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豚公爵と猛毒姫  作者: NiO
魔貴族編
173/205

第173毒 猛毒姫、テレレレレレレレレー↑↑↑↑する

 *******************

前回のあらすじ


ベルゼバブ「結婚したのか……?俺以外のヤツと……」


 結婚して1年、どうでも良かった彼と再開してしまったアナタ。


~♪~  テレレレレレレレレー↑↑↑↑  ~♪~


べ「今夜は、帰したくない……」


 ケイタイ恋小説 豚公爵と猛毒姫 『豚毒』で検索


 *******************


「ぶひょ、ぶひょ、ぶひょ」


 魔貴族城の中で。

 公爵様が、笑って居る。


「……一体何が、気に入らないのかなあ?」 


「一体、何が、だと?


 ()何もかも(・・・・)全部が全部だ(・・・・・・)田分(たわ)けめ(・・)


 な、なんというか。

 セルライトの奴は、もともと許すつもりもなかった、と言うことじゃろうか。


 ……それにしても、またもや私を争って男が二人、戦争をしようとしてくれている。

 浪漫じゃ。


「……そちらの望みは?」


「せ、選択肢をやろう。


 屋敷の使用人が(・・・・・・・・)全員穴奴隷になるか(・・・・・・・・・)


 貴様らの領民全員が(・・・・・・・・・)穴奴隷になるか(・・・・・・・)



 あ、穴奴隷って、凄い言葉じゃのう。 

 初めて聞いたのに、大体意味が分かるという。


 流石にニンニクもそんな要求は受け入れられぬじゃろう。


「……人間のルールに合わせて、話し合いで解決をして(・・・・・・・・・・)あげようと思ったんだ(・・・・・・・・・・)けどね(・・・)


「ぶひょひょ、笑わせる。

 魔族のルールに合わせ(・・・・・・・・・・)()貴様らを蹂躙して(・・・・・・・・)従えようと言うのだ(・・・・・・・・・・)


 仕方あるまい。

 ここは、なんとか私が取り持たねば。

 一応、3つくらい案があるんじゃ。


 まずは1つ目。

 私は、そばにあった紙に、きゅっきゅっと文字を書き込むと。


 二人に見えやすいように、とん、と公表した。


「……なに、これ」


「『毒茸毒子』じゃ」


「……ぶひょ?」


「『どくたけぶすこ』と読む」


 皆がぽかんとしておる。

 よしよし、狙い通りじゃ。


「……ボツリヌス様。

 それ、何?」


「私も魔貴族になるからのう。

 魔貴族は、どうやら漢字の名前を付けなくてはいけないようじゃあないか。


 というわけで、私の新しい名前じゃ。

 可愛らしいじゃろ?」


 あまりの可愛さに、両陣営がほほ笑むはず。

 何というあざとさじゃ。

 策士。


「……それで、戦いは、避けられないのかな?」


「……ぶひょひょ、何を今更」


 ……。

 あれ。


 なぜ、私の発言をなかったかのように話を進めるのじゃ。

 見て見て。

 毒茸毒子。

 可愛いじゃろ?

 サガん様の発案なんじゃぞ?


 ぐ、駄目か。

 ならば2つ目の案で行くか。


「私のために争うのはやめておくれ!

 セルライトよ! わ……私の体を……す、す、……好きにしても良いから!!」


 私は覚悟を決めた。

 この、冬の初雪を思わせるような玉子肌を、思う存分に踏み荒らすがよい!


「人数も少なく、地の利も無いのに、まさか、魔族相手に勝てるつもり?

 ……人間の分際で(・・・・・・)


「ぶひょひょ、まんま言葉を、か、返そう。

 ま、まさか、勝てるつもりか?

 魔族の分際で(・・・・・・)


 想像はしていたけれど、想像以上にするーされた。

 びっくりじゃ。


 ぐっ。

 では仕方あるまい、最終手段。

 妻という立場を利用しての制止じゃ。

 前回も使ったし、出来れば今回は使いたくなかったのじゃけれど。

 背に腹は代えられぬ。


「セルライトよ、真に申し訳ないが、妻として言わせて貰……」


「ぼ、ボツリヌスよ」


 私の言葉を遮るように、セルライトが落胆したような声を出した。

 ……な、何故そんな悲しそうな声を出すのじゃ?


「き、貴様がそこまで馬鹿だったとはな。

 も、もう良い。

 婚約は、か、解消だ」


「……え?」 


 え? え? え?


 な。

 な。

 な、何故じゃ?

 な。

 な。

 何故捨てられるのじゃ?


「魔族との戦いに勝利した後、正式に、あ、穴奴隷として、か、飼ってやるからな」


 あ、捨てられるわけじゃあないのか。

 いや、しかし妻から穴奴隷堕ちは流石に避けたい。


 ……というか、私、穴奴隷の役割とか果たせないから、最悪ただのにーとになるぞ。


 ふ、と横を見ると。

 いつもなら声を出してきそうなオーダーまでも、私を責めるような目で見ておった。


 ……ということは、本当に私が悪者らしい。

 どういことじゃろ。

 少し、考える時間が欲しいぞ。


……なるほど。

 セルライトの奴は、私を浚われたことに憤るのは勿論じゃが。

 自分の大事なものを盗んでいったということに対しても怒っておるのじゃろう。

 セルライトは、愛の多き男じゃ。

 私だけでなく、バトラーやシャーデンフロイデ、その他領民の皆に至るまで、悉く大事だと思っておる。

 そして、さすがのセルライトも彼ら全員を守ることはできない。

 だから、もしも大事な者に危害を加えられた時。

 舐められないように、危害を加えた相手を徹底的に相手を叩きのめす必要があるのじゃろう。


 さもありなん。

 これを許せば、今後もセルライトの周囲で好き勝手される可能性がある。


 私が自身の浅薄さにうなだれておると。


「あ、言い争いしているところ申し訳ありませんが、ちょっと質問、良いですか?」


 何故だか、オーダーがおずおずと、手を挙げる。

 ん、なんじゃ?

 空気を読め、オーダーよ。


「今鑑定してみたんですが。



 ……ボツリヌス様、いつの間にか、13魔貴族の2つ名、無くなってますよ。


 何か、あったんですか?」


 ……。


 ……。


 ……。


「「「……あっ」」」


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― 新着の感想 ―
[一言] 豚毒で検索したのに出てきませんでした、SEOの努力が足りないと思われます。
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