第31毒 猛毒姫、排便する
※※※注意※※※
汚い表現があります。
食事中に読まない様にお願いします。
なんかこの話、注意書きばっかり。
絶飲食拷問生活第15日目。
私はすっかり意気消沈しておった。
鍛えに鍛えたはずの筋肉少女体が、トキシン侯爵が牢屋から出て行ってすぐに、しゅしゅしゅーと萎んだのじゃ。
『どんなに愛情を注いでも、女は裏切る。しかし、筋肉は裏切らない』とは良く知られた名言ではあるが。
筋肉に裏切られた女はどうすれば良いのか。
しゅん。
恨めし気に対面の牢屋に置いてある熊肉に目をやる。
……ちなみに熊肉は筵を使ってうまく隠してあるため、注意深く見ないと気づかない様になっておる。
私は、いつの間にかれべるの上がった『鑑定Lv3』を使用した。
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メトトゥシ・カムィの干肉
毒性なし。感染症なし。
冬眠中にボツリヌス・トキシンによって
無残にも命を奪われた熊の干し肉。
《特殊》
一時的に筋力 大UP。
体力 大UP。一時的に魔力 中UP。一時的に知力 小DOWN。
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……筋力は一時的に上がっただけの物じゃった。
私の上腕二頭筋……ぐすん。
「あわわわ、ボツリヌス様?
死なないでくださいぃぃ!」
涙を流す私に一早く反応して、牢屋の前でマー坊が泣いておる。
何故牢屋の前にマーがおるかと言うと。
侯爵は見張りを置くと言っておったが、金を吝嗇ってなんと離れのめいど達を牢番にしたのじゃ。
ちなみに3人1組の8時間交代なので、現在はマー坊の他にもめいど2人が私を見ておる。
牢番に回ってくるめいど達は事情を知っておるものがほとんどで、皆は比較的同情の視線を向けてくる。
ちなみにマー坊が『死なないで』などと大げさに泣いている理由は。
本当で私が死にそうだからである。
もともと、私が絶食で余裕をこいていた理由であるが。
水分ありの絶食は、一般人なら10日程度、あまちゅあなら1ヶ月程度が限界である。
ちなみにイタコの平均は1年程度である。
私は今の時点でもあまちゅあれべるだと思っておるし、中身は私だし、なんとかなるじゃろうと考えておったが、大人との熱量貯蔵量と対表面積当たりの熱放散量が違いすぎて、5日目で既に瀕死状態であった。
うわっ……5歳児の耐久力、低すぎ……?
このままでは危険と判断し、前世の耐断食技術を余す所なく使っておるところじゃ。
まず1つ目は、全身の体温を5度近く下げ、体からの熱の発散を防ぐ事である。
前世では体温を自力で20度以下にまで下げる等の荒業をやっておったがそこまでは無理じゃった。
2つ目は、脳の血流を半分以上遮断、活動性を死亡寸前まで下げ、最低限の生命維持活動と、魔法による胃内への定期的な水分作成、簡単な思考活動などを除いた全ての脳活動を休止させる事である。
最後に3つ目は、心臓の拍動回数を20以下に落とすと同時に、心拍、呼吸などを除いた全ての運動を休止し、熱量を大幅に節約させる事であった。
ちなみによがの修行僧には、自分の意志で心臓の動きを止めることが出来る者がおる。
そしてイタコには、自分の意志で心臓での血液の流れを逆回しに出来る者がおる。
以上を行った結果。
ぴくりとも動かない仮死状態の令嬢が出来上がった。
時々動いたかと思うと、排尿排便をその場で行う有様である。
(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )
「あわわわああ!
ボツリヌス様ぁぁぁぁぁぁああ!!
うわああぁぁぁぁああん!!」
マー坊が泣いておる。
他の二人も私のあまりの姿に感極まったのか涙を浮かべておった。
一般女性の排便を見て感極まらんで欲しいのう。
まあ、この状態ならばとりあえず後一週間は生きられるじゃろう。
……ただし、貴族令嬢としては死んだも同然じゃがの!
私用で5月6月が忙しくなりそうです。
毎日更新は厳しいと思いますがなんとか2日に1回くらいのペースでは頑張りたいです。
読者の皆様(7名)におかれましては、ご不便をお掛けしますことを心よりお詫び申し上げます。
7名・・・・・・。