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豚公爵と猛毒姫  作者: NiO
豚公爵編
141/205

第141毒 猛毒姫、寝取られられる

 *******************


 前回のあらすじ


勇者「あの子を解き放て、あの子は人間だぞ!」


豚公爵「黙れ小僧! 吾輩も人間だ!!」


 *******************



 どうしてこうなった( ^ω^ )!?


「ちょちょちょ、ちょっと、お、お、落ち着いておくれ。

 何だか、いろいろすれ違いがある様じゃ」


 私が勇者一行に話しかけると。


「俺達がボツリヌスと別れて武国領へ向かっている時、サヨナラー公爵領への魔族侵攻の話を聞いたんだ」


 とセンシが。


「大急ぎでサーモン王国へ向かっている最中に、トキシン侯爵領が魔族を撃退した話を聞いたの」


 とマホウツカイが。


「きっとボツリヌスちゃんがやっつけたんだ、やっぱりモノホンですね!……と皆で話をしていたのです」


 とソウリョが、それぞれ答えた。

 ……うむ、此処までは、特に間違っておらぬ。


「そのままサーモン王国で聖剣・ヘキレキを手に入れたんだ。

 もう、僕たちは昔みたいに弱くない。

 心も体も強くなった。

 そのことを一番最初にボツリヌスに伝えたくて、この間トキシン侯爵家に訪ねて行ったんだ。

 ……そしたら!」


 ユウシャが聖剣の柄に手を掛け、雷をばりばりさせながら話を続ける。


「ボツリヌスが……軍を出撃させることと引き換えに、ピッグテヰル公爵と無理矢理婚姻を結ばされた、と言うじゃないか!」


 うーん。

 それは、ちょっと違う、かも。


「トキシン侯爵は、奥歯を噛み砕いて悔しがっていたぞ」


 センシよ。

 お兄ちゃん、まだ奥歯、残っておったかのう。


「感極まり過ぎて、『あわわわ』しか喋れなくなっているメイドもいたわ」


 ふむ、マホウツカイよ。

 あれは、仕様じゃ。


「アフロもいました」


 そうか。



 成程、これで分かったぞ。

 どうやら、トキシン家である事ない事吹聴されて。

 私を助けるために、ピッグテヰル公爵領へ乗り込んでくれたらしい。

 

 取り敢えず、早速私がしなくてはいけない事がある。



「私のために、争うのは止めて!!」



 2人の男に取り合いされるとは。

 うむ。

 浪漫じゃ。

 

 一生に一度は言いたい台詞らんきんぐ4位。

 二生目で言う事が出来て、満足。


 さて。

 次に、戦力を確認しよう。


 ピッグテヰル公爵とユウシャでは、恐らくユウシャの方が圧倒的に強い。

 シャーデンフロイデとセンシでも、魔力4対魔力2のヒトケタで、センシに軍配が上がる。

 バトラーとマホウツカイはいい勝負かもしれんが……魔力量でマホウツカイ有利じゃろう。

 キサイとソウリョは……流石にお婆ちゃんではソウリョに勝てない。


 ピッグテヰル一味、全敗が濃厚じゃ。


「……ぶひょひょひょ。


 金を渡せば物を買える。

 恩を渡せば恩を買える。

 貸しを渡せば借りを買える。


 お子様でも分かる、と、等価交換だ。

 そんなことも、わ、分からないのか?


 全く(・・)馬鹿は(・・・)度し難い(・・・・)


 ピッグテヰル公爵は相変わらず煽っていく方針(すたいる)

 左にキサイ、両側後方にバトラーとシャーデンフロイデを侍らせて、本気(がち)で魔王みたいじゃ。


 うむ。

 圧倒的に不利なはずなのに。

 ピッグテヰル公爵が負ける姿が思い浮かばんのが面白い。



 ちなみにオーダーは、ピッグテヰル公爵、ユウシャ一行から私を守るかのように体で壁を作ってくれておる。

 この部屋の武闘派の中で、1らんくも2らんくもれべるが低いと思われる彼女であるが。

 既に、狂人版(ぶぎーまんもーど)

 正直この状態のオーダーも、誰かに負ける姿とか想像がつかん。

 多分今なら、雷とか普通に避けそう。



 ……は。

 ぼーっとしている場合ではなかった!


「ま、待て、ユウシャよ!

 だ、大丈夫じゃ、私は今の状態に満足しておる!!」


「「「「……!?」」」」


 勇者一行が息を飲む音が聞こえる。


「ぼ、ボツリヌス、本気かい!?

 彼奴を見てみろ!

 周りにあんなにたくさんの女性を侍らせて……完全にハーレムじゃないか!


 あんな男に、ボツリヌスを任せられるわけがない!!」


 ユウシャがなんだか悲しそうな顔で叫ぶ。

 ……まあ、確かに、はーれむ状態じゃな、公爵。


「ふむ、はーれむか、その通り。

 そして私も、そのはーれむの一員じゃ。

 末席も末席の最低らんくで、側室扱いじゃがのう。

 愛の言葉を囁かれたことも、大事にされたことも無い。


 しかし、これで良いんじゃ。

 公爵と一緒に居られるだけで、幸せなんじゃ。


 今の生活で、私は満足じゃよ」


 ユウシャを諌めようと、なんとか現状に満足していると説明するが。


「ぐ、ぐうう、ぐがああああああああああ!!」


 ユウシャが泣き声にも似た、雄たけびを上げた。


 あれ。

 正直なところを正直な言葉で言ったつもりじゃが。

 火に油を注いだ手応え。


「豚公爵は……」

「洗脳の名手……」

「クズ野郎が……」


 他のめんばーも、唸る様にそんな言葉を囁いておる。


 あ、もう駄目じゃ。

 これは止められぬ。

 すまぬ、ピッグテヰル公爵。


「よ、よく言ったぞ、ボツリヌス・ピッグテヰル(・・・・・・)

 なあに、末席とは言え、わ、私の妻だ。

 し、しおらしくしておれば、そのうちまた『お情け(・・・)』を、く、くれてやろう


 ぶひょ、ぶひょ、ぶひょ!」


 煽っていく方針(すたいる)

 『お情け』などと、どうとでも読み取れる言葉で煙に巻くとは。

 ちょっとだけ、私の詭弁みたいじゃあないか。


 ふと。

 頬に一筋、熱い物が伝った。

 ……え?

 ここで?

 何故私は涙を流しておるんじゃ?


「ぼ、ボツリヌス様?

 な、何故泣いているんです?」


 横にいるオーダーも驚いておる。

 いや、それが、私にも分からぬ。


 ……少し考えて、私は気が付いた。

 煽る形ではあるが、ピッグテヰル公爵の今の発言は。

 つまりは、この屋敷に居ても良い(・・・・・・・・・・)と言ってくれたような物じゃ。

 いつ離婚を切り出されるか宙ぶらりんだった私。

 自分ではそんなつもりは無かったのじゃが。

 多分、それなりにすとれすが溜まっていたのかもしれぬ。


 良かった。

 私は、此処にいても、良いんじゃな。


「う、うむ。

 こんな私なのに……ピッグテヰル公爵から『お情け』を頂けると言われたことが……う、嬉しくて、嬉しくて……」


 ぽろぽろ涙を零しながら、喜びの言葉を口にすると。


「ぐ、ぐうう、ぐがああああああああああ!!」


 ユウシャがとうとうぶち切れて、ピッグテヰル公爵に向かって聖剣を抜き放つ。


 あれ。

 私、また変な事言ってしまったか!?


 このままでは、ピッグテヰル公爵がぼこぼこにされてしまう!


 い、いや、まだ公爵が負けると決まったわけではないぞ。

 そうじゃ、ユウシャの現在のすてーたすって、どんなもんなんじゃろう。


 よし、鑑定してみるか。

 

############################


 ユウシャ 男 13歳

 二つ名:勇者・真の勇者

 体力:88888888888 ↑up

 魔力:88888888888 ↑up

 スキル:逆境LV MAX

     限界突破LV MAX

     戦闘民族LV MAX

     片思いからの祝福LV 1

     NTR LV 1 NEW!


#############################


 体力魔力、ともに11桁か!

 以前は7桁くらいだったはずじゃぞ……成長し過ぎじゃ。

 本当に、本当に、頑張ったんじゃのう。

 これほど”ちーと”なすてーたすを持つユウシャの前では、流石の公爵にも勝ちの目は無い。


 ……あと、どうでも良いが、なんか良く分からん技術(すきる)が、たった今増えた様じゃのう。 

 えぬ、てぃー、あーるって、なんじゃ?

NiOさん は げんじつ から にげだした!


しかし まわりこまれて しまった!


げんじつ からは にげられない!

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― 新着の感想 ―
[良い点] ユウシャは脳を破壊されてしまったわけですね
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