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家出少女の帰る場所  作者: Dream Meter.inc「優」
14/16

雛にっき!{中学3年生 冬と春編}

雛にっき!



-前雑談開始-


雛「…いやぁ、ここまで振り返ると色々あったね…!」


雛「恥ずかしくて色々と弾け飛びそうです!!」


優「うん。俺の方が被害こうむってるからね?」


雛「もー!!なんで色々ここまで書いちゃうのー!?」


優「えええええ!?雛が書きなさいって言うから書いてるんだけど!?」


雛「それにしても恥ずかしいよ!!」


雛「雛が前まで色々Hだったりしたのも、大体優君がそういう本置いていたからだよ!?」


優「責任転嫁しないで!?雛の中二病を転嫁しないで!?」


雛「誰が中二病じゃー!こらー!」


優「ぐふっ…!」


雛「おー!こらー!いちゃいちゃするぞー!」


雛「仕事行く暇も無くすほどにイチャイチャするぞー!」


優「…じゃあ、恥ずかしくない話なら良いんだろ?」


雛「勿論!」


優「…まぁ、中三…って言ったら、もうアレしかないじゃんか」


雛「え?初めてって中三だっけ…?」


優「おおい!?雛!?急に淫乱だった時に戻るのはやめようか!!」


雛「イチャイチャとしたロマンスは、Hな事無しに語れませんよ!」


優「…ああ、雛の育て方をどこで間違ったのか…!」


雛「強いて言うなら、優君の家に来たタイミングでコミックLOがあった事が間違いかな…」


優「…」


雛「…あれ?」


優「いや、ぐぅの音もでねぇわ…」


雛「ふふん…!大勝利!」


優「ああ…。きっと俺も読者も、もっともっと純粋に育ってる事を期待してただろうに…」


雛「…純粋だよ!」


優「純粋なサキュバスですね、分かります」


雛「誰がサキュバスじゃー!?」


優「まあ、とりあえずだな…?中三で恥ずかしくないのは受験ぐらいだろ?」


雛「…あー!」


優「…それ書こうか」


雛「えへへ…♪楽しみにしてる♪」


-前雑談終了-




{中学3年生 冬と春編}



二月中旬。

…クッソ寒い…!!!

大雪。近年稀に見るレベルの大雪。

電車が完全に動かなかった影響で、ビジホ一泊朝帰り…。


氷点下の明け方。

朝の九時になってるはずなのに、未だ氷点下。

そんな中を進んでいた電車は不幸にも二駅前で運転見合わせをしてしまった…。

結局、足で帰る。

数kmもおまけで歩かされたので、心の芯まで氷点下。

コートを濡らしてようやく家に到着だ。

…。


あぁ^~…やっぱ、おこた様最強説…!心と体を癒してくれる!


優「…さっびいぃぃぃぃぃぃ…!」


優「あぁ…!あっ…!…んっ…!」


優「…あったけぇ…」


雛「zzz…」


優「…」


と、コタツで蕩けた表情のまま眠る幼女一人。

幼女…と言うとアウトかも知れないが安心してほしい。中学生3年生の終わり際だ。

もうちょい語るのならば…身長143cm、胸もぺったんこ、と小学生の終わりから全く成長していないと言う嬉しい状態の女の子…。

これでも5年近く前に、将来を誓った相手だ。

名前を「雛」。


さて、中3で朝9時だと言うのに、何故眠りこけているのだろうか?

答えは簡単。雪のせいで休校なのさ!!

…なんて羨ましい…!

そして、目覚まし時計に縛られない熟睡から、めっちゃくちゃ蕩け顔ですやすやと…マジ可愛い。

さて、そんな雛ちゃんを起こさないようにコタツで足をそぉ…と…


雛「zzz…」


雛「…んにぃ…」


優「あ…」


雛「おー…?おにーちゃん…おはよー」


優「おはよー」


雛「…電車、だいじょぶだった?」


優「がっつり止まってたよ…。ビジネスホテルで一泊さ」


雛「お疲れさまー…!今、朝ごはん作るねー…!」


優「ありがとー。でも今日は同僚と食っちゃったからねー。いいよいいよ。寝てな」


優「いや、だから寝てて良いよ。うん。お腹いっぱいだから。うん。寝てな寝てな。眠いでしょ?」


優「うん。ありがとね!うん!やっぱりお腹すいたなー!!是非とも作って欲しいな!?お願い!そんな目で見ないで!?」


眠り眼を擦りながら、雛は台所へと向かった。

俺は朝飯何かな…とか、やっぱり可愛いなぁ…なんて思いつつ脱衣所へ。

パンツまで濡れきってて、本当に辛かった…。



朝食を食い終わり、さすらうように暇な時間が来た。

雛はいそいそと、俺の前で勉強をはじめ…るわけも無く、思いっきりゲームし始めた。


優「…雛ー」


雛「なにー?お兄ちゃん!」


優「…なんのゲームやってるん?」


雛「追い出せ!動物の村!」


優「ほー…面白い?」


雛「面白いよー!」


優「それは良か…じゃなくて、勉強とかせんでいーの?」


雛「えー!?」


あれ?そんなに驚く話なのか…?

あれ?でも一月末の推薦落ちてなかったっけ…?

え?じゃあ雛が狙ってた高校の受験日は…?


優「あれ!?もう受験終わったの!?」


雛「まだです!」どやっ


優「まだかよ!?」


雛「ふっふっふ…!受験日は2月の末なのですよ」


優「…あれ?勉強しないの?」


雛「…雛は一つの衝撃的な事を思いついてしまったのです…」


優「衝撃的な事?」


雛が体を起こす。

寝癖めっさ可愛い。


雛「…まず、お兄ちゃんはロリコンさんですね?」


優「ぶっは!?」


雛「ですね!?ですよね!?そうですよね!?」


優「今関係ないよね!?」


雛「お答えください!」


優「…」


雛「大丈夫!ドン引きしません!」


優「…そうです。ロリコンです」



雛「そうですね!だからこそ雛を誘拐した訳です…」


優「…え?何この罰ゲーム」


雛「まあまあ、続きを…。例えばの話ですが、お兄ちゃんは今の雛の体格を見てどう思いますか?」



優「…え?録音されてたりしないよね?」


雛「それは大丈夫!」


優「…え?ぶっちゃけた方がいいの?マジでドン引きするよ?」


雛「…お願いします」


…。

正直に言おう。

この胸に秘めた思いを…!


優「可愛い。そそる。愛したい。至高。尊い。くんかくんかしたい。眺めたい。触りたい。揉みたい。舐めたい。抱きしめたい。保存したい。入籍したい。後ろからぎゅーぎゅーしたい」


雛「うん。ちょっとやめよ!?ごめんね!雛が悪かったです!」


優「なんだ、まだ-序 章-Prelude-だぞ」


雛「充分に分かったよ!うん!ちょっと予想を超えてたから大丈夫だよ!」


雛「はい!さっきの言葉にもありました「入籍したい」!!これですよ!これ!」


優「…はっ!?」


まさか…!まさかコイツ…!

なんて事を考え付いたんだ…!?


雛は立ち上がって、凄まじく嬉しそうな顔をしながら言う。


雛「お兄さん。どうですか?雛を適当な学校に入れて、すくーる☆らいふを満喫させるのも良いとは思いますが…!」


雛「無事に今年16歳を迎える雛を…!このままお嫁にしませんか!?」


優「なん…だと…!?」


雛「毎日、膝枕してあげますよ!!」


優「うっ…!」


すげぇ餌だ…!釣られそうだ!!


雛「毎日、頭撫で放題ですよ!」


優「うっ…!」


これもヤヴァイ撒餌だ…!!


雛「毎日、仕事から帰ってきてすんごい疲れたお兄さんの肩をもみもみしてあげながら「お疲れ様…♪あ・な・た♪」とか言いますよ!!」


優「あああああああああああああああああ!!!!」


…アカン。


雛「墜ちたな(確信)」


優「ぐっ…!ぐっ…!」


雛「それとも…「パ・パ♪」とかの方が良いですか!?」


優「( ゜д゜)…」


雛「…遠い目してる」


優「…マジで?」


雛「マジだよ!!」


優「そ、そんな嬉しい事してくれんの…?」


雛「うん!!」


優「…」


思考を巡らせる。

確かに、それでええやん。

めっさええやん。すんごいええやん…。


だが…!だが!!!


優「却下!!!!」


雛「えーーーーーー!?」


俺は血の涙を流していた。

何か、とても大事なポリシーみたいな、と言うか、自分の性欲を思いっきり裏切った気がする。


だが、これはきっぱりと言わなければだめだ!!


優「確かに、俺にとってめちゃくちゃ好条件で、ドッキリ大成功なんて札を持った奴が出てきてもおかしくないような状況だ!!だがな…!だが…!」


優「このクッソシビアな社会を生き抜くには…!せめても高卒は必要だぞ!雛!」


雛「…」


優「…あのな?結婚が嫌とかじゃなくて、普通に高校行ってりゃ、一生の友達だって出来たりするんだし…」


雛「…」ちらっちらっ


優「ぜ…絶対に楽しい生活になるだろうし…」


雛「…」うるうる


くっそ…!涙目上目使い攻撃は卑怯だろ…!


優「と…とりあえず、バカ学校でもなんでも良いから…」


雛「…高校で彼氏がデキマシター(棒)」


優「ぐあぁ!?」


雛「…カッコいい彼氏デスー。あー、卒業したら結婚しかナイデスネー(棒)」


優「はうぅ!?」


雛「…ニヤリ」


優「…やっぱ受験やめよ?」


雛「やった!折れた!お兄さんが折れた!」


駄目だよ。俺めっさ心弱いもん。

そう言うの、めっちゃ弱いもん。


でも…。


雛「えへへ~///じゃあ、これですぐにお嫁さんだー!」


優「…」


この嬉しそうな、そして無垢な笑顔を見るたびに思ってしまう。


雛「お嫁さんだー!お嫁さん~♪」


優「…」


この笑顔が…無くなってしまうんじゃないかって…不安になるんだ。


雛「ぎゅ~!」


優「…」


優「なあ、雛?」


雛「なーに?お兄さん!」


優「…例えば、俺が若くして死んだらどうするんだ…?」


雛「…」


雛「…え」


優「…一生。俺はお前を幸せにする覚悟…そして、その為の金は用意出来る自信はあるさ…」


優「ただ…俺が死んだら…その後はどうするんだ…?」


雛「…お、お兄さんが死んだりとか…ないよ…多分…」


優「…5年前まで、毎日カップ麺。今は雛が健康を作ってくれてる。…ただ、何かの要因で、そういう不摂生な生活に戻ったら…」


雛「…」


優「…俺ももうすぐ三十路…。次は無いんだ…」


雛「…ならないよ…そんなの…」


優「本当に…?…雛と俺は、互いに好き合って…いつまでも…一生幸せに…ってなる…?」


雛「…そうなるよ…きっと…」


優「…俺は、そうなる努力をするよ。いつまでもいつまでも、雛を好きでいる…」


雛「なら…」


優「…でも…努力だけでなんとかならない事もある…」


優「…これは別に言って無かったんだけどさ…。一月前、同僚が交通事故で死んだんだ…」


雛「…」


優「な?…言いたい事、分かるか?」


雛「…」


雛「分かりたくない…」


優「…分かってくれよ…。人間なんて、どんな風に…そして、どうやって死ぬのか分からないって事さ…」


優「不摂生な生活でも死ぬし、交通事故でも死ぬ…。そんなの、よくある事だ…」


雛「…」


優「…じゃあもし、俺が居なくなったら…雛はどうやって生きていくんだ…?」


雛「それは…」


優「…今結婚したとして…すぐに俺が死んじゃったら…雛はどうやって生きていくんだ…?」


雛「…」


優「…学校ってのは、いざ、社会に出ないといけない時に、どうやって生き抜いていくのか教えてくれる場所なんだ…」


優「…学力だとか、頭良いとか、そんなのはどうでも良い…。ただ、俺は雛が一人になっても、ずっと幸せな人生を送れるように、サポートする義務がある…!」


優「また、5年前みたいに…。一人で繁華街でお父さんを探すなんてのは…嫌だろ?」


雛「…うん」


優「…だから、俺は雛に勉強して欲しい。雛に、高校へ行って欲しい。雛に、一生の友達を沢山作って欲しい…」


雛「…うん」


優「…分かってくれた?」


雛「…うん」


…。

雛が俺の顔を見てなかったのは幸いだ。

何故なら、めっちゃくちゃ血の涙を流しつつ、思いっきり唇を噛んでるからだ!!!

畜生!!こんなクッソ可愛い従順ロリとか嫁にしたいに決まってんだろ!?!?

なんか適当に口から出まかせ言って納得させたけど、本当はこのまま結婚したいわ!!!

あ、同僚は元気に社畜してます。


…もう一度言おう。

雛が俺の顔を見てなかったのは幸いだ。


雛「…」


優「ほら、俺も勉強見てやるからさ…」


雛「…がんばる」


優「…なんか…ごめんな?」


雛「ううん…お兄さんは正しいよ…。雛の幸せを考えてくれてるって…分かったから」


…空気が重くなってしまった。

柄にもなく、かなり真面目なでまかs…話をしたからだろう…。

…ただ、雛にやる気を出して欲しいのも事実…。


…よし。一か八か!


優「雛」


雛「なに?」


優「もしも高校卒業出来たらご褒美をあげよう」


雛「?」


優「めっちゃ豪華な指輪とウェディングドレスと、世界一周ハネムーンを約束しよう」


雛「ええええええええええええええ!?!?」


優「約束する」


雛「は、破格!!」


優「逆に高校受からなかったり、卒業出来なかったら一生の恋人な」


雛「地味に素敵!!」


優「普通に高校受かって普通に卒業するだけ!!さあ雛!どうする!?」


雛「Xのn乗+Yのn乗=Zのn乗にならない証明は…」


優「取り掛かるの早くていいね!ただ、それは専門の人に任せよう!!」


雛「Ψ(…,x」


優「うん。雛は確か「やるなら生物!」って言ってたよね!それは物理だ!!」


雛「私がウスウスと眼を覚ました時…」


優「ドグラマグラの作者の気持ちなんて考えなくていいよ!!」


…と、こんな調子で雛は、全力で勉強に取り組み始めたのだった…。



三月の頭。

穏やかで、ほのかに暖かい風が吹く日。

桜の木もちらほらと桃色のつぼみを付け…今、まさに春になろうとしている。


そんなつぼみと同じように縮こまり、俺と雛はソファにかけていた。

今日は合格発表の日…家を出るまで15分前後。

雛は緊張からか、俺の腕にべったりと絡みついたままでいる。


雛「…」


優「…」


二人で手を握り合い、腕を組み…。また、肩も寄せあい…。

ただただ、雛が出発するまでの時間を待っている。


雛「…ねえお兄ちゃん」


優「んー?」


雛「…雛、きんちょーしてる…」


優「んー」


雛「…」


優「受かってる受かってる。大丈夫だよ…」


雛「…分かんないじゃん…」


優「分かる分かる」


雛「なんで?」


優「雛、頑張ってたから」


雛「…」


雛はあの日以来、学年ビリだった偏差値を30も上げて東大を狙う…なんて勢いで勉強に勉強を重ねた。

…まあ、勿論それは勢いだけで、元から上の中ぐらいの成績は確保出来てた雛なんだ。受かってない訳がない。

ただ…想定よりも、半月近く前の俺の言葉がのしかかっているようだ…。


雛「…ねぇ。お兄ちゃん」


優「うん…」


雛「…雛…雛、頑張ったよね…?」


優「そりゃあもう!」


雛「受かってるよね…!きっと…!」


優「受かってるよ…きっと」


雛「…大丈夫だよね?」


優「大丈夫大丈夫…」


雛「(´・ω・`)…」


優「…きゃわわ」


雛「…(´・ω・`)永遠の恋人って…」


優「…」


雛「…(´・ω・`)高校卒業しないと結婚しないって…」


優「…」


雛「…(´;ω;`)どうしよ…受かってなかったら…」


…アカン。罪悪感。

ちなみに、皆さまだけにはお伝えするが、半月前の永遠の恋人~…の辺りの言葉は、

ただ単に雛のやる気スイッチを入れる為の物であって、決して真の言葉では無い。

むしろ、ロリコンの俺はすぐにでも役所に向かって一枚の紙を貰って来たい勢いなのだ。

つまり、もしも受かって無かった場合は…。


優「速攻結婚するに決まってんだろ」


雛「…(´;ω;`)?」


優「もしも受かってなかったら速攻嫁に来い」


雛「…?」


雛はよく理解できてないようだ。

…最初は自分から言い出した言葉だってのに…。


そして、理解すると同時…。


雛「…」


雛「!?!?」


飛び上がって受験票を両手で持った!!


優「待て待て待て!!受験番号破ろうとすんな!!不正は審査対象外だ!!」


雛「え!?なんで!?永遠の恋人じゃないの!?」


優「いやいや、雛も自分で言ってたじゃんか?お兄ちゃんはロリコンだって」


雛「じゃあ結婚しようよ!!」


優「いやいや…せっかくやる気出して受験したんだから…」


雛「え!?じゃあ雛の事を騙してエサで釣った挙句に結局結婚しようって考えてたって事!?」


優「大体合ってるけど…なんか釈然としない言い回しだな…!?」


雛「…つまり」


優「えと…大丈夫だよ。落ちても…」


優「ほら、この間のでまかs…違う違う。えっと…ほら、俺が居なくなってもって話」


雛「うん…」


優「…お前残して死ねる訳ないだろ…?お前が先に死ぬまで一緒に居てやるわ」


雛「…!」


優「…なんかすんごい恥ずかしいセリフばっかだけど…。うん。5年前に言った通り、一生養ってやるよ」


雛「…ほんと?」


優「ほんと」


雛「嘘じゃない?」


優「嘘じゃない」


雛「嘘だったらパソコン漁るけど良い…!?」


優「…」


…それはちょっとアカン。


雛「そこはうんって言おうよー!?」


優「う…うん。先に綺麗にしておく」


雛「駄目!それは卑怯!」


優「卑怯って…」


雛「…」


優「…な?」


雛「…ちょっと、そこ座って下さい」


優「…」


さっきのソファに、もう一度腰かける。

10分前と同じように、雛はもう一度腕にしがみついてきた。


雛「…」


優「…?」


雛「…ほんとに」


優「?」


ぶわっ!!


雛「ほんとに怖かったあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」


優「!?!?!?」


まさかのガン泣き。


優「ひ、雛!?ごめんね!?本当にごめんね!?」


雛「ひなっ…!ぐすっ!雛!け、結婚出来ないって!!思っでえ゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛…!」


優「本当にごめんね!?やる気出ればいいなって思ってやらかした!!本当にごめん!!」


雛「う゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」ぼろぼろ


優「ごめんごめんごめん!!」


ぎゅっ!!

っと、雛を全力で抱きしめ、同時に頭よしよししまくる俺。

ちょっと色々と想定外すぎた!!


雛「ぐすっ…!うぐっ…!」


優「大丈夫だから!雛を幸せにする約束なんだから!!」


優「大好きだから!ほら!雛!結婚は目前だ!!」


優「だから受験票破くのは反則だ!それは駄目!!」


雛「…ぐすっ…」


雛「ばかぁ…」


優「…本当にごめん」


雛「ひぐっ…!許さない…!」ゴゴゴゴゴ!!


優「ほ、本当にごめん…」


雛「…正座!!」


優「せ、正座?」


雛「座りなさい!!」


優「…」


言われるがままに、地べたへと正座する俺…。

雛は…立ち上がると、思いっきり右手を振りかぶって力を込め始めた!!


雛「こおぉぉぉぉぉおお!!」


優「それ絶対痛い奴だ!痛い奴!!」


雛「ほら、目を瞑った方が良いですよ…!」


優「なにそれこわい!」


雛「目に指が入って、その地味な痛みから「あっ…」「あっ…ごめん…」みたいな変な空気を作りたくないのならば、目を瞑った方が良いですよ!!」


優「ほっぺの時点で完全にそういう空気になっから!!」


雛「だまらっしゃい!はい!1-!2-!」


優「わわわわ!!!」


ぐっ!!

絶対痛い奴だ…!完全に2ゲージ消費する技だ!!

これ、想像以上に怖いいいいいい!!!


優「!?」


…。

俺は、頬への凄まじい衝撃を予感していた。

最悪、後ろに弾け飛ぶ勢いすら予想していた…。


だが、その掌底の奥底に隠された本当の攻撃は…


…ちゅっ


雛「…♪」


愛らしい、唇への、小さく柔らかい攻撃だった。


優「…え?」


雛「…お兄さんがやったのは、これと同じ事ですよ?」


雛「何が起こるか分からなくて、本当に怖い時間を過ごさせて…。そして、直前で蜜をあげるような事です」


優「…」


雛「良いですか?雛は、お兄さんが大好きです。それは心の底から揺らぎません!」


雛「今すぐ結婚しよう!なんて言われたら、色々とはっちゃけそうになりますよ!」


雛「ひゃっはー!ってなります!」


雛「蜜にしては甘っ々でとっても嬉しいです!!」


優「…」


雛「でも!今回の事は、ほんとーーーーーーーーー!!に怖かったので!これでおあいこです!分かりましたか?」


雛はニヤリあくどく笑い、もう一度顔を近づけてきた。

今度は…。

今度は、さっきみたいな泣き顔や、怒りに我を忘れた顔じゃなく…。


雛「お兄さん♪」


満面の笑みだった。


優「…」


優「ごめんな?んで、ありがと」


雛「どーいたしまして!」


優「じゃあ、もうそろそろ良い時間だぞ?」


雛「よし!お兄ちゃん!一緒に行きましょう!落ちてる所、二人で確認しましょう!」


優「落ちてる事前提ってのは嫌だなぁ…」


雛「ほーら♪はっやくー♪はっやくー♪」


優「はいはい…」


俺はゆっくりと椅子から立ち上がり、部屋を見渡す。


雛「元栓よーし!」


そして、相変わらず雛を見つめてしまう。


雛「お財布よーし!鍵よーし!」


この、中学生の服装も、もう終わる寸前なんだ…としんみりしてしまう。


雛「…よし!」


雛…。高校生になったら、一体どう変わるんだろうか。


雛「さあ!行きましょう!!」


今から俺は、それが楽しみで仕方がない。



…。

…。

…。



優「じゃあ、約束事を確認するよ」


雛「はい!」


優「一つ。雛が卒業出来たら…俺は雛と結婚するぜ!!」


雛「やったー!!!」


優「一つ。それまで浮気とか一切しません!」


雛「したらおこですよ!」


優「一つ。雛が卒業するまでは、雛の保護者として見守る事を誓います!」


雛「…じゃあ、お兄ちゃんって呼ばなきゃね?」


優「そこは中学ん時から変わらんな~」


優「ラスト!!」


優「…たとえ、盛大な結婚式が出来なかったとしても…」


優「豪華なドレスは、着せてあげること…」


雛「…うん♪」


優「…以上!」


雛「はい!」


優「じゃあ雛。これから三年間…頑張れ!」


雛「頑張る!」


優「なるべく身長小さいままで、胸も小さいままでいてくれ!!」


雛「それは出来るか分からない!」


優「大丈夫、毎日上からプレスしてやろう」


雛「なんだか怖いよ!?それ!?」


優「…まあとにかく…だ」


雛「…」


優「ちゃちゃっと卒業して、俺んとこ来い」


雛「うん!」


優「ゆっくり待つから」


雛「ちなみに、中退した場合もお嫁さんになれるよね!?」


優「ゆっくり待つって言ってんだけど!?」


雛「ね!ね!なれるよね!」


優「いやいや…中退になる要素無いだろ…」


雛「…不純異性行為」


優「誰と!?」


雛「…ジー」


優「Never!!(永遠にありえない)」


雛「永遠に!?」


優「卒業するまで待つから…(震え声)」


雛「ま…待てそうにないけど大丈夫…?」


優「なんとかする」


雛「…いや、ここで手を出して寿退学と言うのは…」


優「それはアカン!世間体がアカン!」


雛「もー…これも駄目、あれも駄目なんて…」


優「常識ですよ常識・・・」


雛「…良いんだね?本当に?雛が急に身長180cmのEカップとかになっても良いんだね!?」


優「…揺らぐ!」


雛「…にやり…」


優「なんて悪い顔じゃ…!」


雛「…雛はいつでも良いからね♪」


優「うっ…!」


雛「じゃあ、高校卒業するまで…♪よろしくお願いします!」


優「…頑張る(震え声)」


雛「じゃあ!行って来まーす!」


優「…いってらっしゃい。すぐに向かうよ」


雛「うん!」


…。

…。

…。

桜が満開の日。

ついに雛は高校生になった。


これから三年間。きっと素敵な生活が待ってるだろう。

雛…。


おめでとう。


{中学3年生 冬と春編 完}



~後雑談開始~


…今回も、書きあがったタイミングで雛に読ませてみた。


雛「えへへ…///えへへへへへ~♪」


優「なにその笑いかたうわこわい」


雛「いいですなぁ~!甘ッ々ですなぁ~!」


優「言うな恥い」


雛「えへへ~…♪あれから三年経っちゃったんだねぇ~♪」


優「経っちゃったねぇ…」マジマジ…


雛「…なんでおっぱい見てるんです!?」


優「…若干成長しおって…」


雛「するよ!第二次成長だよ!しなかったら逆に怖いよ!」


優「まあ、身長180のEカップにはならなくて良かったよ…」


雛「…Eカップには程遠い…!」


優「AAAがAになっただけだもんな痛い!!痛い!叩くの無し!!」


雛「こここ…!この歳になったから思うけど!?そう言うの失礼だからね!?」


優「そこに惚れたんだから良いだろうが!!!」


雛「なっ!?なんですか!?優君は雛の貧乳に惚れたって事ですか!?ロリならだれでも転がり込ませて養って結婚するって事ですか!?」


雛「このロリコンが!!」


優「ちげぇよ!?確かにロリは性癖として20万文字は語れるレベルに好きだけどさ!?クソガキが転がり込んで来たら速攻警察呼ぶわ!!」


雛「雛も十分にクソガキだったじゃないですか!?勝手にタオル使ったり魔窟掃除したり!!」


優「ちげぇよ!?お前は十分すぎるレヴェルに性格も可愛いんだよ!?」


優「100人中90人は惚れるようなレベルに可愛い上にロリとかいうドストライクだから結婚したんだよ!!」


優「俺以外の奴でも、8年待つレベルに可愛いんだよ!!」


優「そこをお前から8年も待ってくれるとか言い出す程好かれて死ぬほど幸せなんだよ!!」


優「俺からしたら本来一生手の届かない高嶺の花なお前が大好きなんだよ!!」


優「なんで再告白してんのか理解に苦しむけど、誰でも良いとかじゃなくてお前の見た目と性格を愛してんだコンチクショウ!!」


雛「…」


雛「…(*´Д`*)」


優「…耳まで熱くなってんだけど俺」


雛「…えへへ♪幸せ♪」


優「…ん」


雛「良いですねぇ~…!キュンキュン来ますねぇ~…!」


優「…///」


雛「…今の、絶対小説サイト載っけてね!!」


優「やだよ!?なんでそんなセルフ罰ゲームしなきゃいけないんだよ!?」


雛「後で雛が印刷してじっくり読むからですよ!?」


優「さらに罰ゲーム加わってんじゃねえか!?やだよ!?」


雛「今更何を恥ずかしがってるんですか!?「雛にっき!えくすたしー!」とか書かせますよ!?」


優「なにそれこわい!!」


雛「むしろ雛が書きますよ!?」


優「それもこわい!!」


雛「何が怖いんですか!?」


優「俺が○漏だとか色々書かれたら怖いだろ!?」


雛「か、書きませんよそんな事!?」


優「とにかく駄目!!」


雛「…あ!」


雛「雛で!非難あびて!事案!恐れん!!」どやぁ!


優「韻を踏んでんじゃねえよ!上手くねえよ!!」


雛「とにかく!!さっきの再告白は鬼気迫るかっこよさがありました!!」


雛「本来録音したいレベルのものなんです!!」


雛「小説化を希望します!!!」


優「お前の方が鬼気迫るレベルなんだけど!?」


雛「がおーーーー!!書けーーーーー!!」


優「鬼じゃなくてクッソ可愛い獣!うっ!?ぐえぇ!?」


ドサドサッ…。


雛「…ふふふ!どうだー!?観念したかー!?」


優「…」


雛「…な、なんで黙るの…?」


優「…顔、近い」


雛「…」


雛「優君」


優「…なんだ?」


雛「…さっきの、もう一回言って?」


優「…どれ?」


雛「お前の見た目と性格を…?」


優「…///」


雛「ほーら…優君?」


優「あ…愛してる」


雛「…」


雛「…ちょっとよく聞こえない」


優「…なんで?」


雛「…き、聞こえないから…」


雛「…も、もう一度…耳元で言…い///」


優「…///」


優「…愛してる」


雛「~~~~~…!」


雛「…///」


雛「ひ…雛もね…?」


雛「…優君、愛してるよ…」


優「…」


雛「…」


雛「ちゅーしていい…?」


優「…ん」



…。

…。

…。

この後、雛にっき!えくすたしー…でしか書けない状況と相成ったので、ここから先は割愛しよう。

一応注意なのだが、この雑談の時点で雛は18歳を迎えているので、事案の提出は避けて頂きたい。


ちなみに、この文章を書いているのは、上記の次の日の朝であり、上の階の友人から「もう少し声抑えて…聞こえてるからさ…」なんて言われた事も察して頂ければうれしい。


-後雑談終了-


{雛にっき!}


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