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豚公爵と猛毒姫  作者: NiO
拉致編
67/205

第66毒 猛毒姫、覚えきれない

******************


 前回までのあらすじ


 ボツリヌス様が珍しく、趣味の良い服を着ています。


******************


 さっそく宴会(ぱーてぃー)会場につくとそこは黒山の人だかりが……なかった。


「あれ? だだっ(ぴろ)い割には、客は(まば)らじゃのう」


 偉い人の宴会(ぱーてぃー)じゃから、物凄い人数がいると想像していた私は、肩透かしを食らった気分じゃ。


「うん、何しろ皇国、武国、王国、帝国のトップが揃い踏みするからね。

 当然暗殺が一番気がかりだ。

 というわけで、重要なパーティーの割には最低限の人数で粛々と行われて、他の貴族も呼ばれない。

 此処に居るのは、僕たちを含めてほとんど全員、ボディーガードだよ。


 各国の王様達は……これから登場するのかな」


「成程のう……おや、彼処(あそこ)に居る“がりがり”の学者面はなんじゃ?

 とても用心棒(ぼでぃーがーど)には見えぬが」


「彼は『皇国の両翼』の1人、ガクシャだよ。

 魔力総数や練度など、魔法に関しては皇国でも3本の指に入るほど圧倒的なんだけど……あまり、ボディーガードには向いていないと思うんだけどなぁ。

すっごい本番に弱くて、いつも引き籠ってなんかしてるみたい。

自称『魔法学者』なんだって」 


「なに?

 『魔法学者』!?」


 おお、私以外にもそんなことを考える奴が居るんじゃのう。

 此れは良い事を聞いた。

 是非ともお近づきになりたい。


「お、あの厳つい丁髷(ちょんまげ)達は何じゃ?」


「あれは『武国の3本矢』だね」


 ほう、3本矢とは、なかなかに良い名付け力(ねーみんぐせんす)じゃあないか。


「ガタイの良いのが、『力のツヨサ』、細いのが『速度のハヤサ』かな」


「……3本目は?」


「『技のタクミ』は……ここにはいないみたいだね」


 2本しかない3本の矢。


 え?

 折られちゃうぞ?


「で、帝国の用心棒(ぼでぃーがーど)がユウシャ一行という訳か」


「僕たちとしては人類の代表のつもりなんだけど。

 全員生まれは帝国だし、セッカイ帝王には凄くお世話になってるしね」


 ふいっと東側の席を見ると、見た覚えのある奴がおる。


「おお!

 ストリー王のところの、爺やではないか!

 久しいのう!!」


 私がぶんぶん手を振ると、それに気づいた爺やが此方を2度見していた。


「知り合い?」


「ふむ。

 なんか、物凄く吃驚(びっくり)して居るが……何故じゃろ」


「そりゃあ、僕だって正直びっくりだよ。

 なんでボツリヌスがこの場所に来る許可をセッカイ帝王が出したのか分からない。

 多分、気に入られたのかもしれない」


 気に入られた?

 3日3晩拷問されただけじゃよ?


 そんなことを考えていると、会場のざわめきが、ぴたりとやんだ。


 こつ、こつ、と足音が響き渡る。

 国を背負うほどの、重たく、大きな、足音。


 宴会(ぱーてぃー)会場にある4か所の入り口……東西南北から、それぞれの国の代表(とっぷ)と思われる者たちが登場したのじゃった。



 北の扉から出てきたのは……女性じゃ。

 聖職者が着る様な白を基調としたスカートに、コックがつけておるような帽子をかぶっておる。

 顔は白い布で隠してあるが、おそらく美人さんじゃろう。

 そして、彼女こそが恐らく、ペンギン皇国のフヨウ皇女じゃ。

 国別の序列では第1位、もとは王国、帝国の領土も統治していた巨大国家じゃった。

 圧倒的な歴史と魔術蓄積があり、1対1で戦えば3国で勝てる国は無かろう。



 続いて西からは……おお……、今まで出会った誰よりも大きい男じゃのう……3m近くあるんじゃないか?

 戦国武将の様な格好で登場しておる。

 恐らく、バッタ武国のショーバイ武王じゃろう。

 国別序列は第2位、皇国に負けず劣らず長大な歴史を有する国家じゃ。

 特記すべきは魔法を使わない国、ということ。

 その代り、この世界でも有名な武術の名家がこの国に集中しており、女子供、末端に至るまで全員が武芸を習熟、国家の一大事には一億総兵となり戦闘にあたるところじゃ。

 まさしく、全員、狂戦士(ぱーさーかー)


 更に更に! 東から登場したのは我らがサーモン王国の裸王こと、ストリー(きんぐ)その人じゃ!

 いよっ、待ってました!!

 国別序列は第3位。

 国力は4か国最低、王国最大戦力と言われる『5公』も、魔界側の侵略防止として辺境に配置されている。

 他の国が滅ぼそうと思えばいつでもできる様じゃが、なんの旨みも無い土地だから見逃して貰っているらしい。

 国別序列に関しても、魔族を防いでいるということでの、ぶっちゃけお情けじゃ。

 士農工商の、“農”みたいな感じかの。


 そして南から登場するのがムカシヤンマ帝国、セッカイ帝王じゃ。

 相変わらず”ぎらぎら”とした派手な衣装を身に着けて、ぬぼーっとしておる。

 国別序列は第4位、この国の特徴は他の国の人間至上主義とは一線を画した、多種族共生主義にある。

 差別や奴隷の対象となる亜人達が、ここでは大手を張って暮らしていける。

 そんなわけで多くの働き手を有した帝国は、最も豊かで栄えてると言っても良い。



 4人全員が纏う、かりすまおーら。


「……ちなみに、4人全員、僕たちユウシャパーティーの誰よりも強いよ」


 なんと。

 成長の伸びしろがあるとはいえ、現時点の勇者一行(ぱーてぃー)より強いのか。


 ……え。 


 じゃあ、お前らが魔王を倒しに行けばよかろうに。

 馬鹿じゃないのか。


 ……っていうか、ユウシャよ。

 用心棒(ぼでぃーがーど)の意味、あるのか?



 ああ、そして……登場人物が一気に増えたのう、全然覚えられる気がせんのじゃが……。

 ああ、一気にキャラが増えた……。

 多分もうチョイ増えます……。

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