第62毒 猛毒姫、帝都を目指す
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前回のあらすじ
なろう脳のみんな!
『どらげない』は、『竜騎士』じゃないんだよ!
騙された気分だね!
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勇者一行とともに森のなかをずんずん進む私。
何故か此方をちらちら見てくる魔法使い。
「キャー、可愛いいいい!」
ちらちらどころじゃなかった。
がっつり抱き着いて頬ずりしてきおった。
此奴、まるででっかい次女じゃ。
違うところは豊満な胸かの。
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マホウツカイ 女 16歳
二つ名:魔法使い
体力:55555555
魔力:∞
スキル:無限魔力LV MAX
魔法解放LV 8
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体力が『ゴーゴー!』言っておる。
そして、まさかの魔力無限。
無限魔力の技術のせいなんじゃろうのう……魔法解放ってなんじゃろ。
「ええい、あざとい。これはあざといですね」
僧侶が私の服の裾をあっちこっちひっぱりながら呟く。
なんだか私の服がお気に入りの様じゃが、これは以前殺した熊の皮じゃよ?
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ソウリョ 女 14歳
二つ名:僧侶
体力:81318131
魔力:∞
スキル:無限魔力LV MAX
鑑定LV 7
命の代償LV 1
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体力が『ハイサイ、ハイサイ!』言っておる。
沖縄の人か。
そして、此奴も無限魔力。
流行っておるのか、私も欲しいんじゃが、くそう。
「……っち。 お前ら、道草食っている場合じゃないぞ」
盛大に戦士が舌打ちした。
どうやら私は彼に嫌われておる様じゃ。
好みの男に嫌われて悲しいので、後ろから視姦することにした。
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センシ 男 18歳
二つ名:戦士
体力:373045105963
魔力:2
スキル:魔法反射LV 6
物理反射LV 7
挑発LV 9
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つんつんしていても体力は正直じゃのう。
『皆さんお仕事ご苦労さん』とは。
労いを知る上司か。
っていうか技術の魔法反射、物理反射ってすごすぎじゃろう。
攻撃が何も通らんぞ。
「大丈夫?僕がおんぶしようか?」
「大丈夫じゃ、ユウシャよ」
私を一番心配しておるのは、どうやらユウシャの様じゃ。
しょっちゅう私に声を掛けてきたり、頭をなでなでしたり喉をごろごろしたりしてくる。
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ユウシャ 男 12歳
二つ名:ユウシャ
体力:7100553
魔力:7100553
スキル:逆境LV 1
限界突破LV 3
戦闘民族LV 4↑up
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おお。
弱い。
いや、普通に考えると強いんじゃが。
他の面子が凄すぎるせいじゃのう。
しかし、技術を見るといくらでも伸びしろがあるようじゃ。
まさに勇者と言ってよい。
逆境は逆境になる程強くなるのじゃろうし。
限界突破は限界なくいくらでも強くなれるのじゃろうし。
戦闘民族は戦えば戦う程強くなるのじゃろう。
「 It`s over 9000 !! 」
……どこからか、何か声が聞こえてきたが、無視した。
それにしても、勇者の体力はどういう意味なんじゃろう。
う~む、う~む。
頭を捻って考えて、やっと分かる。
「おお、上下逆にして読んだら、『エッ○石油』になる!」
どうでも良い事に気づいたのじゃった。
「ところで、今は何処に向かっておるのじゃ」
それとなくユウシャに聞いてみると。
「ん? ムカシヤンマ帝国だよ。
僕たちは首都に向かうつもりだけど……」
「え? ムカシヤンマ帝国? サーモン王国じゃなくて??」
「え? サーモン王国? は、ちょっと遠いかもね。
歩いて行くのは、少し無茶かなあ」
あれ、話が噛み合っておらん。
「んーーっと……、私の話を聞いて欲しいんじゃが……」
私がもともとサーモン王国に住んでいた事。
私が謎の2人組に攫われた事。
馬車での拉致中に森の中に逃げ込んだ事。
それらを勇者ぱーてぃーに告げる。
「……ふむ、それは馬車が特殊魔法陣を使用していたのかもしれませんね」
ソウリョが何か言い出した。
「現在一般に普及している魔法陣は基礎魔法と補助魔法の一部ですが、貴族の間では様々な魔法を魔法陣にする技術競争が行われています」
そ、そうなのか。
トキシン家ではそんなことやっておらんかったぞ。
「トップレベルの貴族は、種族魔法の特殊魔法陣なんかも持っているという噂すらあります」
「そうなのか。
……あ、そうじゃ、雷魔法の魔法陣を作れる貴族に心当たりはないかのう」
「「「「あっはっはっは!」」」」
めっちゃ爆笑された。
まあそうじゃろう、雷魔法の魔法陣など技術競争どころか、革命じゃ。
……成程、つまり、なんだか知らんが特殊な魔法陣を組み込んだ馬車を使って、物凄い速度でサーモン王国からムカシヤンマ帝国に移動した、という推理なのじゃろう。
当たってそうじゃ。
確かに私が馬車から飛び降りた時も、馬車は信じられないすぴーどで走っていた気がする。
物凄いだめーじがあったものの、思わず魔石を使って体力回復したから事なきを得たが。
「じゃあ私は、ムカシヤンマ帝国の村で何とか路銀を稼いでサーモン王国に帰るとするかの」
そんな話をすると、魔法使いが目をきらきらさせて私を覗き込んだ。
「ボツリヌスちゃん、一緒に帝都に行こうよ、ね!!
セッカイ帝王に話をしたら、きっとすぐに王国に帰して貰えるんじゃないかな?」
成程……普通の小娘なら城の前で門前払いじゃろうが、ここには勇者一行がおるしのう。
此奴等には恩を売ってあるし、なんだかんだで帰して貰えるかもしれん。
「よーし、そうしようかのう。
待っておるのじゃぞ、セッカイ帝王!」
私は無駄に呵呵大笑した後、僧侶に尋ねた。
「あ、そういえば、帝都には歌劇団はあるのかのう?」
「? ありませんけど」
なかった。
魔力∞はやりすぎたかな……後で調整するかも……。
あ、あとなんか2015夏ホラー参加したくなってきたので中長編書いてます。
ブレーメンの屠殺場
http://ncode.syosetu.com/n9431ct/
まあ、夏ホラーまでに間に合わない可能性が高いですが。
もちろんちゃんと終わらせるつもりです。
『ホラー』、『学校』、『なぞなぞ』、『デスゲーム』。
上記の単語にピンと来た方は是非。