第142毒 猛毒姫、かき氷を食べる
某大型掲示板より
777 :この名無しがすごい!
こんにちは、豚公爵作者です。
787 :この名無しがすごい!
>>777
NiOさん乙
仕事大丈夫ですか?
796 :この名無しがすごい!
>>787
え。豚公爵作者ってデモベのイラストレーターだったのか
801 :この名無しがすごい!
>>796
mjd?
818 :この名無しがすごい!
>>796
二シーではないニッケルです
なろうに残ってる方の豚公爵の作者名
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おお。
NiOさん、とうとうニセモノが出るほど有名人に。
ちょっとうれしい。
ちなみにNiOさん、2ちゃんはROM専。
書き込みしたこと無いですよ、怖いもん。
あ、あと>787さん、コメントありがとうございます、仕事は全然だいじょばないです!
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前回のあらすじ
夏に消えた猛毒姫が、
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NTRってなんじゃろう。
私、気になります。
という訳で、じっとすきるを見ておると。
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ユウシャ 男 13歳
二つ名:勇者・真の勇者
体力:88888888888 ↑up
魔力:88888888888 ↑up
スキル:逆境LV MAX
限界突破LV MAX
戦闘民族LV MAX
片思いからの祝福LV 1
NTR(Neo Tri Ray) LV 1 NEW!
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おお。
何の略か、出て来たぞ。
ね、ねお、とら、とらい、れい。
直訳すると、『新・三光』か。
焼き尽くし、奪い尽くし、殺し尽くすつもりじゃろうか。
流石にどんな能力なのかまでは分からぬのう。
さて。
ね、ねお、とら……面倒臭いから略して“ねとられ”で良いか。
ユウシャは未だ自身に“ねとられ”の技術が付いた事に気付いておらぬ。
まあ良い。
私はいろいろ諦めて、公爵と勇者の戦いを観戦する事とした。
さて、ぽっぷこーんとか無いかのう。
「かき氷ならありますよ」
「おお、オーダーよ。
心を読むな」
折角なのでオーダーと二人でかき氷をぱくつきながら椅子に座る。
「我に力を与えよ、聖剣“ヘキレキ”!」
ユウシャが声を上げる。
『我が眠りを妨げる勇者よ……戦いの時が、来たというのか?』
おお、ヘキレキじゃ。
寝ておったのか。
久しぶり。
「申し訳ありません、聖剣“ヘキレキ”様。
魔王と対峙するまで呼びかけないつもりだったのですが。
どうしても、どうしても負けられない戦いなのです!」
『……女か』
「そ、それは!」
『全く、ふざけた奴だ、人間の分際で!
我は魔貴族か魔王以外と戦わぬと言ったであろう!!』
む、何じゃ、ヘキレキの奴。
大分上から目線なんじゃのう。
『ち……、まあ良い、勇者の女がどんな顔なのか見せて貰おうか。
ウ、ウワアアアアアアアアアアアアアアアア!?』
な、なんじゃ、ヘキレキの奴。
私を見て叫び声を上げるとは、失礼な。
『お、おい、勇者よ。
まままままさか、アレか!?
悪い事は言わん、アレは止めておけ!
アレはダメなヤツだ!
ある意味魔王と同格くらいの化け物だぞ!?』
「聖剣“ヘキレキ”様。
……言って良い事と、悪い事があります」
『む、むむ……!!』
上から目線の聖剣、意外と勇者に押し負けておる。
『く……まあ良い、呼び出された以上は戦ってやろう。
あそこの、豚を斬れば良いんだな?』
「ええ、お願いします。
……公爵様。
最後にもう一度、確認します。
どうか、ボツリヌスを引き渡してください。
これ以上は、手や足が、無くなりますよ」
「ぶひょ、ぶひょ、ぶひょ。
それはこちらの、せ、台詞だ。
これ以上は、膜や貞操が、無くなるぞ?」
『なんだこの豚は……。
聖剣“ヘキレキ”に向かって……身の程知らずが!』
睨み合った両者がそれぞれ相手を挑発しております。
ばとるどーむの熱気は最高潮です!
一体、どっちが勝つのじゃろうか!?
かき氷を食べる手も進むと言う物じゃ。
もぐもぐ。
あ、頭、きーんと来た。
オーダーよ、首、とんとんしておくれ。
これ以上の言葉は無意味と感じたんじゃろう。
ユウシャが、一足飛びにピッグテヰル公爵に斬りかかる。
は、速い!
これは、魔法を使う暇など無い!
公爵は、辛うじて聖剣に掌を向けて防御しようとするが。
何しろ聖剣は、ユウシャが斬ろうと思った物を何でも斬れる最強の刀。
当然、ピッグテヰル公爵の手など容易く……。
ガキイイイイイン!!
「……は?」
『……は?』
「……ぶひょっ」
……斬れなかった。
聖剣は……公爵の手を傷つけることなく、そこで、止まっておった。
公爵はそのまま聖剣を握りこむと、ユウシャの顔面に向けて恐ろしい出力の嵐魔法を叩き込む!
「ぐああああああああああ!?」
『なななななな!?』
ユウシャは聖剣を手放し、反対側の壁まで吹き飛ばされる。
おお……顔面から骨が剥き出しになっておる……だ、大丈夫か?
「しゅ、首尾は上々、だな」
ピッグテヰル公爵が周りを見渡すと。
いつの間にか。
シャーデンフロイデがセンシを。
バトラーがマホウツカイを。
そして、キサイがソウリョを制圧しておった。
「「「うぐ、ぐあああ……!!」」」
「み、みんな……!?」
ユウシャが、驚きの声を上げる。
うむ。
私も同じ気持ちじゃ。
「お、オーダーよ。
早すぎて見えなかったのじゃが。
説明を頼む」
「……ピッグテヰル公爵が聖剣を受け止めた瞬間に、公爵サイドの3人がそれぞれ勇者パーティーに襲い掛かっていました。
聖剣を受け止められると言う、想像すらしていなかった光景に。
勇者パーティーは、完全に虚を付かれたみたいですね」
「虚を付いたとはいえ、一瞬でユウシャ一行を制圧するとは……恐ろしい奴らじゃ……」
「勿論、そこも驚愕すべきことですが。
最も恐ろしい事は。
公爵サイドの3人とも、ピッグテヰル公爵が勝つと微塵も疑っていない動きだったことです。
いえ、それどころか勇者を手玉にとって、勇者パーティーの隙を作り出す事まで予測した動きでした」
オーダーの解説が終わったところで、改めてユウシャを見る。
おお。
なんだかしゅーしゅー言いながら顔面が回復しておる。
骨が見えていた部分も、美しい光を放ちながら肉が盛り上がってきていた。
ユウシャが驚いている所を見ると、先ほど手に入れたばかりの技術、“ねとられ”の効果なのかも知れぬ。
全く、“ねとられ”は最高じゃ。
「凄い回復スピードですね……」
「うむ!
サラマンダーより、ずっとはやい!!」
「え?
サラマンダー?」
「え、あれ?」
なぜ、サラマンダーが出てきたんじゃろう。
まあ良い。
それにしても、ピッグテヰル公爵の攻撃力も相当の物じゃ。
体力11桁のユウシャにまさか一撃でこれほどの損害を与えるとは。
相当量の魔力を注ぎ込んだ一撃だったんじゃろう。
「ぶひょ、ぶひょ、ぶひょ。
ゆ、ユウシャよ、た、大勢は決したぞ。
回復したとはいえ、だ、ダメージは深刻。
頼みの聖剣は奪われ、仲間も全員地面に寝ている」
「ぐ、ぐぐぐぐ……!」
ユウシャはふらつきながら立ち上がるも、足はがくがくしておる。
確かにだめーじは相当な様じゃ。
『な、何故だ!!
貴様、何故、我の攻撃が通らない!?』
聖剣が驚きの声を上げた。
それ私も知りたい。
「せ、聖剣“ヘキレキ”よ。
貴様の、の、能力は、『勇者が斬ろうと思った物を何でも斬れる』と言う物だ。
……だが、そ、それよりも上位に存在する、“隠れた能力”が、あ、あるだろう?」
『な、何を言って……』
「……ぶひょひょ、
ひ、久しぶりだな、ヘキレキよ。
吾輩を忘れたのか?
あ、あんなに二人で、あ、愛し合ったではないか」
『ひ、ひ、ひ、ひいいい!?
う、うあ、あ、ああああああああ!?
き、貴様、ぴぴぴぴぴぴぴp、ピッグテヰルかああああああああ!?』
なんだか、お知り合いの様じゃ。
……聖剣と、愛し合う?
ちょっと何言っているのか分からないが。
ピッグテヰル公爵は、男相手でも“立ち”専なんじゃろうが。
聖剣にも、穴はあるんじゃろうか。
「で、オーダーよ。
なんで公爵は聖剣を防御出来たのか分からんのじゃが」
「え、ええ。
多分、聖剣には仲間を斬らないためのセーフティー機能も付いているんだと思います。
恐らく、以前仲間だったピッグテヰル公爵へのセーフティー機能が付きっぱなしだったんでしょうね」
成程。
なんでも切れる聖剣を持ったユウシャが、混乱系の技術を食らって仲間を攻撃するという事態は、十分考えられる。
そうなった時に仲間を傷つけないように、『勇者が斬ろうと思った物を斬る能力』よりも上位に、『ただし斬ろうと思っても、仲間に登録した者は斬れない能力』みたいな物が存在していてもおかしくない。
と言うか、存在しないとおかしい。
「それにしても、聖剣と顔見知りとは……。
いよいよ化け物染みてきましたね、豚公爵」
そ、それは私にも突き刺さるぶーめらんじゃ。
「さあ、勇者よ。
諦めて、お、大人しくするのだ。
4人並んで、仲良く、し、尻を差し出すが良い」
絶望的な状況で、絶望的な言葉を放つ豚公爵。
しかし。
「そ、そんな事は……絶対に、させない!!」
流石は勇者。
強くなったのう。
体も心もぼろぼろで。
剣も仲間も失った状況にも関わらず。
両手に雷を纏ったユウシャの瞳は。
まだ、死んでおらんかった。
サガん様、ネタ頂きました、ありがとうございます!
さて。
ユウシャ回は2話くらいで終わるはずだったのに。
どうしてこうなった( ^ω^ )?