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豚公爵と猛毒姫  作者: NiO
豚公爵編
129/205

第129毒 猛毒姫、矛盾に気づく

 *******************


 前回までのあらすじ


 オーダー「私は他者依存(タイプ)です。

      他者愛(タイプ)のバトラーさんと一緒にしないでください。

      同じヤンデレでも、全然違います」


 ボツリヌス「一緒じゃ」


 *******************



「バトラーさん、ボツリヌス様とのお話は終わりましたか?」


 ずい、と、オーダーが私の隣に並んだ。


「え、なんですか?

 オーダーさんと話すことは、特に無いと思いますが……」


 オーダーの奴……なんだか、怒っておる様に見えるが。


「特にない、ですか。



 ……ふざけるなよ(・・・・・・)


 私とボツリヌス様の(・・・・・・・・・)大事な絆の1つを(・・・・・・・・)よくも(・・・)破壊してくれたな(・・・・・・・・)



 ……今すぐ謝れ(・・・・・)!!」


 その剣幕に、バトラーはしばらくぽかんとしておったが。

 徐々にその顔色を、青ざめさせた。


「あ、あ、あああああああああああ!!


 お、オーダーさん、申し訳ありません!

 公爵様を助けるのに必死だったんです!

 わざとでは無いんです!


 こ、この通りです!!」


 何かに気が付いたのか、ひざを折って深く頭を下げた。

 もはや、土下座に近い恰好である。



「な、な、なんじゃ、何を怒っておるのじゃオーダーよ。

 話が見えないぞ」


 オーダーは私を見ると、呆れた様に溜息を吐いた。


「まだ気づかないんですか、ボツリヌス様?

 ご自身の前歯を触って見てください」


「前歯?」


 前歯と言えば、この前ぽきぽき折ったばかり。

 今の私は歯抜け状態じゃ。

 まあ、乳歯だから別に良いのじゃが……て、あれ?


「……歯が、生えておる……?」


 いつの間に。

 何かの、魔法なのか?


 思い当たる物と言えば……バトラーがさっきピッグテヰル公爵に掛けていた魔法。

 腹に書かれた魔法陣の光が当たったせいじゃろう。


 豚公爵の毒状態を回復させ。

 私の乳歯を再び生えさせる魔法。


 ふむ。

 そんな事が出来る物なんて。

 時魔法を除けば、私の知る限り1つしか……。






 ……え?



 おい、まさか。






()……光魔法の魔法陣(・・・・・・・)、なのか……!?」





 オーダーが頷きながら、自分の手につけていた手袋を外すと。





 ……そこには、5本の指があった(・・・・・・・・)




 オーダーの千切れた指が……元に(・・)戻っておった(・・・・・・)



 な、なんと。

 やったじゃあないか、オーダーよ!


 正直、少し後ろめたいところがあったからのう。

 治ってくれて、本当に良かった。


 ……あれ?

 じゃあなんで、オーダーの奴は怒っておるのじゃ?




「千切れた私の指。

 それは、ボツリヌス様を助けるために命を懸けたと言う絆と。

 そして、それでも届かなかったと言う戒めと。

 その両方が込められた物だったのです。


 それを(・・・)この女ァ(・・・・)

 事もあろうか(・・・・・・)勝手に治しやがって(・・・・・・・・・)……!!」


「すみません、すみません!

 お二人の大事な絆を壊してしまい、本当に申し訳ありません!!」


 本気(まじ)切れして怒鳴り散らすオーダーに、平謝りするバトラー。


 や〇ざの理論かな?


「あ、阿呆かオーダーよ!

 手の指、じゃぞ?


 治してくれて有難う御座います、じゃろうが!!」


 私の発言に、オーダーだけでなくバトラーまで、頭に『(はてな)』を浮かべておる。


 ……あれ?

 私の言っている事、何かおかしかったかのう?

 何だか自分の方が間違っておる気がしてきた。


「仕方ありません……ボツリヌス様に免じて、今回は『貸し』にしてあげましょう。

 次はありませんからね」


「……肝に銘じておきます。

 『借り』ですね」


 治療を施した方が『借り』を作る謎の形態(しすてむ)

 2人の不可思議な共通常識(こもんせんす)でこの場は事無きを得た。


 こんなにも何を考えておるのか分からない会話は、長い人生の中でも初めてじゃ。



 言葉を変えよう。



 病んでおる(・・・・・)


#############################################



 バトラーに案内されて、各々の部屋へと移動した。


 部屋のべっどに横になると、私は今までの情報を整理していく。


 ピッグテヰル公爵は、今分かっているだけでも。

 特殊魔法2種類の魔法陣化に成功しておる。


 雷魔法と、光魔法の2種類じゃ。


 最強の矛とも(・・・・・・)例えられる雷魔法と(・・・・・・・・・)

 無敵の楯と言っても(・・・・・・・・・)過言では無い光魔法(・・・・・・・・・)



 ……そして、魔法陣化成功と言う事は。

 魔力さえあれば誰でも使えると言う事じゃ。


 



 ……。





 冗談ではない。





 世界征服が(・・・・・)可能じゃあないか(・・・・・・・・)

あんまり治すつもりありませんでしたが、ノリでオーダーの指が戻りました。


ちなみに光魔法ならバトラーの入れ墨魔法陣も消去出来ます。

豚公爵との絆なので彼女は絶対そんな事しませんが。

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