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豚公爵と猛毒姫  作者: NiO
拉致編
68/205

第67毒 猛毒姫、胃に穴が空く

******************


 前回までのあらすじ


 キャラとか、めっさ増えた。


******************


 重々しい空気の中。

 各国の頂点(とっぷ)たちが、部屋の中央に集まった。

 4人は各々の用心棒(ぼでぃーがーど)達から、おそらく葡萄酒と思われる(ぐらす)を受け取る。


「我ら4国に、栄光あれ!」


 歓待役(ほすと)のセッカイ帝王がそう叫びながら杯を掲げると。


「「「栄光あれ!!」」」


 他の3国が続けるように杯を打ち合わせた。

 

 ああ、しかし、なんという宴会(ぱーてぃー)じゃろう。

 ……誰1人、目が笑ってない……。



「……まあ、各国のお国事情などどうでも良い。

 乾杯も済んだようじゃし。

 あの”ばいきんぐ風”の食事は、もう食べても良いのかのう」


 流石に拷問+絶食3日目でお腹がすいたぞ。


「「「「あっはっはっは!!」」」」


 ……何故か勇者一行(ぱーてぃー)に爆笑された。


「ボディーガードの僕たちが、ご飯を食べて良いわけ無いじゃないか。

 馬鹿だなあボツリヌスは」


「ふむ、そういえばそうじゃな。


 ……え。

 ぬなななな!?」


 本気(まじ)か!

 え? ご飯無し?

 私はなんでこの宴会(ぱーてぃー)に参加したんじゃろ?


 ……まあしかし、確かに、あんなお偉いさんたちに混じっての食事など、食べても味がせんじゃろうし。

 宴会(ぱーてぃー)終了後に、残り物に有り付くとしようか。

 

 

 涎を垂らしながら偉い4人がちょこちょこ食べてる肉や魚たちを見ておると。

 ……何やら爺やがこそこそ動き出して。

 ストリー王にぼそぼそ話しかけておる。

 ストリー王は驚いたように此方を見つめて。




「ボ……ボ ツ リ ヌ ス・ト キ シ ン !?


 何故、貴様がここに!?」




 と驚愕の悲鳴を上げた。


 大声で恥ずかしいのう。

 声を掛けられたからには、一応、挨拶した方が良いのかしらん。


 などと思っておると、周囲の何人かが、ざわつき出した。

 なんじゃ、なんじゃ?




「え……?



 ボツリヌス・トキシンって!

 もしかして、もしかして!



 『王様と貴族令嬢』の主人公の……『聖女様』?」


 皇国、フヨウ皇女が目を輝かせながら呟く。

 聖女様は、お前じゃ。


「……おお、おお!

 どこかで聞いたことがある名前だと思えば!

 いやあ、あれは感動的な話でしたなあ……。

 御恩と奉公、ウチの者にも見習わせてやりたいもんですわい!」


 武国、ショーバイ武王が豪快に笑いながら此方に目を向ける。 

 ……あれは、御恩と奉公の話ではないのじゃが。


「あ、うう。

 ……失敬、驚きのあまり突然叫んでしまいました」


 王国、ストリー国王が3人に向けて頭を下げる。

 というか、私にも謝れ、どきっとしたわ。 


「おお……まさかアイツが……。

 って言うか実話だったのか……」


 帝国、セッカイ帝王はいつも通り、ぼーっとしておる。 

 なんと凄いぞ『王様と貴族令嬢』、国の頂点(とっぷ)4人全員見てるとは。



 ここで、先程まで目をきらきらさせていたフヨウ皇女が我に返ったようで、ごほんと咳払いをする。


「ええっと。

 私から皆様に提案があるのですが。


 4か国の話し合いも重要ですが、ここはパーティー。

 無礼講の場。

 もともとは我々が個人的に交流を深め、楽しむ場であると認識しております」


 皇国、フヨウ皇女が真面目な顔をしながらちらっ、ちらっとこっちを見ておる。


「その通りですな!

 ここは国の(まつりごと)の話をする場ではなく。

 我々の交流を深めるための話をするべきでしょう。

 例えば、演劇の話とか、ですかのう!」


 武国、ショーバイ武王が何やら外堀を埋めてきおった。


「……なるほど、そうであれば、ちょうど良い。

 我々の会話を盛り上げてくれる、うってつけの人材がいますよ」


 王国、ストリー王は、流れに逆らえず、仕方なく相槌を打った。

 もう、嫌な予感しかせぬ。


「ボツリヌス・トキシン……こっちへ、来い」


 帝国、セッカイ帝王が手招きをした。


 ……胃に、穴が空きそうじゃ。


「僭越ながら、皇女猊下、武国殿下、国王陛下、帝王閣下のお話の一助をさせて頂きます。

 トキシン家が3女、ボツリヌス・トキシンに御座います。

 大変(つたな)い語り部で御座いますが、どうか宜しくお願いいたします」


 私は諦めて、4人に向かって挨拶(かてーしー)をする。


 その背後で。


「え、ボツリヌスちゃんって、あの演劇の女の子のモチーフ!?

 ああ、でも!

 演劇の子よりも、ボツリヌスちゃんの方が、可愛い!!」


 とかいう声も聞こえたが、無視した。

 ……ついこの間の話じゃぞ?

 どんだけ見られてるんじゃ、あの演劇……。

 演劇が開始して、まだ半年くらいしか経ってないのにね。

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