえず、三度目の正直…。


ガチャリ


男「…」


やばい、言葉が出ない。


少女「ごめんなさい…!か、階段で滑って!…謝ろうと思って中を見て…!」


少女「~~~~…!」


少女「ごめんなさい!」


男「…」


ふと、あっけにとられてしまう。

なんだ、律儀な子じゃないか。

直角になるタイプのお辞儀と謝罪…。

…いや、良い子だな。(錯覚)


男「あ…」


言葉出ねー。

つーか、パンダがプリントされたTシャツくっそ可愛いな…。

いや…それよりもびしょ濡れじゃねーか…。

…。

…うん。

出てけとか言える訳がない。


男「…」


少女「ごめんさい…!ごめんなさい…!」


少女「け、けーさつだけは…!す、すぐに出てきますから…!!」


男「…!」


男「い、いや…」


男「…そ、その…」


男「…」


男「こ、この雨の中…来たの?」


少女「…」


少女「はい…」


男「…」


男「ふ、風呂」


少女「…?」


男「風呂、沸かすから…さ」


男「…入ってけよ」


男「…すごい、びしょ濡れだし…」


少女「い、いえ…!」


男「い、いいから…!」


男「警察とか、通報しないから!その…なんか、ほら…」


男「…雨が止むまで、居れば…?良いじゃん…」


少女「…え?」


男「いいよ!別に迷惑とかじゃねーから!」


男「居ればいーじゃん!」


少女「で、でも…」


男「あ、安心しろよ!?別に襲ったりとかしねーから!!ほんと!本当だから!」


男「か、代えのた、タオルだけ持ってくる!!」


ひえぇ~…。

女の子怖い…。


少女「あ、あの!」


アーアー…聞こえない。

逃げる。

そもそも追い出せる訳がない。

可哀想だろ!?こんな嵐ん中!?しかも幼女だぞ幼女!?すっげぇ幼女だぞ!?

なにがすっげぇって…ほら、アレだよ。

こう…なんつーか。

…すげぇドストライクな。


さて、ここぞとばかりにクローゼットを開ける。

This closet is 通称「魔窟」。

この中には、かつてのゴミだか使えるものだか分からんものが、瘴気を纏ってうようよしている。

奥から二番目。

粗品BOX。

粗品BOXとは、式だのなんだので貰った粗品が未開封のまま入ってる場所の事だ。

確か…。よし!あった!

未開封、ふっかふかタオル。

ククク…風呂上りのあったけぇ幼女を、これで拭いてやるぜぇ…!

と、ルンルン気分もそこそこに、風呂場に向かう。


コンコン


男「は、入ってもいいか?」


少女「は、はい!」


男「し、失礼…」


…服は脱いでなかった。

良かった。

…あれ、なんか哀しい気分にもなるなぁ…。

まあいいや。


男「…出たら、これ使って」


少女「わっ…!」


少女「わぁぁ…!」


う…。

ぱぁっ…とした笑顔が突き刺さる。

可愛いな。


少女「ほ…本当に良いんですか?」


男「ん…」


少女「…!」


少女「うっ…ぅぅぅ…!」


男「!?」


男「な、泣くな泣くな…!どうした…?ど、どっか痛いとか…か?」


少女「ご、ごめんなさい…!ごめんなさい!」


男「あ、謝らなくていいよ」


少女「…んっ…あ、ありがとうございます…!」


男「…!」


…いや、いやいやいやいやいや…。

可愛いなんてもんじゃない。

しかも、この可愛いってのが…。

母性?とかを感じる可愛い感じだ。


男「い、良いから」


男「ふ、風呂入って、雨、止んだら…な?」


少女「ありがとうございます…!」


男「…ん」


ギィ…


パタン


男「…あ!」


がちゃっ


男「ごめん。風呂、今お湯張るから」


少女「は、はい!」


男「ちょっと待って…」


カチン…


ポポポポポポポポポ…


男「…で、水入れて…で…火、点けて…」


ぼっ


男「よし」


男「じゃ、後は体とか洗ってる間にお湯になるから…」


少女「はい…」


男「じゃあね」


ギィ…


パタン


…。

どうにかなってしまいそうだ。

俺。

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