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豚公爵と猛毒姫  作者: NiO
魔貴族編
168/205

第168毒 猛毒姫、夜ご飯はハンバーグにする

 *******************

 あらすじ


 ぼつりん の えかきうた!


「♪まーるかいてー♪」


「♪あっというまに、ぼつりーん♪」



ぼつりん「さあ、みんなも、描いてみよう!」


 *******************



 みんなは上手に、描けたかな?

 まあ、私の似顔絵は良いとして。


 魔界の土を鑑定してみる。




****************************


 魔界の土 

 魔素の消え去った魔界の土。人間界の土と、何も変わらない。

 アイデンティティ・クライシス。


****************************


 あいでん……なんじゃろ。

 まあ良い。


 なんと、トレントの奴。


 とうとうこの一帯の魔界の土を。

 人間界の土と、変わらん状態にしおった。


 大した奴じゃ。


 ……もしかしたら人間界の世界樹も、人間界の土にある魔素を吸収しておるのかもしれんのう。


 いや、ここまで出来る奴は、人間でもおらぬ。


”……ハハウエ (ボク) ガンバッタヨ……”


 ああ、確かに、滅茶苦茶頑張ったのう、お主。

 ……仕方あるまい、認めようじゃあないか。


 此奴も、私の子供であると!!



 私が表明を示すようにぴょんぴょん跳ねておると。


「……ボツリヌスよ、帰るぞ」


 剛力に、がしっと止められた。


「今後どうしていくか、本当に相談していかなくてはいけないですね……」


 横でうんこ好きがため息をついた。


 確かに。


 こんな姿になってしまったが、戻る算段はある。

 算段が、あるにはあるが。

 光魔法……というか、バトラーがおらぬとどうしようもないからのう。


 ふむ。

 バトラー抜きの今。

 さて、どうすればよいか。


 私も粛々と考えながら、ころころと転がっていった。


########################################


 転がりながら気付いたことじゃが。


 今の私って、今までの私よりも、相当運動性能が上がっておる。


 跳ねれば自身の数倍の高さまで飛べるし。


 転がれば相当早く転がれる。


 私、もしかして。


 ……このままで良くないか?


 空魔法でなんとなく”ほばりんぐ”しながらそんなことを考える私。


「このままではお母様、排便も出来ませんからね。

 大変なことです」


 帰りしな、うんこ好きがそんなことを言った。

 いや、それで大変なことになるのはお主だけじゃ。


 確かに私、肛門も尿道もないから。

 うんこもおしっこも無い世界におる、といって良い。


 もはや、あいどるじゃな。


 それにしても、今の姿見たら、シツジはどんなりあくしょんをするじゃろうか。

 気絶とかしないじゃろうか。


 はらはら。


########################################


 なんだかんだで、無事に屋敷まで帰ってきた。

 剛力と交代で私の守護をしていたニンニクも起きだしてきた。


「……なにこの肉団子?」


 ニンニクは、とても正確な言葉を吐いた。


「……あ、マザー。


 ……お帰り……」


 シツジは、私の姿に、特に反応した様子もなく。


 球体の私に近づくと、ぎゅっと抱きしめてきた。



 ……此奴、もしかして。


 私を、汗の臭いで識別しておらんじゃろうな?


「え?

 これがボツリヌス様?

 え?

 これ、生きてるの??」


「……マザー。

 今日はご飯、何がいい?」


 ニンニクが驚愕の声をあげるが、シツジは普通の顔でそう言った。

 まるで、晩御飯でも決めるかのように。

 あ、晩御飯を決める台詞じゃった。


 それにしても、食事か。

 ふむ。

 久しぶりじゃし、カレーとか食べたいのう。



「……」



 あ。

 私、しゃべれぬ。



「……別に、注文は無い?



 じゃあ、ハンバーグにする、ね……」


「ああ、ハンバーグ、良いね」


「私もハンバーグ、食べても良いですか?」


「我もハンバーグが食べたいと思っておったところだ」


 シツジの提案に、ニンニクとうんこ好き、剛力までが同意する。


 いや、お主ら。


 絶対、私を見て食べたくなったじゃろう、はんばーぐ。



##################################


 夕ご飯になった。


「……腕によりを、かけた……」


 シツジが、少しだけ胸を張っておる。

 これは、自信満々のぽーずじゃ。


 相当美味しいはんばーぐに仕上がったのじゃろう。

 楽しみじゃ。


「これは美味しそうだ」


「良い香りですね」


「では、頂くか」


 剛力の言葉を皮切りに、各々が頂きますを言って食事を始めておる。


 ……私は言葉もしゃべれぬから、頂きますも言えぬが。


 まあ、そこは略式で許してもらおう。



 さあ、お子様の大好物、はんばーぐじゃ。


 やったー。



 頂きまーす!!





 ……あれ。



 そういえば、私って。




 ご飯、どこから食べれば、良いんじゃろ。

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