第92毒 猛毒姫、アサヒる
pv14000突破! pv15000突破!
ブックマーク160突破!ブックマーク170突破!
そして……日間150位!(まじか)
俺だけ帰◯る異世界転移とか
異世界で奴隷◯ーレムをとか
そうそうたるメンツと同じ票数だ!
……うん、日間だけでだし、今後2度と無いよ。
そろそろポイントの伸びが鈍くなってきた……。
お祭り騒ぎが、そろそろ終わる……私は満足です。
ブクマ頂いた皆様、ポイント下さった皆様、本当に有難う御座います!
あ、今日はちょっと下ネタ回です、嫌な方はブラバ下さい。
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前回までのあらすじ
ぶよぶよの脂肪が帰ってきたッ!
どこへ行っていたんだッ 屑人間ッッ!
私たちは貴方を待っていたッッッ!
テトロド・トキシン侯爵の登場だ――――――――ッ!!
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と言う訳でトキシン侯爵久々の登場じゃ。
「セーサンカリ」
「……」
「おい、セーサンカリ」
「……?」
侯爵が私に向かって良く分からない事を言っておる。
とうとう呆けちゃったんじゃろうか。
きょろきょろ辺りを見渡していると。
「お前だ、セーサンカリ・トキシン!!」
トキシン侯爵は机に拳骨を落とした。
「え? あ、はい」
あ、そうじゃった。
トキシン侯爵の中では、私はセーサンカリ・トキシンじゃ。
呆けておった。
「お前は我々の家族では無い。
何故此処に座っている。
後ろのメイド達と一緒に、立っていろ!」
長女が「しまった」という顔をして、私にぺこりと頭を下げた。
彼女は私が妹であることを知っておったのじゃろう。
その上で私をこの席に座らせたのであろうが。
結果トキシン侯爵を怒らせてしまったので、私に対して詫びておる。
トキシン家にはもったいないほど優しい女性じゃのう。
なんだかお姉さんみたい。
お姉さんじゃった。
まあ、言われたからには仕方がないので席を立ち。
とことこと壁際のハンドの隣に立つ。
「今日は、お前たちにいくつか報告がある。
まずは……長女が、嫁ぐことになった」
な、なんと、目出度いの!
しかし、出会って速攻お別れとは残念じゃ。
長女以外の他の兄妹も初耳らしく、皆ざわついておる。
「相手はモブ・サヨナラー公爵様だ」
しかも相手はかなりの上玉じゃ。
確か5公の1人にして、年齢も比較的若い偉丈夫だったと噂か何かで聞いた事がある。
……なんだか名前が不穏過ぎるが、きっと気のせいじゃろう。
「大姉さまー!」
「うえええん!」
三男と次女が椅子から立ち上がり長女に泣き付いておる。
長女になでなでされて、「ほわあああ」となっておる。
羨ましい。
「……サヨナラー公爵の領地は我が領地の隣だ、いつでも会えるさ。
2人とも、座れ」
以外にも次男が2人を慰め、席に着くよう促した。
目つきは悪いが、良いお兄ちゃんなのかもしれぬ。
「それから、セーサンカリ」
「はい」
トキシン侯爵が私に話しかける。
「お前、なんで帰ってきた」
「え?
えーっと……我が家なので」
「誰が帰ってきていいと言った」
……確かに言われてはおらぬが。
「まあいい。
お前、何かされなかったか」
「……」
これは、心配しているのではないな。
何もされなかった事を確認して。
適当な所に政略結婚させる気なのであろうか。
私、まだ5歳なんじゃが。
「どうした。
簡潔に、手短に話せ」
簡潔に、手短に、か。
私の旅は、非常に長く、手短に話せる物では無いのじゃが。
仕方がないので、なんとか手短に話をすることにした。
「攫われている途中。
獣の様な者達に、何度も、何度も、襲われました。
死んだ方がましと思えるような、乱暴な事も沢山されました」
私は、じわりと目の端に涙を浮かべ、震える声で呟いた。
部屋の中にいる全員(お子様2名を除く)が、全員目を見開く。
長女なぞは、早くもはらはらと涙を零しておる。
長女らぶ。
……まあ、森の熊さんとか蛭さんの事なんじゃが。
獣の様な者達というか、獣じゃのう。
弱肉強食の世界。
「他にも、嫌がる私の精神に無理矢理侵入ってきたり」
そう言えばワカリュウは元気かのう。
「縛られて、殴られて、良く分からない物を飲まされて」
ゴウモンにはまだまだ頑張ってほしい。
「何人にも囲まれて、綺麗な服を着せられて抱き着かれたり、全部脱がされたり」
マホウツカイの服の趣味はあまり良くなかったのう。
「意識がなくなるまでお酒を飲まされたりもしました」
トキ様本当に有難う御座いました。
……と作者が言っておる。
「軟禁状態の所を、たまたま通りかかった人に助けられ、屋敷に戻ってくることが出来たのです」
スチールも最後は軟禁する気まんまんじゃったが、アコギのお陰で無事帰りつくことができた。
「地獄の様な日々が終わって。
やっと平和を取り戻しましたが。
最近、なんだか少し、お腹が大きくなった気がします……。
ご飯をたくさん食べた後、吐き気もあります……」
コックの食事が美味し過ぎるせいじゃ。
だいじぇすと終了。
何も嘘は言っておらんぞ。
部屋のあちこちからすすり泣く声が聞こえる。
兄妹たちも、長男でさえ辛そうな顔を浮かべて、同情的な目を向けておった……相変わらず頭に“?”印を浮かべておるお子様2人を除いて。
「ちっ。
そうか。
使えん奴だ」
流石は我らがトキシン侯爵。
娘が酷い目にあったというのに、政略結婚に使えないと嘆いておる。
どこまでも屑じゃ。
「テトロド・トキシン侯爵様。
私は、6歳の誕生日に、旅に出たいと考えております」
私のその発言に、トキシン侯爵は渡りに船を得た様に嬉しそうな笑顔を向けた。
トキシン侯爵はどうにかして私をこの家から追い出したいのは分かっておるからのう。
むしろこっちから、オーダーと出て行ってやる、というわけじゃ。
「御付きのめいどを1人と、多少の路銀を頂ければ、2度とこの屋敷には戻ってこないと誓いましょう」
トキシン侯爵は、頭の中で算盤をはじいておる。
じゃが、どうやら私を『売る』方向での話は無理だと結論付けた様である。
「良かろう。
貴様の誕生日が来たら、旅に出る事を許そう。
何処へなりとも行くが良い。
そして、2度と戻って来るな」
「はい、有難うございます」
私は挨拶をすると、そのまま部屋から退出した。
はあ、疲れたぞ。
その後、追い掛ける様に部屋を出てきたハンドが号泣しておったが、面倒くさいから無視した。
私としては、お主のその髪型のほうが泣けてくるのじゃがのう。
ちょっと死亡フラグのネタが切れましたよ。
一回休み。