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豚公爵と猛毒姫  作者: NiO
魔族侵攻編
96/205

第95毒 猛毒姫、浮く

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 ブクマ&ポイント、有難う御座います!

 これ、連日更新終わったとたんに落ちるパターンや……(戦々恐々)


NiO「余力を残して戦うのは、死にゆく者に対して失礼だったな」

NiO「だが私が本気を出した以上……」




NiO「なろう界は今日滅亡(・・・・・・・・・)する(・・)!!」

******************


 前回までのあらすじ


 そんな餌で俺様が釣られクマ―


******************


 今日も掘立小屋で魔法の練習じゃ。

 この間やっと補助四源の無詠唱にも成功し、今は各種魔法の調整を行っておる。

 夕方になると、タクミが帰ってきた。


「今日はでっかい魚が釣れたぞ、この辺りの沼の主だ!

 ガハハハ!」


 お爺ちゃんは自分と同じくらいの大きさの魚を見せびらかしてきた。

 魚は背鰭まで裂けた巨大な口に、無数の乱喰歯を持っており、胸鰭と腹鰭は一部手足に進化しておった。


『イ……イッソ……コロセ……!!』


 喋っておる。


 私の感性では、これを魚とは呼ばぬ。


「……釣ったとな?

 その割には体中がびしょ濡れじゃあないか」


「うむ、釣竿に魚がかかった時点で、当たりを付けて沼に飛び込んだのだ。

 後はいつもの様に、タイマンの素手喧嘩(ステゴロ)よ、ガハハハ!!」


 沼に飛び込んで、1対1(たいまん)素手喧嘩(すてごろ)

 私の感性では、それを釣りとは呼ばぬ。


 流石は狂戦士(ぱーさーかー)の国出身じゃ。


 タクミが魚をさばき始めたので、此方も水を沸かしたりと手伝いをする。


「それにしてもタクミよ、お前、武国の3本矢じゃろう。

 こんなところで油を売ってても良いのか?」


 出来上がった魚?の煮物を食べながら、私は疑問に思っていた事を呟いた。


「大丈夫だ、問題ない。

 儂が必要という事は、それは武国存亡の危機というヤツだからな。

 そうならんことを祈っているよ、ガハハハ!!」


 相変わらず大声で笑っておる。


 確かにタクミの年齢を考えると、いつまでも頼っているわけにはいかぬじゃろう。

 何かあった時のための切り札として存在しつつも、国の運営は若い者に任せている、と言ったところなのじゃろう。

 美味しいのう、格好良いじゃあないか。


「儂からも、質問があるんだがなあ」


「なんじゃ?」


 私は沼の主の淡泊な白身をほふほふと頬張りながら応える。


「お嬢ちゃん……お前、何者だ?」


「……はて」


 質問の意味が分からぬが。


「今までお嬢ちゃんの魔法練習を見ていたが……お前の努力は異常だぞ(・・・・・・・・・・)

 人間の限界を超えている」


 ……食事と便所以外ずっと魔法の練習をしているだけなのじゃが。


「超えておらんよ。

 誰だって出来る事じゃ。

 やらんだけ、やらんだけ」


 私は、そんな事かと食事を再開する。


「勿論、大量の魔力を秘めていて。

 それに恥じない様に日々邁進していると言うのなら、まだ理解出来る。

 お嬢ちゃんは、魔力量10だろ?

 何故そこまでの努力が出来る!?」


「お主には、分からぬよ」


「ぬ?」


 全く、むかつく奴じゃ。


「どうせお主には元々才能があったんじゃろう。

 技のタクミなどと言っておるが、力の分野でも一級品じゃあないか。

 大方、後進に道を譲ったってとこじゃろ?」


「ぬ」


「自分の才能のある分野を伸ばしてきて、それを努力と呼んでおったのじゃろう?


 お主には分かるまい、無駄な努力、報われぬ努力を」


「ぬ、ぬ、ぬ……」


 タクミは呻いて、言葉を失っておる。


「……そして知りもしないはずじゃ」


 私は口の中から魚?の骨を取り出す。

 む……魚?の手じゃった。


「無駄な努力は無駄では無く、報われぬ努力は報われるという事に」


「……はぁ?」


 絶望的な才能の差。

 それを才能と言って逃げる事は容易い。

 しかし、そうせぬ者達がおる。

 馬鹿みたいな努力の末に、偉業は成し遂げられる。


 1962年、日本は身体(ふぃじかる)(もろ)に出る排球(ばれーぼーる)で優勝した。

 回転れしーぶや変化球さーぶの発見が大きかったのじゃろう。

 現在日本でも、『難波走法』で100m走にて海外勢と渡り合う日本人がおる。

 そう、人間って、意外と努力と根性で何とかなるのじゃ。


 私は立ち上がり、とことこと魔石の積み上げられた一画へ移動すると。

 その上に、(おもむろ)に寝転がる。


「お主には分からぬか。

 無理は無理でなく(・・・・・・・・)

 無茶は無茶でなく(・・・・・・・・)


 そして、無駄は無駄ではない(・・・・・・・・・)。」


 私は空魔法を唱える。

 屑魔石の魔力を用いて、掘立小屋ごと浮き上がらせてみた。


「は、は?



 ……はああああああ!?」


 夜の空に浮かぶ小屋。

 タクミは窓の外を見て驚きの声を上げておる。


「……こ……これを……嬢ちゃんが!?」


 遠く目を凝らせば武国の地が見えるかもしれんのう。

 私は呵呵大笑しながら上半身を起き上がらせ、タクミに声を掛けた。


「一念、岩をも通す、と言う奴じゃよ。


 ……さて。

 魔力10の私が(・・・・・・)なんじゃって(・・・・・・)?」



####################################


 今日も今日とて掘立小屋に向かうと。

 ……タクミが小屋の外で腹筋をしておった。


「……なんじゃお主、腹筋などと……」


 今まで見たことのない風景じゃ。


「おお、お嬢ちゃん……なあに、ちょっと努力してみたくなってな」


「ふーん。 良いんじゃあないか」


 私は特に興味もないので小屋の中に入ろうとする。


「……ドラゴンを、倒したい」


 ぼそり、と。

 タクミが呟いた。


「……そうか」


龍殺し(ドラゴン・キラー)御伽噺(おとぎばなし)の夢物語だと思っていた。

 ……昨日まではな」


「成程、私が大魔法使いになるのと、どっちが早いか競争じゃのう」


 難易度は変わらぬ。

 どっちも、地獄(へる)もーどじゃ。

 私が呵呵大笑すると、タクミも、がはははと笑った。


「……ところでタクミよ。


小屋の隣にわいばーんが繋がれておるのは何故じゃ?」


「ああ、あれはこの辺りの空の主よ。

 龍退治に必要だからな、タイマンで素手喧嘩(ステゴロ)よ。

 今日から飼う事にした」


 タクミががははと笑う。

 何だかトキシン領、この辺りの陸海空の主を全部やられておるんじゃが。


 良いんじゃろうか。

どこかでやりたかった受験生応援回。


努力は実るって偉い人が言ってた。

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