第132毒 猛毒姫、初夜を迎える
さあ、遂にこの時が来ました……。
多分今回が豚毒史上一番エロい回です。
運営様御免なさい!
ノクターン不可避!
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前回までのあらすじ
因果応報とは。
「いえーい!!」(スープバシャ―)
「ぎにゃー!?」(スープバシャ―)
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ピッグテヰル公爵は、もうこれ以上の会話は必要ない、と言った様子で早々に部屋を出て行った。
後に残っておるのは、メイド達と、バトラー。
床を転げまわるシャーデンフロイデに。
そして。
「ボツリヌス様。
……とうとうこの時が来てしまいましたね」
「そうじゃのう」
オーダーが、私の隣に来て頭のすーぷを拭いてくれた。
「殺しますかアイツ」
「やめておくれ!
6歳で未亡人になっちゃう!!」
何故かのしのしとピッグテヰル公爵の部屋へ向かおうとするオーダー。
私は腰の辺りに抱き着いて止めようとするが、そのままずるずると50mくらい引きずられた。
「ちょ、ちょっと待てオーダーよ!
私はピッグテヰル公爵の事、別に嫌っておらぬぞ!?」
「?」
私の言葉に、オーダーは歩みを止めて、後ろを振り返る。
「ボツリヌス様、今までので分かったでしょう?
あれは、最低の屑ですよ?」
「まあ、言いたいことも分かるが、私は好きじゃよ、彼奴のあの在り方は」
顔や体形は置いておいて。
収入も申し分ないし、将来性もある。
死にかけても意地で動く精神力もあるし。
魔法についての知識の膨大さには、正直惹かれる物がある。
が。
「何より私が特に気に入ったのは、奴の性格じゃ」
「……はあ?」
頭の回転の早さに因る物か。
奴の考えが、何一つ読めなかった。
こんな奴は、初めてじゃ。
……今回のいにしあちぶ合戦では私の大勝利と言えようが。
それは単に、奴が不運であったり、私の吃驚箱魔法を理解していなかっただけとも言える。
改めてもう1回いにしあちぶ合戦すれば、私の勝率は3割を切るじゃろう。
「何よりも、自分を害する気満々の猫耳娘を飼っておくだけの気概が素晴らしい」
未だに地面をのた打ち回るシャーデンフロイデを見ながら、考える。
此奴はヒトケタの獣人と言う、恐ろしく危険な存在じゃ。
しかも、どんなに目を掛けても「メシウマだにゃー」の一言で、翌日下剋上される可能性すらある。
此奴に首輪を付けるのは無理じゃ。
そんな恐ろしい生き物を、その身のうちに置いておる。
例えるならば、絶対懐かない人食いツキノワグマをぺっとにしておる様な物じゃ。
何と言う豪胆な性格。
「……そこまで公爵様を、買っておられるのですか」
オーダーは驚きの表情を浮かべたが。
「それならば、私からいう事はありません」
そう言って、辛そうにその身を引いてくれた。
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「さて、風呂も入ったし、後はピッグテヰル公爵の寝所に行くだけじゃな」
いよいよか。
流石にどきどきしてきたぞ。
ふむ。
100年毒女の耳学問では。
初めての痛みは鼻の穴に大根を突っ込まれるような物で。
子供が生まれる痛みは鼻の穴から西瓜を捻り出すような物だと聞く。
勿論流石にそんな拷問はやった事無いので、想像になるが。
大根くらいなら、まあ余裕じゃろう。
さて、着て行く服であるが。
正直、男受けのする服が分からぬ。
何でも、着えろ、という浪漫があるらしい。
男は馬鹿なのか。
「ふむ」
風呂上がりの全裸のまま、洋服棚を見て腕を組んだ私。
「……良いか、全裸で」
全裸で行くことにした。
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「ぶひょ、ぶひょ。
や、やはり、全裸で来たか」
寝所の扉を開けると、ピッグテヰル公爵も既に全裸待機しておった。
奴の股間を凝視する。
……なんじゃあれは。
股間にぶら下がっているのは、赤子ほどもある物であった。
……多分、相当に巨大いよな?
私は予想を上方修正する。
即ち、大根を西瓜へ変更。
……うむ。
まあ、なんとかなるじゃろ。
私は覚悟を決めると、ピッグテヰル公爵へ歩み寄る。
さあ、好きに弄ぶが良い。
春の妖精を思わせる、私の美しい玉子肌を!
「……」
「……」
しばらく、時間が流れた。
何故だか、ピッグテヰル公爵は固まったままじゃ。
「……」
「……」
ど、どうしたんじゃろう。
「な、な、何故だ!?」
突然、ピッグテヰル公爵が声を上げる。
「な、な、何故、勃たん!?」
……は?
確かに、ピッグテヰル公爵の股間の赤子は、寝息を立てたままじゃ。
「何故じゃ。
何故、勃たぬ!?」
私も驚いておったが。
それ以上にピッグテヰル公爵が信じられないと言う顔をしておる。
「わ、私は無差別愛の体現者、セルライト・ピッグテヰルだぞ……!?
守備範囲は男女問わず、3歳から100歳まで。
こ、此奴など、ストライクゾーン、ど真ん中では無いか!!」
ピッグテヰル公爵は自分に言い聞かせるように、悲鳴のような声を上げる。
そうじゃそうじゃ、春の妖精を思わせる私じゃぞ。
すとらいくぞーんど真ん中のはず……。
……ん?
……3歳から100歳まで……?
もしかして。
私の精神年齢が。
……105歳、じゃからか
そうだとしたら。
なんだか申し訳ない気がしてきた。
上手に補論出来ぬものか。
色々考えてあわあわしておったが、それでも時間は無情に過ぎていく。
暫くして。
「……で、出て行け」
「……む?」
「今日は、もう、出て行け」
ピッグテヰル公爵は、肩を落としながら、なんとかその言葉を吐き出した。
……その方が良いかもしれん。
私は素直に頷く。
部屋を出て行きながら、ピッグテヰル公爵に励ましの言葉を掛ける。
「ほ、ほら!
男の人って、緊張しすぎたらそうなっちゃう事って、あるらしいじゃあないか!
緊張してくれるなんて、私、嬉しいのう!……な、なんちゃって……」
精いっぱい耳学問による補論をしてみるが。
「……」
駄目じゃ。
裏目った。
ピッグテヰル公爵のぷらいどを著しく傷付けたらしく、そのまま俯いて沈黙した。
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ピッグテヰル公爵の寝所から自室へ帰る最中に、オーダーに会った。
「あれ、ボツリヌス様。
お散歩ですか?」
「なんで私は全裸お散歩きゃらになっておるのじゃ」
オーダーから変態扱いを受けたので、仕方なく経緯を説明する。
「殺しますねアイツ」
「やめておくれ!
何故このたいみんぐで!?」
何故かのしのしとピッグテヰル公爵の寝所へ向かおうとするオーダー。
私は再度腰の辺りに抱き着いて止めようとするが、またもやそのままずるずると50mくらい引きずられる。
「ウチの姫様が一番カワイイのに!!」
オーダーが切れ気味に叫ぶ。
どうやら私がピッグテヰル公爵に恥をかかされたと取った様じゃ。
私の必死の説得で、なんとか事なきを得たが。
オーダーの奴め、激情家過ぎるぞ。
私がやられてもやられなくても公爵を殺しにかかるその姿勢。
よし。
らん&がんと名付けよう。
NIO「はい」
読者「はいじゃないが」